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Cohesity DataProtect for CloudをAWSへHeliosからデプロイしてみた

データマネジメント
2026.10.21

はじめに

こんにちは。SB C&Sの大塚です。

Cohesityは、オンプレミス、仮想基盤、クラウドなど、幅広い環境のデータ保護に対応するプラットフォームです。オンプレミスのアプライアンスであれば導入後の姿を想像しやすい一方、AWS上に構築するDataProtect for Cloudは、どのAWSリソースが必要なのか、どのようにHeliosから操作したらいいのかなど分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、Cohesity DataProtect for Cloud(以下、DataProtect for Cloud)を実際に検証でデプロイしてみましたので、流れをまとめます。是非最後まで読んでいただけると幸いです。

Cohesity DataProtect for Cloudのデプロイ記事は2本立てとなっております。CLIを使ったデプロイ記事では、Control VMを起動し、設定JSONを編集してCLIコマンドを実行する流れを紹介しています。

Cohesity DataProtect for Cloudを  AWSへCLIでデプロイしてみた
今回はHelios方式での展開方法をご説明します。
※CLI方式はこちらをご参照ください。

今回は、CLI方式のデプロイ検証で準備したVPC、プライベートサブネット、セキュリティグループ、IAMユーザーなどを再利用し、CohesityのSaaS管理基盤であるHeliosからデプロイします。
Helios方式では、CLI方式のように利用者がControl VMを手動で起動し、SSH接続して設定JSONやSetup Utilityを操作する必要はありません。AWS側の前提がそろっていれば、Heliosの画面に沿って配置先とクラスター構成を指定するだけでデプロイを開始できます。
ただし、AWSアカウントだけを用意すれば、HeliosがVPCや通信経路まで一から作成してくれるわけではありません。VPC、サブネット、ルーティング、IAM、AWS Systems Managerへの到達性、DNS、NTP、EC2サービスクォータなどは事前に整えておく必要があります。本記事ではAWS側の細かな作成手順を繰り返さず、Heliosでの操作とCLI方式との違いに絞ります。

AWSアカウントだけではデプロイできません
Heliosは、AWSアカウントを指定するだけでVPCや通信経路を一から設計・作成するサービスではありません。IAMユーザー/ポリシーとアクセスキー、VPC、サブネット、ルーティング、SSMへの到達性、DNS/NTP、EC2サービスクォータなどを事前に準備します。Security Groupは既存リソースを選択するほか、Heliosから新規作成することもできます。AWS側の詳細は前回のCLIデプロイ記事をご覧ください。

この記事でわかること

  • Helios経由でのデプロイに必要なAWS側の事前準備
  • Heliosの管理画面を使用したデプロイ手順と進捗確認方法
  • CLI方式との違いや、Helios方式を利用するメリット・注意点

本記事の前提と対象範囲

本記事は、AWSとCohesityの基本操作を理解しているものの、DataProtect for Cloudの構築は初めてという方を主な対象としています。以下の知識と操作方法を理解していることを前提に進めます。

Cohesity DataProtectの基本概念と、ソース登録・Protection Group・バックアップ / リストアの基本操作
AWSの基本概念と、VPC、EC2、IAM、S3、CloudFormationなどの基本操作
ルーティング、DNS、NTP、ファイアウォールなど、ネットワークとセキュリティの基礎知識

VPCやサブネット、IAM、S3そのものの機能や作成方法、については詳しい解説を割愛します。一方、DataProtect for Cloudのデプロイに必要となるAWSリソースの条件は具体的に解説します。AWS側の構成や設定値は、本記事を参考に利用環境へ合わせてカスタマイズしてください。

検証環境

項目

内容

対象読者

CLIデプロイ記事を参照済み、または同等のAWSリソースを準備できている方

Cohesity

DataProtect 7.4/DataProtect for Cloud(非Legacy)

AWS

東京リージョン/AZ/VPC・プライベートサブネット・ルーティングを準備済み

クラスター

Entry(Intel)/m6i.2xlarge/3ノード

認証

Heliosデプロイ用IAMユーザーの
Access Key ID/Secret Access Key

確認範囲

Heliosでのデプロイ開始と進捗確認。
初回ログイン後の設定は概要のみ

CLI記事で準備したリソースの再利用範囲

区分

対象

本記事での扱い

事前準備・再利用

VPC、AZ、プライベートサブネット

Heliosのプルダウンから選択します。
ルーティングとSSM/AWS APIへの到達性はAWS側で準備済みです。

事前準備・再利用

Heliosデプロイ用IAMユーザー/ポリシー

Access Key IDとSecret Access Keyを入力し、AWS環境へのアクセスを検証します。

既存を再利用
(新規作成も可)

