Cato SDP Clientの自動接続について
この仕組みによって生まれる利点としては、ユーザーがアクセスしようとしているサイト(パブリック/プライベート)に関わらず、Cato SASE Cloud上でファイアウォール、IPS、アンチマルウェアやDLPといったスキャンを行うことができるといったメリットに繋がります。
Cato SDP Client Always-On
ユーザーは常に最寄りのCato PoPへ接続させることで、どんなサイトへアクセスする際も、Cato PoP上のファイアウォールベースに様々ななセキュリティ機能を適用された状態で各種データへ安全な状態でアクセスが可能となります。
通常では、Cato PoPへの接続はユーザーの意思によって、ON/OFFができてしまうので、場合によってはユーザーが故意にCato SDP ClientをOFFにしてしまうかもしれません。
Always-Onの設定は簡単
疑問 Always-Onを使って社内ネットワークに接続したらどうなるの?
パターン1: Office Modeを使う
オフィスモード(Office Mode)とは、Cato上でデフォルトで有効化されている機能であり、Cato SDP Client自体が自身の居場所を自動的に判断し、Cato PoPへの接続方法を自動調整する機能です。
一般的な前提としては、社内ネットワークはCatoのソケット等によってCato PoPへ接続されていて、社外からSDP Clientを利用してアクセスするケースを想定します。
つまり、社内ネットワークについては、SDP Clientを利用しなくても、ソケットによってCato PoPへ接続できることになるため、社内ではSDP Clientを使ったPoP接続が不要です。
この場合Cato SDP Clientでは自身のネットワークを自動で検出して、"Office Mode"という機能を使って、社内にいることを検知し、SDP機能をサスペンドします。
もしその状態でテザリングや社外ネットワークへ接続した場合は、"Office Mode"を自動で解除し自動でSDP接続に切り替えるため、とても便利な機能が搭載されています。
パターン2: Trusted Networkを使う
トラステッドネットワーク(Trusted Network)は比較的新しい機能です。
ユーザーのネットワークである条件を予めCato上で定義します。
定義可能な条件は以下の通り
- HTTPSのレスポンス
- DNSの名前の解決
- Ping (ICMP)の応答 ホスト名を使う
- Ping (ICMP)の応答 IPアドレスを使う
を複数組み合わせて、信頼されたネットワークの状態になっているかを検証することができます。
信頼されたネットワーク内であれば、特定のネットワーク内のサーバーの応答があるかどうかで、ユーザーが接続されているネットワークかどうかの判定ができます。
もしユーザーの信頼されたネットワーク上に存在すると判定された場合は、"ユーザーの意思において" SDP Clientの一時解除を行う権利が生まれます。
わかりにくいですが、Always-Onの状態でもDisconnectedにすることができます。
オフィスモードは、Always-Onの状態(ON)の状態から自動的にOFFへ移動。社外ネットワークの場合は強制ONの状態へ移動する。
トラステッドネットワークは、社内ネットワークであると判定された場合にかぎり、ユーザーの判断によって、SDPをOFFにすることができる。
という2つの機能を持ち合わせています。
Cato SDP Clientはネットワークの状態が変わると都度SDPアクセス、オフィスモード、Trusted Networkなのかをチェックし、もちろん信頼しないネットワークに接続すると、強制的にSDP接続となります。
まとめ
一見すると、ユーザーにとっては、強制的に通信の可視化、制御が行われてしまうので、ユーザーにとってメリットがわからない機能と思ってしまいますが、SASEにおいては従来のVPNとは大きく変わります。
そして、PoPはインターネットを介してどこからでもアクセスできるため、PoPにさえ接続できれば、安全かつ快適にネットワークを使うことをシステム側が担保してくれるわけです。
例えば、出張先で、会社から支給されたSIM(3G/4G/5G)を使うより、ホテルのWi-Fiのほうが快適なネットワークの場合もあります。
今まではフリーWi-Fiや公衆無線LANを使うリスクを恐れるばかりで、企業/組織側で利用できるネットワークを制限するケースが多くあります。ユーザーに自身のいる環境を認識させて、ユーザー判断でVPNを使うかどうかを委ねています。
そこに、CatoのようなSASEは、たとえどんなインターネット回線を使ったとしても、端末からPoPまでの接続を暗号化し、すべての通信をPoPへ転送する仕組みを持っていれば、ユーザーが便利に利用できるネットワークの選択の幅が広がります。
SASEのリモートワーカーへの双方向通信は実現できる
著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第3技術部
宮本 世華
釣りが好きです。