
こんにちは。SB C&Sで技術支援を担当しております、平田です。
本記事では、Nutanix AOS 7.6以降におけるライセンス適用期限についてご紹介します。
はじめに
AOS 7.6以降では、ライセンスが適用されていないクラスターに対する機能制限が強化されています。
特に注意したいのが、ライセンス未適用の状態で一定期間が経過すると、Nutanixサポートが利用できなくなったり、Prism Elementへサインインできなくなったりする点です。
Nutanixを新規導入する際には、Foundationによるクラスター構成後、できるだけ早い段階でPrism Centralへの登録およびライセンス適用を行うことをおすすめします。
今回は、ライセンス未適用状態が続いた場合にどのような制限が発生するのか、注意点とあわせてご紹介します。
※本記事は、Nutanix License Usage Restrictionsを参考に作成しています。
URL:https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=License-Manager:lmg-licmgr-license-usage-restrictions-r.dita.html
AOS 7.6以降ではライセンス未適用時の機能制限が強化
AOS 7.6以降では、ライセンス未適用のクラスターに対する機能制限が強化されました。
ライセンスが適用されていない状態で一定期間が経過すると、経過日数に応じて段階的に機能が制限されます。
特に重要となるのが、60日経過後と90日経過後です。
60日経過後の機能制限
ライセンス未適用の状態で60日を経過すると、以下の制限が適用されます。
- クラスターに関する問題については、Nutanixサポートを受けることができません。
- Nutanix Insightsを使用することができません。
- クラスターを拡張することができません。
- 新しいストレージコンテナを作成できません。
- 既存のストレージコンテナの設定を更新できません。
- 各ストレージコンテナには、クラスターの空き容量が均等にadvertised capacityとして割り当てられます。
- ストレージコンテナ間で空き容量を共有できなくなります。他のストレージコンテナに空き容量が残っていても利用できません。
ストレージコンテナに関する制限について、具体例を挙げて補足します。
ここでは、ストレージプールの空き容量が30TB、ストレージコンテナが3つある場合を想定します。
この場合、ストレージプールの空き容量(30TB)をストレージコンテナ数(3つ)で均等に割るため、各ストレージコンテナには10TBがadvertised capacityとして設定されます。
実際の使用量がadvertised capacityに達した場合、そのストレージコンテナはRead Only(読み取り専用)になります。
また、advertised capacityの変更ができないため、他のストレージコンテナに空き容量が残っていても利用できません。
以上のとおり、「60日を過ぎても管理画面へアクセスできるから問題ない」というわけではありません。
一方で、Nutanixサポートを利用できなくなることに加え、advertised capacity に達したストレージコンテナが読み取り専用となり、クラスター全体に未使用領域が残っている場合でも、関連する仮想マシンで障害が発生する可能性があります。
このように、ライセンス未適用の状態が継続すると、サポートおよびシステム運用の両面で大きな影響が生じる可能性があります。
90日経過後はさらに機能制限が強化
ライセンス未適用の状態で90日を経過すると、さらに機能制限が強化されます。
主に以下の制限が適用されます。
- Prism Elementへサインインできなくなる
- Prism CentralのWebコンソールからクラスターページへアクセスできなくなる
- AOSソフトウェアをバージョンアップできなくなる
- セキュリティパッチを適用できなくなる
特に注意したいのが、Prism Elementへサインインできなくなることです。
Prism Centralについても、Webコンソールからクラスターページへアクセスするとライセンス更新ページへリダイレクトされるようになります。
さらに、AOSのアップグレードやセキュリティパッチの適用もできなくなるため、ライセンス未適用の状態を長期間継続することは避ける必要があります。
Prism Elementでは経過日数を確認可能
ライセンスが適用されていないPrism Elementへサインインすると、ライセンスに関する警告が表示されます。
また、クラスター構成後の経過日数についても画面上から確認できます。
さらに、「About Nutanix」を確認すると、ライセンス未適用の環境では、
【NO_LICENSE】
と表示されます。
いつからカウントされるのか?
ここで重要なのが、
「60日・90日はいつからカウントされるのか?」
という点です。
今回確認した内容では、Foundationによってクラスターを構成したタイミング(Prism Elementにサインインできる状態)を起点として、ライセンス未適用期間がカウントされます。
例えば、以下のような流れになります。
Foundation実施(クラスター構成)
↓
ライセンス未適用期間のカウント開始
↓
60日経過
機能制限開始/Nutanixサポート利用不可
↓
90日経過
機能制限がさらに強化/Prism Elementへサインイン不可
まとめ
Nutanixを新規導入する場合は、Foundation完了後、Prism Centralへの登録およびライセンス適用をできるだけ早く実施することをおすすめします。
特に、60日経過後と90日経過後に発生する以下の制限には注意が必要です。
- 60日経過後
Nutanixサポートが利用できなくなる - 90日経過後
Prism Elementへサインインできなくなる
ライセンス未適用の状態で90日を経過すると、Prism Elementへサインインできなくなります。
この時点でPrism Centralが構築されていない場合、Prism ElementへサインインせずにPrism Centralを構築する公式な手順が公開されていないため、Prism Centralの構築・クラスター登録およびライセンス適用を進めることができません。
その結果、ライセンスを適用するための手段が限られ、その後の復旧が非常に困難となる可能性があります。
環境や運用状況によっては、再Foundationが必要となるケースも想定されるため、ライセンス適用を期限直前まで待つのではなく、十分な余裕をもって実施してください。
さいごに
今回は、Nutanix AOS 7.6以降におけるライセンス未適用時の機能制限についてご紹介しました。
Nutanixのライセンス適用は、Prism CentralとNutanix Supportの画面を行き来しながら操作する必要があるため、多少の手間はかかりますが、作業自体に長い時間を要するものではありません。
そのため、今後Nutanixを新規導入する際には、Foundation完了後のPrism Centralへの登録およびライセンス適用を、あらかじめ導入計画に組み込んでおくことをおすすめします。
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著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第1技術統括部
第1技術部 1課
平田 裕介 - Yusuke Hirata -
VMware vExpert
NW機器メーカ、SIerでインフラエンジニアの経歴を経て、SB C&Sに入社。
SIer時代にサーバ仮想化と出会い、人生が大きく変わる。