Security Group

本検証では既存リソースを再利用します。
Heliosの画面から新規作成することもできます。

設計値・保管先を再利用

DNS、NTP、ドメイン、保護データ用S3

DNS/NTP/ドメインは画面へ入力し、S3は
デプロイ後にStorage Domain/External Targetとして関連付けます。

利用者側の準備・操作は不要

Control VM、設定JSON、SSH、CLIコマンド

Helios手順にはControl VMを指定・操作する工程がありません。
今回の検証では、内部的にControl VMが一切利用されていないことは確認していません

既存を再利用
(新規申請も可)

Cohesity AMI

本検証ではCLIデプロイ手順で申請したCohesity AMIを再利用しておりますが、Heliosデプロイでも必要です。Cohesity AMIがない場合はCLIデプロイの記事を参考に利用申請を提出してください。

検証環境に関する注意
本記事の構成は機能確認を目的とした一例です。本番環境では、組織のセキュリティポリシー、可用性要件、通信要件、コスト設計に合わせて構成を調整してください。
この記事のゴール
前回のCLIデプロイ記事で準備したAWS基盤を再利用し、HeliosのウィザードからDataProtect for Cloud 7.4の3ノードクラスターをデプロイして、ジョブの進捗を確認するところまでを紹介します。AWS側のリソースの準備は前回記事へ委ね、本記事ではHeliosの操作に焦点を当てます。

目次

1. Helios経由デプロイの全体像

Heliosデプロイ全体図.png

Helios方式では、Web UIの3ステップでAWS認証情報、配置先、クラスター構成を指定し、HeliosからDeployment Jobを作成します。公式ガイドでは、前提条件がそろっていれば、デプロイの目安は約15~20分とされています。

利用者がControl VMを操作したり設定JSONを編集したりすることなく、Heliosからデプロイジョブを開始します。

比較項目

CLI方式

Helios方式

操作場所

Control VMへSSH接続

HeliosのWeb UI

入力方法

設定JSONへ記述

3ステップのウィザード

実行

Setup Utilityを実行

Deployをクリック

進捗確認

CLI出力+CloudFormation

Heliosジョブ+CloudFormation

AWS側の前提

必要

必要

Control VM

利用者が手動で起動・操作

利用者側での手動準備・操作なし

2. Heliosからデプロイを開始する

2.1 DataProtect for Cloudを開く

HeliosへログインしてDataProtectを開き、Settings > DataProtect for Cloudを選択します。画面右上のDeployからAWSを選択します。

1. DataProtect for Cloudを開く
スクリーンショット 2026-09-30 093906.png

2. DeployからAWSを選択
スクリーンショット 2026-10-20 150007.png

2.2 Deployment Checklistを確認する

Deployment Checklistでは、VPC、Subnet、Security Group、Cluster Domain Name、DNS Servers、NTP Serversが後続の手順で指定する必要があるので利用できるものを確認するように案内されます。
※今回の検証では、いずれも前回のCLIデプロイで準備・確認した値を使用しました。

デプロイ前に改めて必要な情報を確認してください。

Deployment Checklist
スクリーンショット 2026-09-30 104138.png
このデプロイウィザードにS3は表示されません
保護データのダウンティア先となるS3は、Heliosのデプロイ画面では選択しません。前回記事で準備したS3バケットを再利用する場合も、クラスター作成後にStorage DomainとExternal Targetを設定して関連付けます。

3. AWS認証情報を入力する

最初のステップはAWS Credentialsです。Heliosデプロイ用IAMユーザーの認証情報を入力し、Heliosから対象リージョンのAWSリソースを参照・作成できる権限があることを確認します。

項目

入力内容

注意点

DataProtect Cloud Cluster Name

Helios上の
デプロイワークフロー名

後段の実際のCluster Nameとは
別項目です。

Access Key ID

Heliosデプロイ用IAMユーザーのAccess Key ID

IAMユーザー名やメールアドレスではありません。

Secret Access Key

同じIAMユーザーの
Secret Access Key

安全に保管した値を使用します。

Region

クラスターを配置する
AWSリージョン

本検証ではAsia Pacific(Tokyo)を選択します。

 

