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【Merakiブログ 第8回】MV(カメラ)

ネットワーク
2021.01.29

(2021.12.1 ラインナップ追記編集)

皆さんこんにちは。

第8回になりましたMeraki連載、今回のテーマはMVです。カメラシリーズですね。

カメラなんてあったの?という方も、知ってるよ!という方も。どうぞ最後までお付き合いください。

今回の目次は以下となっております。

では早速、カメラの中でもなぜMerakiなのか?Merakiのカメラを選択する理由についてみていきましょう。

 

Merakiのカメラを選択する理由

基本機能や便利な機能については後ほどご説明しますが、Merakiがカメラというアプライアンスも出している理由は何だと思われますか?

Merakiはネットワーク製品のベンダーです。カメラはネットワークに関係ないので、カメラを売る必要なんてある?と思われるかもしれません。

これには、Meraki最大の特徴である「クラウドで全製品を管理」という点が関わってきます。Merakiを導入することで日本全国どこの拠点であったとしても(もちろん本社も!)、セキュリティアプライアンス(MX)やスイッチ(MS)、アクセスポイント(MR)、並びにユーザー端末の管理(SM)まで、すべての管理をダッシュボードで行えます。

そういったネットワーク環境がMerakiで整えられている場所に、Meraki製のスマートカメラがあったなら......。拠点のファシリティをすべてMerakiで揃えることが可能になります。そして、もちろんカメラもクラウドでの管理になるので管理者の負担を軽減することができます。

Meraki_point.png

こういったことから、カメラをMerakiで選択することのメリットが生まれます。

また、「Merakiで揃えるため」以外にもMerakiのスマートカメラを選択する理由は多くあります。とは言うものの、「Merakiカメラでできること」を知らない限りは判断できないと思います。

ですので、まずは基本機能のご紹介からしていきたいと思います。

 

基本機能

MVはカメラですので、当然ながら設置した箇所の映像を見ることができます。どこで見るかというと、Merakiのダッシュボード上でカメラの映像が表示されていますので、そちらで確認可能です。

このように表示されています。もちろんリアルタイムの映像ですので、人が歩いている様子や車が通る様子も見られます。

Meraki_MV_top.png

先ほど記載しましたようにMerakiダッシュボード上、つまりクラウド上で確認しておりますので、場所を問わず「いつでも」「どこからでも」ブラウザ上で映像を確認することができます。再生のために特別なアプリケーションなどは不要です。

なお、映像自体はカメラ本体に搭載されているSSDに保存されますので、もしインターネット接続が切断されたとしても、録画が途切れるということはありません。また、後ほどご説明しますがオプションライセンスを購入することでクラウド上へも映像を保存することも可能です。

 

上記画像で時間軸と一緒に表示されているオレンジ色の部分は、カメラが何か動きをとらえていることを示しています。ですので、通常は動きがないはずの場所に設置したカメラや、動きが無いはずの時間帯がオレンジ色になっていれば、すぐに分かります。

動きがある時間はオレンジ色にマーキングされているので分かりますが、「動きがあるその時」に知りたい!というニーズもあると思います。そういったニーズに対応した機能が"モーションアラート"です。

  

モーションアラート

機能内容としては、名称そのままですが「動き(モーション)があったときに知らせてくれる(アラート)」ものです。

設定方法を見ていきましょう。

「カメラ」>「(監視)カメラ」でアクセス後に任意のカメラを選択、「設定」タブをクリックします。すると、「モーションアラート」の項目が表示されますのでクリックします。

motion_alert_top.png

そうすることで、モーションアラートを無効にするのか、常に有効にするのか、もしくは決まった時間帯だけアラートが来るようにするのか、選択することができます。スケジュールする場合は、自由に時間と曜日を設定できます。

motion_alert_schedule.png

時間を決めるだけでなく「動きが何秒間あれば」「どの程度の動きを感知すれば」通知を送るのかについても選択することができます。

この他にも、1枚目の画像に記載されている要素(「人の検出のみアラート」や「関心のある分野」など)を合わせてモーションアラートを設定することになります。「関心のある分野」とは、カメラの映像全てを対象とするのではなく、範囲を指定することを意味しています。

下の画像のように、青枠で示されている部分をモーションアラートの設定範囲とすることができます。

motion_alert_area.png

そして、Merakiのこのモーションアラートが便利なところは、「モーションアラートを設定したら、どれぐらいの通知が来るのか予測して教えてくれる」という点です。通知が来すぎてもチェックするのが面倒になって結局見ない...なんてことになるかも知れませんし、今まで来ていなかったのに急に来たら設定していたことすら忘れていて何をしたらいいのか分からない...なんてこともあり得ます。

