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第7回 HPE ProLiant Gen11 にGPU を搭載してみた〜新人SEの入門ブログ〜

HPE
2024.04.24

みなさん、こんにちは。SB C&Sの金井です。

今回は、新しく登場したHPE ProLiant DL385 Gen11 にシングルワイド・ダブルワイドのGPU を搭載したので、簡単に手順をご紹介します。(※)
※今回はHPE ProLiant DL385 Gen11 CTOモデル GPU 筐体となります。

GPU 搭載環境の紹介

今回GPU を搭載するモデルは、HPE ProLiant DL385 Gen11 CTOモデル GPU 筐体なので、シングルワイドは「8枚」、ダブルワイドは「4枚」搭載することができます。ダブルワイドのGPU を搭載する場合は、GPU 筐体を選択する必要があります。

今回は、GPU をサーバーの前面に搭載する形となりますので、全体の写真はこのようになっています。

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なお、GPU を搭載する場合は、冷却ファンや、追加の給電ケーブルなど通常とは異なるパーツの調達が必要となりますので、ご注意ください。今回はダブルワイドのGPU を搭載するので、追加の給電ケーブルが必要です。

GPU 搭載手順

1.1 用意するもの

事前に、以下のものを用意する必要があります。

・T-10 トルクスドライバー
・T-15 トルクスドライバー
・GPU 給電ケーブル(※)
HPEドキュメント
※ダブルワイドのGPU を搭載する場合

実際に、みなさんがGPU を搭載する際はこちらのドキュメントを参考にして、進めてください。

1.2 搭載前の準備

まず、サーバーの電源を切り、電源ケーブルや、LAN ケーブルなどの周辺ケーブルをサーバーから引き抜き、アクセスパネルを取り外します。
その後、中央カバー、ファン、エアバッフルの3点を取り外します。

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取り外すと、基盤の全体像を確認することができ、ケーブル作業が行いやすい形となります。

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ここから注意が必要な作業に入るのですが、その前に登場するパーツの名前を確認しましょう。

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それでは、GPU カードを搭載する準備を行っていきます。初めに、GPU ライザーケージを取り外します。
現在、GPU ライザーケージには青枠の「GPU ライザーケーブル」と赤枠の「GPU PWR と記載のGPU 電源ケーブル」が接続され、それぞれのケーブルのもう一端はマザーボードに挿し込まれています。
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GPU ライザーケーブルから引き抜きますが、「PRIM」と「SEC」と書かれたケーブルが1本ずつあります。
これらのケーブルは、最後に元の位置に戻す際、誤って逆に挿し込まないように注意してください。
マザーボードにも、「PRIM」と「SEC」と印字されているので、確認しながら作業ができます。

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続いて、GPU 電源ケーブルをマザーボードから引き抜きます。
近くに、GPU 電源ケーブルに似た、「BOX2」のケーブルがありますが、こちらは引き抜かないでください。
「GPU PWR」と記載のあるケーブルだけを引き抜いてください。

なお、このケーブルはライザー経由でGPU へ電源を供給するためのものです。
この電源だけで足りない場合は、別途GPU カードに直接給電ケーブルを挿し込むことが必要です。(後述)

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その後、GPU ライザーケージの上と下にある「青色の固定ピン」を縦に上げるまで軽く回してロックを外します。

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そして、ようやくGPU ライザーケージをシャーシから取り外すことができます。

1.3 GPU カード挿し込み&戻し手順

いよいよ、GPU カードを挿し込みます。
まず、GPU ライザーケージのカバーを取り外すために、星形のネジを回します。

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その後、GPU ライザースロットのブラケットを取り外します。
シングルワイドの場合は「1つ」、ダブルワイドの場合は「2つ」ブラケットを外します。

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そして、GPU カードをしっかりとライザーケージ内のPCIeスロットに挿し込みます。

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その後、付属品であるGPU 給電ケーブルの片側をGPU カードに挿し込みます。
シングルワイドの場合はライザー経由での給電のみで動作可能ですが、ダブルワイドの場合、このケーブルでの追加給電が必要です。


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もう片方は、GPU ライザーケージを戻す際に、システムボードに挿し込みます。
この時に、他のケーブルを整理しながら行わないと、最後にアクセスパネルが閉まらない原因になります。

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その後は、前半の準備の部分で引き抜いた、GPU ライザーケーブルとGPU 電源ケーブルを所定の位置に戻します。
GPU ライザーケーブルには「PRIM」と「SEC」があるので確認してください。
そして、エアバッフルや、ファン、中央カバーを所定の位置に戻してアクセスパネルを取り付けます。

1.4 GPU 搭載確認

最後に、GPU カードが正常に挿しこまれているかシステム上で確認します。
iLO の管理画面からシステム情報の欄を見ます。
「PCIe-Slot」の欄にGPU カードが認識されていることを確認できたら、完了となります。

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まとめ

いかがだったでしょうか、今回はHPE ProLiant Gen11にGPU を搭載しました。Gen11からGPU 筐体が登場し、サーバーの前面にGPU を搭載する形だったので、驚いた方も多くいると思います。個人的には、GPU を搭載したことで具体的に何ができるようになったのか、検証するのが楽しみです。次回の更新も楽しみにお待ちください。

HPEサーバー製品ページ

著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第1技術部 2課
金井 大河 - Taiga Kanai -