Access Key ID、Secret Access Key、Regionを入力してVerifyをクリックします。

成功すると次のCloud Environment Detailsへ進み、認証情報の権限で参照できるVPCやサブネットなどがプルダウンへ表示されます。

AWS Credentials
スクリーンショット 2026-09-30 105138.png

認証情報はHeliosに保存されません
公式ガイドでは、Access Key IDとSecret Access Keyはデプロイ時だけ使用され、Heliosには保存されないと説明されています。スクリーンショットやアクセスキーの取り扱いは、組織のルールに従ってください。

4. 配置先のAWSリソースを選択する

Cloud Environment Detailsでは、クラスターノードを配置するVPC、AZ、Security Group、Subnetを選択します。本検証ではCLIデプロイ時に使用した既存リソースを選択しました。Security Groupのみ、既存リソースの選択に加えてHeliosから新規作成することもできます。

項目

選択内容/確認ポイント

VPC

DataProtect for Cloud用に準備したVPCを選択します。

Zone

サブネットと同じAvailability Zoneを選択します。

Security Group

既存グループを使う場合は、ノード間通信と管理通信の要件を
満たしていることを確認します。

Subnet

クラスターノードを配置するプライベートサブネットを
選択します。

Tags

任意。組織の命名・課金管理ルールに合わせて設定します。

VPC、Zone、Security Group、Subnetを既存リソースから選択します。必要に応じてTagを設定することで管理することもできます。

Cloud Environment Detailsで既存のAWSリソースを選択
スクリーンショット 2026-09-30 110635.png

プライベートサブネットからAWS Systems Managerへ到達できること
Helios方式では、EC2インスタンス作成後にSSM Agentを使用してクラスター作成処理を進めます。選択するサブネットからAWS Systems Managerへ到達できるよう、NAT Gateway経由の通信または必要なVPC Endpointを用意します。
Security Groupを選択するときの注意
Heliosから新規作成した場合、自動的に設定されるのはクラスター内のノード間通信に必要なルールです。既存のSecurity Groupを選ぶ場合はノード間通信を事前に許可し、どちらの方法でも、管理端末からのUIアクセスや保護対象との通信など、利用環境に応じた追加ルールを確認してください。

5. クラスター構成を入力する

最後のステップはCohesity DataProtect for Cloud Detailsです。CLI方式の設定JSONに記載していたクラスター名、構成、ノード数、DNS、NTP、ドメイン、暗号化、IMDSv2を画面上で指定します。

項目

本検証の設定

ポイント

Type

DataProtect for Cloud

Legacyではない側を選択します。

Cluster Name

cohesity-ce-aws-cluster

Cohesity UI/CLIへ表示される実際の
クラスター名です。

Cluster Version

7.4 ※本検証での設定値

デプロイするCohesityソフトウェアの
バージョンです。

Config Type

Entry (Intel) ※本検証での設定値

m6i.2xlarge構成です。

Number of Nodes

3 ※本検証での設定値

本番用途の最小ノード数です。

 

項目

入力方針/注意点

DNS Servers

NTPや必要なAWSエンドポイントを名前解決できるDNSを指定します。

NTP Servers

外部NTPは複数、内部NTPは1台のみとし、両者を混在させません。

Domain Names

画面例を流用せず、利用環境のドメイン設計に合わせます。

Cluster Encryption

有効化後は変更できないため、Deploy前に方針を決めます。

Enforce IMDSv2

セキュリティ強化のため有効化が推奨されています。

必要なクラスター構成を入力し、Deployを実行できる状態にします。

DNSやNTP、Domain Namesには、既存環境で設定していた値が自動入力されております。デプロイする環境に合わせた適切な修正を行ってください。

Cohesity DataProtect for Cloud Details
スクリーンショット 2026-09-30 111506.png

NTPの画面例に関する注意
スクリーンショットは検証時の操作記録で、検証目的のためにtime.nist.govとpool.ntp.orgが入力されています。2026年7月版公式ガイドでは、これらを利用できない場合やIPアドレスが変わる場合があるため避け、外部NTPを使う場合はGoogle Public NTPを複数指定するよう案内されています。実導入では利用バージョンのガイドと組織のNTP設計に従ってください。
CLI記事の設定JSONとの比較
Cluster Name、Config Type、Number of Nodes、DNS、NTP、Domain、Cluster Encryption、Enforce IMDSv2が、設定JSONの主要項目に相当します。Heliosではそれらをフォームから入力できるため、JSONの記述ミスを抑えやすくなります。