そんな事態を防ぐために、「この設定であれば、通知はこれぐらい来ます」という数字を、今までのカメラの映像から分析して教えてくれます。通知が送られてくる頻度をある程度想定できるので、数字を参考にしながらアラートの設定をすることで、「これでは通知が多すぎるからもう少し設定を弱めよう」と判断できるということです。

例として、対象とする時間は「常時する」として、感知する度合いの設定を変えることでどの程度数字が変化するかを見てみたいと思います。

motion_alert_change.png

赤枠で囲ったトリガーのモーション感度を1%→50%→100%と変化させたことによって、青枠内の数字が変化していることが分かるかと思います。この数字こそが、今までのビデオデータから推測される、設定しているモーションアラートで通知が行く対象となる人数を示しています。

とても便利な機能ですので、モーションアラートを設定する際には、この数字を参考にしながら強度を決めていただければと思います。

では、続いて"検索"機能についてご紹介したいと思います。

 

検索

「後から何か物がなくなっていた」「出入りした人を確認したい」なんてことが、あったとします。

そんなときにはオレンジ線が付いているところを見ればOK!ではあるのですが、動いている人や物が多くてほぼ全時間帯にオレンジ線が入っている......という状況だとしたら、どうしましょう。もちろん、時間をかけてオレンジ線が付いている時間をチェックして確認することも可能です。

しかし、Merakiのカメラであれば便利な機能を使うことによって、その時間をかなり短縮できるかもしれません。

その便利な機能とは、「検索したい範囲を決めて検索」です。画面上で、範囲を簡単に指定するだけで、その範囲内で動いた時間帯がピックアップされます。

「カメラ」>「(監視)カメラ」で任意のカメラを選択、ビデオ(「カメラ」ページのデフォルト)画面にアクセスします。すると、映像の左上に「動きの検索」と記載されています(下記画像ではクリック後ですので「検索終了」となっています)。検索した範囲を四角で囲って設定します。今回は、歩道部分を歩く人を検索したいので白線で歩道を囲いました。

search.png

このように範囲を選択して「検索結果にジャンプ」を押下することで、動きがあった時間帯が結果として表示されました。

motion_alert_result2.png

この機能を使うことによって、「出入口を範囲指定して出入りする人を確認したい」であるとか、「物があった場所を範囲指定して無くなった時を確認したい」といった要望を叶えられます。

オレンジ線部分を確認する方法も便利ですが、動きが多い映像ですとマーキングされている箇所も多くなりますので、時間がかかってしまいます。しかし、この方法ですとそういった場合にも対応可能です。

 

カウント

「詳しく誰が入ったとかの確認は不要だけど、どれぐらいの人数が出入りしているのかは知りたい」という意見がセキュリティやマーケティングの観点からあったとします。今までであれば、映像を人が確認して出入りの人数をカウントする必要がありました。

ですが、Merakiであればカメラの導入だけでこの機能まで付いてきます。カメラの映像が見られるページでは「アナリティクス」という項目があります。ここでは、映像に映っている人数をカウントしてくれます。

「人物検出」と書かれている部分に、指定した時間内で何人をカウントしたか、最も人数がいた時間は〇時、その際の人数は〇人、という分析データが表示されています。

日時の指定は、人物検出の少し上にある部分で指定ができます。期間は1分ごとに指定ができますので、最も人数がいた時間帯を分単位で知ることもできます。

count.png

 

モーションヒートマップ

先ほど、Merakiのカメラで捉えた映像を分析して人数のカウントを行っているとご説明しました。それだけでなく、映像のどの部分に人が集まっているかを可視化してくれる機能もあります。それが、モーションヒートマップです。

先ほどの人数カウントの下側に、時間別のカメラ映像と共にヒートマップが作成されています。

motion_heatmap.png

上記画像で赤くなっている部分は、その時間帯に人が多くいたエリアを指しています。反対に、青や何色にもマーキングされていない部分は人があまりいなかったエリアを指しています。

コンビニや小売店などは、人が密集している場所が分かると、この情報を元に「何が人気なのか」「何が原因なのか」といったことを考えやすくなりますね。商品がよいから人が集まっているのか、もしくは導線の問題なのか、とうことを推測しやすくなります。

 

オプション機能

これまで紹介してきた機能は、すべて基本的な機能です。それに加えて、オプションライセンスを購入することで利用可能になる機能やサービスもありますので、ご紹介していきたいと思います。

 

クラウドへの保存

Merakiのカメラで録画された映像は、本体に内蔵されているSSDに保存されます。機種や画質の設定等で変化しますが、MV22XとMV72Xでは、最長で1日24時間の常時録画を90日間保存することができます。

しかし、監視カメラとしての役割があるのでもっと長い期間保存できる機種が欲しい、という要件もあると思います。

Merakiには、クラウドへ長期間保存するためのライセンスがあります。このライセンスを購入して適用することで、最長365日間クラウドへと映像がアーカイブされていきます。

