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①UiPath Communications Mining ~製品解説編~

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2024.08.19

 

こんにちは、山崎です。

今回から、UiPathの製品「UiPath Communications Mining」の基本的な使い方をハンズオン方式でご紹介するシリーズ記事をお届けします。

この記事はその第1回目です。今回は、「UiPath Communications Mining」とは何か、その基本的な概念と特徴についてお話しします。

※実際に手を動かすような内容はもう少し後から。今回は概念的なお話中心です。


目次

1. UiPath Communications Miningとは
2. 技術的な構造と効率性
3. 業務効率化の具体例
4. 最後に


1. UiPath Communications Miningとは

概要

❞メールの送信から顧客のリクエストへの回答まで、すべてのビジネス上の会話が重要です。しかし、これらのコミュニケーションの処理は、常に手作業で、コストがかかり、非効率的でした。UiPath Communications Miningは、あらゆるコミュニケーションチャネルで、すべてのメッセージをリアルタイムで実用的なデータに変換します。❞

(参考)UiPath Communications Mining公式紹介ページ

公式ページでは、UiPath Communications Miningについて、上記のように説明されています。

手作業ではコストがかかり、非効率的だったコミュニケーションの処理を、UiPath Communications Miningでメッセージを実用的なデータに変換することで、効率化することができると説明されています。

コミュニケーションデータとは

では、この場合のコミュニケーション処理とは、何を指しているのでしょうか。

コミュニケーションとは、人と人の間で意思や合意や情報を伝え合うことです。UiPath Communications Miningが対象とするコミュニケーションは、デジタルなやりとりを指します。

現代のビジネスでは、メール、チャット、通話、チケットなどのチャネルを通じてコミュニケーションが行われることが一般的です。

これらのデータは基本的に非構造化データです。今までコミュニケーションの処理が非効率だった、つまり、人間が手作業で対応する必要があったのは、非構造化データをプログラムで処理するのが難しいという理由がありました。

人間同士ならば、相手の意図や依頼内容を理解できますが、例えば、RPAにお客様からのメールの文面をそのまま渡しても、RPAがそのままお客様の要望に応えることはできません。

RPAも含めた全体自動化、日々のレポートの作成を実現

RPAだったり、何かしらのプログラムが、そのままお客様の要望に応えるようなシナリオを実現可能にするためには、メールの文面をExcelやCSVのような表形式の構造化データに変換することが重要です。

例えば、お客様から見積り依頼のメールが来た時に、その文面を構造化してRPAに自動でつなぐことができたらどうでしょうか?

また、日々お客様から送られてくる様々なメールを構造化し、傾向や改善点を示すレポートを自動生成できたらどうでしょうか?

本来非構造なコミュニケーションデータを構造化することで、このようなことを可能にするのが、UiPath Communications Miningです。

 

2.技術的な構造と効率性

さて、前述の通り、UiPath Communications Miningは非構造化データ(=コミュニケーションデータ)を構造化データに変換することができるソリューションです。

その技術的な構造を図で示すと、以下のようになります。

構造.png

 

一般的に、お客様の要件に最適化されたAIモデルをデプロイするには、数週間から数か月が必要であり、プログラミングも必須となります。

しかし、UiPath Communications Miningを使用することで、通常の開発工数を80%削減でき、開発自体もノーコードで行えます。

UiPath Communications Miningは、コミュニケーションデータに特化したソリューションです。すべてのAIモデルをノーコードで高速に作成できるわけではありませんが、コミュニケーションデータを解釈して構造化したり、レポート化するためのAIモデル開発は非常に効率的に行うことができます。

開発が効率的であるだけでなく、環境の準備も不要で、運用・管理機能もUiPathプラットフォームの優れた機能を活用できる点も大きなポイントです。

 

3. 業務効率化の具体例

具体的に業務がどのように効率化されるのかを示したのが、この図です。

※こちらはあくまで一例であり、このようにしか使えないというわけではありませんが、UiPath Communications Miningの事例では、毎日大量に来るメールデータの振り分けや、メールからの必要情報の抽出が多く取り上げられています。そこで、このような図を用意しました。

CM業務改善フロー.png

 

(上の図)

今までは、人がメールを読んで解釈して構造化しないことには、その後の業務を自動化するということはできませんでした。

(下の図)

UiPath Communications Miningを利用することで、人間がメールを読んで理解して構造化したり振り分けたりしていた部分も含め、全体の自動化をすることが可能になります。

毎日、多くのメールを読んで解釈し、ビジネス処理を行っている業務には、ぜひ積極的に活用していただきたい製品です。

 

4. 最後に

以上が、UiPath Communications Miningの基本的な概要についてのご紹介でした。

次回の記事では、実際にUiPath Communications Miningを使っていくにあたっての環境準備についてご紹介していきますので、お楽しみに。

それでは、また、次回の記事でお会いしましょう。

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著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 クラウド・ソフトウェア推進本部
先端技術統括部
DXコンサルティング部
山崎 佐代子