6. Deployを実行し、進捗を確認する

入力内容を確認してDeployをクリックします。Email Notificationsでは追加の通知先を登録でき、不要な場合はSkipを選択します。

追加のメール通知先を登録するか、Skipを選択します。

Email Notifications(任意)
スクリーンショット 2026-09-30 114828.png

デプロイジョブが作成されると、一覧へクラスター名が追加され、最初はScheduledとして表示されます。処理が進むと「3 of 5 steps completed」のように進捗が表示され、クラスター名を開くとCloud Deployment JobのStatusや経過時間を確認できます。HeliosはAWS上へEC2インスタンスなどを作成した後、ノード上のSSM Agentを使用してクラスター作成処理を進めます。

一覧画面とCloud Deployment Jobからデプロイ状況を確認します。

デプロイ進捗の確認
スクリーンショット 2026-09-30 120348.png

進行中の詳細確認
スクリーンショット 2026-09-30 120736.png

スクリーンショット 2026-10-20 145810.png

AWSマネジメントコンソールのCloudFormation > Stacksからも、スタックのEventsとResourcesを確認できます。処理が進まない場合は、Heliosのジョブ詳細とCloudFormationのEventsをあわせて確認します。

デプロイが失敗した場合の主な確認ポイント
IAMポリシー、EC2サービスクォータ、選択したVPC/サブネットのルーティング、既存Security Groupのルール、SSMへの到達性、DNS/NTPを確認します。作成途中のAWSリソースを削除するときは、既存リソースと取り違えないよう注意してください。

7. デプロイ後に行うこと

クラスターノードの作成後は、CLI方式で作成したクラスターと同じ初期設定を行います。本記事では概要のみ整理します。

  1. ジョブ詳細またはAWS EC2画面からノードのプライベートIPを確認する
  2. ブラウザーでhttps://<ノードIP>を開き、admin/adminで初回ログインする
  3. EULAへ同意し、ライセンスを適用してadminパスワードを変更する
  4. Storage Domainを作成し、保護データ用S3をExternal Targetとして関連付ける
  5. AWS環境を保護ソースとして登録し、バックアップ/リストアを確認する
S3はクラスター作成後に関連付けます
CLI方式では設定JSONのexternal target項目へS3を指定しましたが、HeliosのデプロイウィザードにはS3入力欄がありません。前回記事で用意したS3を使う場合も、クラスター作成後にStorage Domain/External Targetを設定します。

8. 実際に操作して感じたポイント

今回の検証ではAWS側の前提を準備済みだったため、Helios上では既存リソースを選択し、クラスター構成を入力するだけでデプロイを開始できました。利用者がControl VMへログインしたり、長い設定JSONを編集したりする必要がないため、デプロイ操作の負担はCLI方式より明確に小さくなります。

公式ガイドでは、Heliosからデプロイしたクラスターは、Helios上からノード追加やクラスター削除を行えると案内されています。この機能はCLIでデプロイした後にHeliosへ接続したクラスターではサポートされないため、Heliosを運用の中心にする場合は最初からHelios経由でデプロイするメリットがあります。

また、本記事では割愛していますが、AWS側のリソース準備が改めて重要だと感じました。

9. おわりに

今回は、前回のCLIデプロイ検証で準備したAWSリソースを使い、HeliosからDataProtect for Cloud on AWSをデプロイする流れを確認しました。

AWS認証情報、VPC、AZ、Security Group、Subnet、クラスター構成を画面に沿って入力すれば、利用者側でControl VMを手動準備・操作せず、設定JSONも編集せずにデプロイを開始できるためCLI方式に比べてデプロイ手順が簡単です。

一方、Helios方式はAWSアカウントだけで完結するものではありません。VPC、サブネット、ルーティング、IAM、Security Group、SSM、DNS、NTP、EC2サービスクォータの準備は必要です。AWS側の詳細は前回のCLIデプロイ記事で確認し、本記事をHeliosデプロイの補足編として活用していただければ幸いです。

本記事と合わせておすすめ記事に記載のCLIを用いたデプロイ記事も合わせてチェックいただくことでどちらが作業しやすいかなど比較いただけるかと思います。

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