
みなさん、こんにちは。
SB C&Sの金井です。
今回は新しくHPEからリリースされた仮想化製品「HPE VM Essentials Software」 の概要ならびに、1月28日に行われたHPE Discover More AI Tokyo の様子をご紹介します。
1. HPE Discover More AI Tokyo の様子
HPE Discover More とはHPEの主催する年次イベントです。世界各地で開催されており、日本でも毎年開催されます。
イベントに参加することで、HPE が提供するサーバー・ストレージ・ネットワークなど様々な製品の最新情報をキャッチアップできます。
会場にはHPE の講演だけでなく、HPE Discover More AIのスポンサーによる展示ブースもあります。SB C&S も毎年ブースを出展しており、今年はAlletra MP 実機の展示とあわせて、HPE VM Essentials Software のライブデモンストレーションを行いました。ブースでの実機展示は弊社のみということもあり、情報を求めるお客様が多く訪問されました。
ライブデモンストレーションでは、HPE VM Essentials Software の管理画面である「HPE VME Manager」を投影しながら、仮想化環境構築に必要なインフラストラクチャの概念の説明や仮想マシン作成の流れをご紹介しました。
こちらがHPE VME Manager の管理画面です。
2. HPE VM Essentials Software の概要
2.1 HPE VM Essentials Software とは
HPE VM Essentials Softwareは、HPE が新たに開発した仮想化製品です。Ubuntu のKVM と、Morpheus という製品が組み合わさったものです。
それぞれ簡単にご紹介すると、KVM はLinux に標準搭載されているハイパーバイザーであり、OS のカーネル部分に含まれるハイパーバイザーの機能を使用しています。
Morpheus は、2024 年にHPE が買収したMorpheus Data 社が提供している、仮想化環境およびマルチクラウドを統合管理できるソフトウェアです。
2.2 HPE VM Essentials Software の構成要素
HPE VM Essentials Software による仮想化基盤 の構成要素として、大きく2つポイントがあります。
1つ目は、Ubuntu KVM を使用しているため、Ubuntu 22.04 のインストールが事前に必要な点です。インストール後もいくつかUbuntu 側での事前設定が必要になるため、Linux の知識とコマンド操作に慣れていることが求められます。
2つ目は、統合管理ツールとしてHPE VME Manager を使用する点です。これは先ほどご紹介したMorpheus がベースとなっているツールで、VMware の仮想化基盤におけるvCenter Server と同様の仮想化環境管理の役割を担っています。
2.3 HPE VM Essentials Software の提供する機能
HPE VM Essentials Software のハイパーバイザーはKVM ベースなので、基本的に従来からKVMに実装されていた機能や操作は実行できます。
つまり、仮想マシンを別のホストに移動するライブマイグレーションや、障害時に別のホストで仮想マシンが再起動するHA などの、可用性を向上させる機能も使用できます。
簡単にvSphere との比較表を作成しました。vSphere Standard とHPE VME の行を見ていただいてもわかる通り、従来のvSphere Standard と同程度の仮想化基盤に必要とされる最低限の機能は使用できます。
※表はブログ執筆時の情報となり、将来的に変更となる場合があります。
※図中では、スペースの都合上HPE VM Essentialsを「HPE VME」と省略しています。
2.4 HPE VM Essentials Software 対応ハードウェア
続いて、HPE VM Essentials Software のインストールに 対応したハードウェアのご紹介です。
現状はHPE のサーバー・ストレージ製品のみ認定がされており、他社サーバー・ストレージは今後認定予定です。
- サーバー:HPE ProLiant シリーズ(Gen11 以降のモデルが中心)
- ストレージ:Alletra 5000/6000,MP B10000
詳しくは HPE VM Essentials Software Compatibility Matrixをご覧ください。
3. まとめ
今回はHPE VM Essentials Software をご紹介させていただきました。
HPE が新しく仮想化製品がリリースした時は驚きましたが、vSphere の代替として活躍することができるのかという観点でも検証するのが楽しみです。
次回は構築手順をご紹介する予定ですので、更新をお待ちください。
HPEサーバー製品ページ
著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 2課
金井 大河 - Taiga Kanai -