機種本体に搭載されているSSDの容量や、録画時の設定によって本体に保存できる期間は限られます。しかし、Merakiではクラウド管理という特徴を生かして、クラウドへと録画映像を保存していくことができます。クラウド上での保存ですので、もちろんダッシュボードからいつでもどこからでも確認可能です。

ライセンスの型番と期間、年数については後ほど「ライセンス」をご紹介する部分で記載しておりますので、そちらも併せてご確認ください。

 

MV Sense(API連携)

※MV Senseは、第二世代以降のカメラで使用可能な機能です。第二世代カメラとは、次項目「ラインナップ」の表に記載されているカメラを指します。

MerakiはAPIを利用してサードパーティの機能と組み合わせ、より便利でより良いものにすることが可能です。

MVシリーズも例に漏れず、APIを利用して分析や機能を追加することができます。そのために必要なのがMV Senseライセンスになります。

このライセンスを適用することで、APIを利用した「カメラの映像をスナップショットで送る」や「危険物がある場所に人が近づけば、同じくAPI連携して近くに設置されているアラームを鳴らす」といったことが可能になります。

カメラの映像を解析することがトリガーにもなっており、こうした技術を利用するためにMV Senseのライセンスが必要になります。

第二世代のカメラが登録されているオーガナイゼーションには、10のMV Senseトライアルライセンスが自動的に付与されています。ですので、第二世代のカメラがあれば、API連携でどのようなことができるのか実際に試すことができます。付与されているトライアルライセンスに期限はありません。

もし10台以上のカメラを対象にしてAPI連携をしたいということであれば、MV Senseライセンスを購入して適用する必要があります。MV Senseライセンスはカメラ単位で必要になりますので、API連携対象とするのが20台のカメラであれば10のライセンスを購入する必要があるということです。

また、API連携でいろいろしたいから参考になるサイトがない?とお悩みの方には、Meraki公式のDeveloperサイトがございますので、そちらをご覧ください。本記事下部でもリンクをご紹介しております。

 

ラインナップ

屋内用モデルと屋外用モデルがそれぞれ用意されています。

また、魚眼レンズが搭載されているモデルもあり(MV32-HW)、こちらのカメラは360°に対応しています。魚眼レンズが搭載されていながら、見た目はとってもスマートです。

MV52は、屋外用で超長距離用の光学レンズを搭載しています。もちろんナイトビジョンにも対応しています。

設置場所や用途に合わせて適切なものを選択できます。

MVlineup_asofdec1st.png

PoEで受電して電源を取る方法以外にも、電源アダプタやパワーインジェクタ(それぞれ別売り)を利用することができますので、設置したい場所に適した電源を選択することで、設置できる場所が広がります。

また、SSDの容量もモデルによって異なります。クラウドに保存は不要だからSSDの容量は大きくしよう、クラウドに保存するから本体の容量は小さくても大丈夫、といった、運用予定の環境にあった最適な選択が可能です。

 

ライセンス

必須ライセンス

カメラ1台につき、ライセンスが1つ必要になります。ライセンスに種類はありませんので、年数さえ選択すれば機種が異なっていても同じライセンスになります。

こちらに、ライセンスの型番とそのライセンスによって使用可能な期間を示しました。

license.png

「カメラの機種を変えたいな」と思ったときに、ライセンスが期限内でなおかつ台数が変わらないのであれば、再購入は不要です。とってもリーズナブルですよね。

 

オプションライセンス

クラウドアーカイブライセンス

license_cloud.png

MV senseライセンス

license_mvsense_add.png

 

まとめ

監視カメラや防犯カメラは種類が多く、カメラなんだから録画さえできたらいいよ、という考えの方もいらっしゃると思います。

しかし、単なるカメラとしてではなく「ネットワーク製品」として考え、Merakiのカメラを選択することで、可能になることが数多くあるということをご紹介してきました。

「これだけ機能が使えるならMerakiのカメラがいいね」「スイッチもアクセスポイントもMerakiだからまとめて管理できて便利」と思っていただけたなら、幸いです。

また、付加的な要素ではありますがAPI機能を上手く利用して、より便利で叶えたいことを実現できる可能性もあります。ユーザー次第で様々な使い方ができるのも、Merakiのカメラならではです。

 

では、また次の連載でお会いしましょう!

★★Meraki MV関連リンク集★★

〈屋内モデルデータシート〉

MV2 データシート

MV クラウド管理型スマートカメラ(MV12, MV22, MV72)

MV12シリーズ データシート

MV22シリーズ データシート

MV32 データシート

〈屋外モデルデータシート〉

MV52 データシート

MV72シリーズ データシート

〈Meraki Developerサイト〉

Meraki Developer Hub

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著者紹介

SB C&S株式会社
技術本部 技術統括部 第2技術部 1課
福田 睦