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Nutanixの新しいライセンス体系の紹介(周辺ライセンス編)

Nutanix
2022.03.28

こんにちは。SB C&Sで西日本地域で技術支援を担当しています、萩原です。

前回は、NCIのライセンスを中心にNutanixのコアであるAOSやPrism Centralに関するライセンスの情報について紹介しました。今回は、Nutanixの周辺プロダクトのライセンスについて紹介します。

Nutanix ユニファイドストレージライセンスについて

従来、FilesやObjectsなどそれぞれ製品ごとにライセンスが分かれていましたが、今回ストレージサービス系はまとめて、NUSライセンスとして統合されました。

NUSライセンスの特長

NUSライセンスは、2つのエディションからの選択となります。
従来、AOSに付加するAddOnライセンスとDedicated(AOSを必要とせずファイルサーバーやオブジェクトストレージ専用で利用する方法)の2種類が選択できましたが、今回ライセンス体系としては1つとなり、手配後にどちらの方法で利用するかを選択する形となりました。

エディション 変更点
Pro Objects Storageに加え, Files Storage、Volumes Block Storage(旧称:Nutanix Volumes)が利用できるエディション
Mine Integrated Backup(旧称:Nutanix Mine)も利用可能になります。
Starter Nutanix Objectsが利用できるエディション

NUSライセンスの大きな変更点は以下の通りです。

  • 従来、Files、Objectsと別々のライセンスで手配しなければならなかった物が、エディション分けされ、NUS Proを手配すれば、FilesもObjectsも両方利用できるようになります。
  • ライセンスは従来通り、1TiB単位でのカウントとなります。
  • Filesライセンスには、File Analyticsの利用権利が引き続き提供されます。
  • ストレージ専用で利用するDedicatedライセンスも提供されます。この場合、ストレージサービスの提供に必要な仮想アプライアンス以外にノード当たり1VMまでの稼動が許可されます。
  • NCIライセンスと共にNUSライセンスを適用してFilesを稼動させる場合(AddOnライセンス)は、NCIは、Proエディション以上が必要となります。従来はAOS StarterとFilesの組み合わせが可能でしたが、この点は注意が必要です。
  • DedicatedでNUS Proを利用する場合、Nutanix Volumesによる物理サーバーへのiSCSIストレージ機能が提供可能です。

従来通り、NCIやNCPライセンスを保有している場合、60日の無制限利用の後、Files「1TiB」もしくは、Objects「2TiB」を継続利用できます。(FilesかObjectsかのどちらかの選択)ただし、Filesを無償で1TiB利用するには、NCI Pro、NCI-Data Proもしくは、NCP Starter以上の保有が必要になる点は注意が必要です。

VDIに最適なライセンスについて

NCI-VDI特徴

従来VDI-Coreというライセンスで提供されていた、VDI向けのライセンスは、新しくNCI-VDIとなり3つのエディションが提供されるようになりました。

エディション 変更点
Ultimate NCI Ultimateに加え、1ユーザーあたり100GBのFilesの利用が可能
Pro NCI Proに加え1ユーザーあたり50GBのFilesの利用が可能
Starter NCI Starterに加え、Nutanix Filesが1TiB(クラスターあたり)まで利用可能

NCI-VDIライセンスの特長は以下の通りです。

  • 従来通り、VDIに接続する同時接続数でカウントされます。
  • 従来VDI-Coreの場合、2%のクッションとしてVDI以外の仮想マシンを稼働可能でした。
    NCI-VDIでは、VDIで利用する仮想マシン以外にVDIで必要な管理コンポーネントに限定してライセンスカウントから除外して稼働させることが可能です。
  • VDIのソフトウェアに限定はありません。Microsoft Remote Desktop ServiceやAccops、VMware Horizonなど多くのVDI/SBCソフトウェアの利用に適用が可能です。

VDIでの利用の場合、Filesのライセンスが一緒に付与されますので、高速で安定的なユーザープロファイルの保存環境を合わせて構成できます。

Nutanix データベースライセンスについて

NDBライセンスの特長

従来Nutanix Eraと呼ばれていましたが、この度製品名称を「Nutanix Database Service」(通称:NDB)に改められました。ライセンスは、NCI/NCPライセンス等を既に保有しているユーザー向けのAddOnライセンスと、NCIライセンスを必要としないStandaloneライセンスが提供されます。AddOnライセンスとStandaloneライセンスは別のSKUであり個別で購入時に選択をおこないます。

NDBライセンスの変更点は以下の通りです

  • 従来Eraのライセンスカウントは3つの方法がありましたが、今回Nutanixクラスターの物理CPUカウントに統一されました。
  • AddOnライセンスの場合、NDBから展開されたDB仮想マシンが稼動するノードを限定化することで、限定したノード分の物理CPUコア数だけの手配が可能です。(たとえば2CPU 計16コア搭載のノードが10台で構成されたクラスターの場合、NDBを160CPUコアライセンス必要としますが、NDBから展開された仮想マシンを3ノード限定にしてアフィニティを設定した場合、48CPUコアライセンスで手配が可能)
  • Standaloneライセンスの場合、NCI Ultimateライセンスがあわせて付与されます。データべースと関係の無い各仮想マシンの稼働も可能です。

NDBのライセンスはあくまでも、NDBを利用するためのライセンスとなります。別途展開するデータベースソフトウェアのライセンスが必要となりますので、そちらも忘れないように手配をして下さい。

ライセンスのカウント方法について

各製品ごとにライセンスカウントの方法を記載致しましたが、改めてまとめて記載します。
それぞれ製品ごとにカウント方法が異なりますので、注意してください。

製品名 ライセンスカウント方法
NUS 容量(1TiB)単位
NCI-VDI 同時接続数
NDB 稼動するノード物理CPUコア数

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まとめ

Nutanixの周辺ライセンスは、AOSのライセンスに比べて変更点が大きくなっています。
特に従来エディションがなかったライセンスが複数エディション新たに用意されたことで、一部ルールが変わっている部分もあります。
新しいライセンス体系は、従来より手が届きにくかった高度な機能も手軽に利用できるケースも増えてきたように感じます。ライセンスをうまく活用することで、HCIの便利さにプラスしてNutanixの一貫した管理でITサービスを統合することが可能となります。

Nutanixの新しいポートフォリオライセンス

著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第3技術部 2課
萩原 隆博 - Takahiro Hagiwara - (Nutanix NTC)

HCIを中心とした仮想化とMicrosoft 365のプリセールスエンジニアを担当しています。
Nutanix Technology Champion 2018-2024