皆様、こんにちは。
今回、Veeam Backup & Replicationによるハイパーバイザーの仮想マシン保護の機能比較についてお話しさせて頂きます。
Veeam Backup & ReplicationはVMware vSphereの仮想マシン保護で強みをもつソリューションですが、非常に機能が豊富な反面、その他のハイパーバイザーとの機能差があります。
簡単に例をあげると、仮想マシンのレプリケーションに対応したハイパーバイザー、対応していないハイパーバイザーがあります。
このような機能差を整理するため、ご相談の多い主要ハイパーバイザー、VMware vSphere、Microsoft Hyper-V、Nutanix AHVでの機能比較を行いました。
※2024年10月17日時点の製品仕様で確認
機能比較は「バックアップ」「リストア」「レプリケーション」「ランサムウェア対策」の4つの観点になります。
それでは「バックアップ」から見ていきましょう。
バックアップ
バックアップリポジトリとしてDAS、NAS、重複排除ストレージ、オブジェクトストレージが利用可能であり、ハイパーバイザー間に機能差はありません。
また、二次保管としてのテープへのバックアップや、バックアップリポジトリの容量を柔軟に拡張可能とするSOBR(Scale-Out Backup Repository)も各ハイパーバイザーでご利用頂けます。
SureBackup(バックアップの復元力テスト)での検証モードは仮想マシンを起動してのフルリカバリテストと、仮想マシンの起動を行わずバックアップデータのチェックを行う方式(Backup verification and content scan only)から選択します。vSphereとHyper-Vはこの両方に対応しておりますが、AHVではBackup verification and content scan only のみ実行可能となります。
また、外部ストレージのスナップショット連携はvSphereのみの機能となります。
リストア
単純な仮想マシン全体のリストア、仮想ディスクのリストアにおいて機能差はありません。
また、仮想マシン単位のインスタントリカバリも問題なく実行できます。
補足となりますが、インスタントリカバリはバックアップデータを直接参照して仮想マシンを起動を起動しますので、起動先のハイパーバイザーとしてvSphere、Hyper-V、AHVのどれでも選択可能です。例えば、vSphereでバックアップしたデータをもとにHyper-VもしくはAHVで仮想マシンを起動できます。この機能を利用して上記ハイパーバイザー間の移行が複雑な手間なく実行できます。
PostgreSQLのアイテムリストアはvSphereとHyper-Vでサポートされます。
レプリケーション
レプリケーションは同じハイパーバイザー間でご利用頂けます。
レプリケーションはvSphere(ESXi)とHyper-Vをサポートします。
SureReplicaとCDPはvSphereのみサポートとなります。
ランサムウェア対策
バックアップデータのランサムウェア対策として、データのイミュータブル化(書き換え不可とする)が有効です。イミュータブル化においてはサードパーティのストレージアプライアンスを導入すれば、重複排除や圧縮に優れた運用ができますが、導入コストは容量や機能に比例します。
低予算でランサムウェア対策を構築したい場合、Veeam Backup & Replicationの強化Linuxリポジトリをご利用頂くことで導入コストを抑えることができます。
注)追加ライセンスは発生しませんが、物理サーバーやLinux OSが必要になります。
また、オフサイトにあるオブジェクトストレージもイミュータブル化して頂くことでセキュリティ対策も向上できます。
バックアップやリストアと同様、イミュータブル化についてもハイパーバイザー間で機能差はありません。
マルウェアの検出機能 [Guest Indexing Data Scan] や [Inline Scan] はWindowsはもちろんのこと、LinuxのゲストOSにも対応しています。
※ウィルス対策ソフトによるスキャンはWindowsのゲストOSが対象となります。
AHVの機能拡充は、今後のアップデートに期待が寄せられています。
まとめ
Veeam Backup & ReplicationはVMware vSphereを優先して機能実装されていますが、Hyper-Vでも同等の要件が満たせることがご理解いただけたかと思います。
また、AHVでもシンプルなバックアップ/リストアをご利用頂けます。
直近のアップデートでAHVでの機能追加も増えておりますので、vSphere、Hyper-Vに追いつく期待感も高まっています。
本資料では、大まかな機能レベルの比較に焦点を当てており、詳細仕様に関しては差異がある場合があります。詳しくはユーザーガイドをご参照下さい。
VMware vSphere
https://helpcenter.veeam.com/docs/backup/vsphere/overview.html?ver=120
Microsoft Hyper-V
https://helpcenter.veeam.com/docs/backup/hyperv/overview.html?ver=120
Nutanix AHV
https://helpcenter.veeam.com/docs/vbahv/userguide/overview.html?ver=6
機能比較は以上となります。
Veeam Backup & Replicationのご提案・導入検討のご参考となりましたら幸いです。
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著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 3課
データマネジメント事務局
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