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Azure Arcに接続してみよう - サーバー(Linux)編

パブリッククラウド
2023.05.18

みなさんこんにちは。 以前にこちらのブログ記事Azure Arcについてご紹介いたしました。

まずはAzure Arcにリソースを接続(オンボード)してみようということで、接続方法についてご紹介したいと思います。 今回は「サーバー」(Linux)Azure Arcに接続してみます。
なお、Windowsをご利用の場合は前回のブログ記事「サーバー(Windows)」でご紹介しておりますのでそちらをご参照ください。 Connected Machine エージェントや通信経路などの概要も前回のブログ記事にてご紹介しております。

検証環境

今回はサーバーとしてUbuntu 20.04LTSを用意し、Azure Arcに接続してみたいと思います。
az_arc-sv-lin-env-1.png

前回と同様にインターネットにアクセス可能な状態にしてあります。 また、プロキシ、VPNAzure ExpressRouteがない環境ですのでサーバー側からAzure Arcのパブリックエンドポイントに接続します。
az_arc-sv-lin_env.pngまた、Connected Machine エージェントをインストールする上でのソフトウェア要件がありますので事前に確認しておきましょう。 Linuxの場合はsystemdwgetopensslGnupgが必要です。 今回利用する環境では以下のようになっています。
az_arc-sv-lin-env-2.png

Azure Arcにサーバーを接続するのに必要なAzureのリソースプロバイダーMicrosoft.HybridComputeMicrosoft.GuestConfigurationMicrosoft.HybridConnectivityは登録済みです。 (未登録の場合はこちらの手順に沿ってリソースプロバイダーを登録します。)
az_arc-sv-win-0.png  

スクリプトを使ってサーバー(Linux)Azure Arcに接続

サーバー(Linux)Microsoft Learnの記載に従って接続してみます。

Azure Arcの「インフラストラクチャ」配下の「サーバー」を開いて「+追加」をクリックします。
az_arc-sv-lin-1.png

「単一サーバーの追加」の「スクリプトの作成」をクリックします。
az_arc-sv-lin-2.pngリソースグループや地域(リージョン)、オペレーティング・システムを選択します。 ここではオペレーティング・システムとして「Linux」を選択し、「次へ」をクリックします。
az_arc-sv-lin-3.png

タグの設定画面が表示されます。 必要に応じて値を入力し「次へ」をクリックします。
az_arc-sv-lin-4.png

スクリプトが表示されます。 こちらをAzure Arcに接続するサーバーに保存します。
az_arc-sv-lin-5.png

なお、下にスクロールするとスクリプトの用法や内容を確認することができます。
az_arc-sv-lin-5-2.png今回はサーバーのrootのホームディレクトリ(/root)にスクリプトを保存しました。(こちらに記載の通り、Linuxの場合はroot アカウントでスクリプト(Connected Machine エージェントのインストールや構成)を実行する必要があります。)
az_arc-sv-lin-6.png

スクリプトを実行します。
az_arc-sv-lin-7.png

しばらく待機すると認証のためURLとコードが表示されます。
az_arc-sv-lin-8.png

表示されたURLWebブラウザでアクセスします。(Webブラウザを開くのはAzure Arcに接続するサーバーとは異なるホストでも構いません。)
az_arc-sv-lin-9.pngコードを入力して「次へ」をクリックします。
az_arc-sv-lin-10.png

サインインします。(Azureアカウントに必要なロールについてはこちらをご参照ください。)
az_arc-sv-lin-11.pngaz_arc-sv-lin-12.png

認証が完了したらWebブラウザを閉じて構いません。
az_arc-sv-lin-13.png

スクリプトの実行が続行されますので、完了するまで待機します。
az_arc-sv-lin-14.png

Azure Portalには接続したサーバーが以下のように表示されています。 ホスト名がそのままリソースの名前になっており、「接続済み」の状態になっています。
az_arc-sv-lin-15.png 

複数のサーバーを非対話型で接続したいときは...

サーバーがLinuxの場合も、Azure Portalの「複数サーバーの追加」からスクリプトを作成することによって各サーバー上で都度Azureにサインインする手間を省くことが可能です。 先ほどと同様の環境(Ubuntu 20.04LTS)を「複数サーバーの追加」で作成したスクリプトによってAzure Arcに接続してみます。
az_arc-sv-lin-multi-1.png

リソースグループや地域(リージョン)などを入力して「次へ」をクリックします。(ここではサービスプリンシパルを指定しなくても「次へ」をクリックすることが可能です。ただしスクリプトにサービスプリンシパルの情報を追加する必要があります。サービスプリンシパルがなければ「新規作成」から新たに作成することが可能です。)
az_arc-sv-lin-multi-2.pngaz_arc-sv-lin-multi-2-2.pngタグ設定画面は「単一サーバーの追加」と同じです。 「次へ」をクリックします。
az_arc-sv-lin-multi-3.pngLinuxの場合、デプロイ方法として選べるのは「基本スクリプト」または「Ansible」です。 今回はAzure Arcに接続するサーバー上でスクリプトを実行しますので「基本スクリプト」を選択します。
az_arc-sv-lin-multi-4.png

表示されているスクリプトをAzure Arcに接続するサーバーに保存します。
az_arc-sv-lin-multi-5.png

なお、スクリプトに記載されているコメント文の通り、サービスプリンシパルの情報を追加する必要があります。
az_arc-sv-lin-multi-6.png

編集したスクリプトをサーバー側で実行した様子が以下です。 特にAzureへのサインインを求められずにAzure Arcへの接続が完了しています。
az_arc-sv-lin-multi-7.png

サービスプリンシパルを利用してAzure Arcに接続する方法についてはMicrosoft Learnにも記載がございますので併せてご参照ください。

  

まとめ

今回はLinuxAzure Arcに「接続するまで」の手順をご紹介しました。 以前のブログ記事Azure ArcWindowsを接続する方法についてご紹介しましたが、スクリプトを利用する場合はWindowsでもLinuxでも作業の大まかな流れは同様です。(ただしスクリプト自体はWindowsLinuxとではそれぞれ異なっています。)
接続後の管理についてはまた改めてご紹介できればと思います。

 

 


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著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第1技術部 4課
中原 佳澄