みなさん、こんにちは。 プリセールスをしております、舘林です。
今回はCohesityのマルチテナント環境の構成方法についてご説明いたします。
マルチテナント機能を使用することにより、大企業などで組織単位でCohesityリソースを割り当てたり、サービスプロバイダーとして、バックアップ(BaaS)やディザスタリカバリ(DRaaS)、ファイルサービスなどを提供することができます。
今回は大企業で利用することを想定し、組織毎(組織Aと組織B)でストレージドメインと管理者を作成し、組織単位でCohesityのリソースを活用する構成を作成していきます。
なお、検証環境は以下となります。
Cohesity:Virtual Robo Edition v6.6.0d
仮想環境:VMware ESXi 6.7.0
1.組織毎に使用するストレージドメインの作成
1.1 ダッシュボードより「設定」→「サマリー」→「ストレージドメイン」を選択し、「ストレージドメインを作成」を押します。
1.2「ストレージドメイン名」を入力して「ストレージドメインを作成」を押します。
今回は組織Aのストレージドメイン名をorganizationAstoragedomain、組織Bのストレージドメイン名をorganizationBstoragedomainとしております。
※重複排除、圧縮、暗号化のオプションは必要に応じて選択してください。
1.3 ストレージドメインが作成されたことを確認します。
1.4 1.1から1.3の作業を実施して、組織Bのストレージドメインを作成します。
なお、今回は組織Aと組織Bでストレージドメインを分けておりますが、ストレージドメインを共有して使用することも可能です。
2.組織に所属する管理者ユーザの作成
ActiveDirevtoryやLDAPと連携したユーザ認証が実施できますが、本手順ではCohesityローカルユーザ認証の機能を使用して、管理者ユーザを作成します。
2.1 ダッシュボードより「設定」→「アクセス管理」→「ADユーザとグループを追加」を押し、「ローカルユーザを追加」を選択します。
2.2 ローカルユーザ追加画面より、以下の情報を入力し、追加を押します。
・ユーザ名(管理者のユーザ名、本手順では組織A用のユーザ名を記入しています。)
・電子メールアドレス(管理者のメールアドレス)
・パスワード(任意のパスワード)
・ロール(管理者権限を付与しますのでAdminを選択します)
・発効日(デフォルトで現在の日付が選択されています)
2.4 2.1から2.2の作業を実施して組織B用のユーザを作成します。
3.組織の有効化
3.1 ダッシュボードより、「設定」→「サマリ」→「構成」を押します。
3.2 クラスター設定を編集画面より、「組織を有効にする」にチェックを入れて、保存を押します。
なお、一度、組織を有効にすると無効にできませんのでご注意ください。
4.組織(テナント)の作成
4.1 ダッシュボードより、「設定」→「組織」→「組織を追加」を押します。
4.2 組織の詳細より、以下の情報を入力し、「追加」を押します。
①組織名(組織名=テナント名とお考えください。値は任意となります)
②組織ID(Cohesityにログインする際にユーザ名に追加されます)
例としてユーザ名:orgaAuser 、 組織ID:orgaAで設定する場合、ログイン時はorgaAuser@orgaAを入力します。
③説明(必要であれば記入してください)
4.3 割り当てる、ストレージドメインとユーザ(管理者ユーザ)を選択します。
4.4 設定内容を確認し、保存を押します。
4.5 4.1から4.4の作業を実施して組織B(テナント)を作成します。
5.確認
組織の管理者アカウントでのログイン確認と割り当てた環境だけがみれることを確認します。
5.1 画面右上の人型のアイコンを押して、ログアウトを押します。
5.2 ユーザ名とパスワードを入力し、「サインイン」を押してログインでき、ダッシュボードが表示されることを確認します。
viewの作成画面からわかりますが、組織Aの管理者ユーザは割り当てた組織A用のストレージドメインのみ選択可能となっており、他のストレージドメインの情報はでてこないことがわかります。また新規のストレージドメインの作成もできません。
また、組織単位でユーザ管理ができますので、必要に応じて2.1の項目を参照して頂き、ユーザ追加をしてください。
さいごに
いかがだったでしょうか。Cohesityではこのようにマルチテナント環境を簡単に作成することができます。次回はサービスプロバイダーとしてマルチテナント環境で使用することを想定し、Hybrid Extender を使用した構成で記事をあげさせて頂きます。
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著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第3技術部 2課
舘林 恵祐