5GとHoloLens 2を使った屋外でのクラウドレンダリングで大容量データのAR可視化をやってみた!
こんにちは。テクニカルマーケティングセンターでAR/VR/MRソリューション担当をしている遠藤です。
先日、「進化をつづけるHoloLens 2ーついに5Gに対応!ー」というタイトルで、5GとHoloLens 2との接続成功をご報告させていただきました。
今回は、「せっかく5Gを使うなら大容量高速通信のメリットを享受したい!」ということで、屋外でクラウドレンダリングとAR可視化に挑戦してみました。
目次
1. クラウドレンダリングとは
2. Azure Remote Renderingとは
3. 大容量BIMデータをmixpaceでコンバートする
4. USB有線テザリングで5Gを接続
5. Azure Remote RenderingでARモデルを動かしてみる
6. 5G接続でのHoloLens 2業務活用を検討されている方に
1. クラウドレンダリングとは
今回の場合は、一般的に高負荷な処理とされる3Dデータのマテリアルやテクスチャの計算や出力を、ローカル(エッジデバイス)ではなくインターネット上のクラウド環境にて行うことと定義しています。
クラウド側で処理することにより、ローカル側でのコンピューターリソースだけに頼らない作業が期待できます。
2. Azure Remote Renderingとは
Azure Remote Rendering (ARR)は、高品質でインタラクティブな 3D コンテンツをクラウドでレンダリングし、HoloLens 2 などのデバイスにリアルタイムでストリーム配信できるようにするサービスです。
2020年4月にパブリック プレビューが公開されていて、誰でも検証できるようになっています。
上記写真は2020年5月22日のマイクロソフト社主催のMR Dev Daysのセッションの中で説明されていたARRのネットワークの要件になります。
ARRを使用するうえで、下りのネットワーク回線速度として「最低50Mbps、推奨は100Mbps」とのことです。
4Gスマホなどを使った無線Wi-Fiテザリングだとこの要件を満たすのはかなり難しくなります。
3. 大容量BIMデータを「mixpace」でコンバートする
(↑元となるBIMデータ)
今回は、Revit User Group(RUG)さんのサンプルBIMデータを借用させていただきました。
さらに意匠と構造と設備の各サンプルデータを合体したAutodesk Revitのデータ形式(RVTデータ)をホロラボの龍さんに作っていただきました。
・容量サイズは108MB
・530万ポリゴン
このサイズ、ポリゴン数だとHoloLens 2のローカルレンダリングでは重すぎます。
なんとか表示できたとしても1FPSくらいになってカクカクした動きになってしまいます。
(mixpaceでRVTデータをGLB形式に変換)
ARRではRVTデータをサポートしていないため、ホロラボが開発、弊社が販売を担当している「mixpace」でRVTデータをGLB形式に変換してエクスポートします。
「mixpace」はデータをアップロードするだけで自動変換してくれ、今回は2分弱で完了しました。
すごく早くて簡単です。
4. USB有線デザリングで5Gを接続
前回ブログ の手順で、5GスマホとHoloLens 2をUSB有線テザリングで接続します。
なんと今回は下りで650Mbpsも速度出ています!すごい!これ屋外での速度です!
5. Azure Remote RenderingでARモデルを動かしてみる
5GとHoloLens 2でAzure Remote Renderingをやってみた1~ヌルヌル動きます~
早速、ARRでクラウドとHoloLens 2を接続してモデルを表示させてみます。
かなりヌルヌルで動きます。ニヤニヤして変な笑いが止まりません。
Azure Remote Renderingを使うと、「断面カット」して見てみるとか、「個別パーツを手でつかんで切り出して」見てみるとかもできちゃいます。
かなり楽しいです。
5GとHoloLens 2でAzure Remote Renderingをやってみた2~「断面カット」して見てみる~
5GとHoloLens 2でAzure Remote Renderingをやってみた3~「個別パーツを手でつかんで切り出して」見てみる~
なお、今回の検証にあたり、いつもお世話になっているホロラボの中村さん、龍さん、岩本さんにデータや環境整備で多大なご協力をいただきました。
この場をお借りして御礼申し上げます。
6. 5G接続でのHoloLens 2業務活用を検討されている方に
SB C&S並びにソフトバンクでは、5G及びHoloLens 2関連のデバイスやソリューションを積極的に推進しています。
「5G & HoloLens 2 & Azure Remote Rendering & mixpace」の組み合わせで今まで困難であった大容量BIMデータのAR可視化検証をやってみたいという建設・土木関係の方、お気軽にご相談ください。
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著者紹介
SB C&S株式会社
テクニカルマーケティングセンター
遠藤 文昭
HoloLens 2やiPadを活用してCAD/BIMデータをAR向けに自動変換・可視化するクラウドソリューション「mixpace」を企画立ち上げ。HoloLensコミュニティ活動に積極的に参加・推進中。