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1筐体から構成可能!NetApp HCIの2ストレージノード構成!! 第2回〜NDE実行後のvSphere環境〜

ストレージ / HCI
2021.01.19

皆さん、こんにちは
SB C&S株式会社 技術担当の小川です。

前回はNetApp HCIの2ストレージノード構成の概要やNetApp Deployment Engine(以降NDE)実施時の相違点について説明しました。

今回は2ストレージノード構成のNDE実行後のVMware vSphere環境について、これまでと違う設定や注意点などを解説します。

使用するソフトウエアバージョンは前回に引き続きVer1.8となります。

またNDE実行時のネットワーク構成は「NetApp HCI 第1回 事前準備:ネットワーク編」と比較するため「標準仮想スイッチ(VSS)」で構成しています。

 

 NDE実行後に作成される仮想マシン             

 

2ストレージノード構成でのNDE実行後のVMware vSphere環境には、以下の仮想マシンが作成されます。

  • vCenter Server Appliance(VCSA):1台
  • Management Node(mNode):1台
  • Witnessノード:2台

これに加えWitnessノードのテンプレートが作成されます。

WitnessノードはコンピューティングノードにインストールされたESXiに1台ずつ配置されます。また使用するデータストアはESXiのローカルデータストアを使用します。

Witnessノードの注意事項

Witnessノードはスプリットブレイン状態でもサービスを継続するために利用されるノードであるため、必ずコンピューティングノードのローカルデータストアに配置し、ストレージクラスタから展開するデータストアには絶対に移動させないで下さい。ローカルデータストアから他のデータストアに移動させるとWitnessノードがvMotion可能になってしまうため注意が必要です。

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 NDE実行後に展開されるデータストア             

 

NDE実行後はこれまでと同様にストレージクラスタから展開されるデータストアとESXiのローカルのデータストアが展開されています。

用途もこれまでと同様にストレージクラスタから展開されたデータストアは仮想マシン格納用、ローカルデータストアはログや一時ファイルを保存するためのスクラッチパーティションに設定されています。

ローカルデータストアに関する注意事項

ローカルデータストアで注意が必要なことは、スクラッチパーティションとしての利用以外にWitnessノードが格納されるデータストアとして使用されることです。そのためログや一時ファイルを溜め込む容量が減ることになり、気づかずに使い続けるとログが保存されていないなどのトラブルに繋がります。そのためスクラッチパーティションは早めの変更をおすすめします。

スクラッチパーティションの変更方法は対象のESXiホストを選択し「設定」⇒「システム」⇒「システムの詳細設定」⇒「編集」から変更可能です。

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 NDE実行後に設定される仮想スイッチ             

 

2ストレージノードでNDE実行後に作成される仮想スイッチは標準仮想スイッチの場合、vSwitch0、vSwitch1、vSwitch2といった3つの標準仮想スイッチが作成されます。

vSwitch0

vSwitch0はvCenter ServerやmNodeといった仮想アプライアンスが接続される管理用ネットワークです。2ストレージノード構成で使用されるWitnessノードはvSwtich0に接続されます。

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vSwitch1

vSwtich1は仮想マシンを接続するVM NetworkとvMotionネットワークが設定されています。NDE実行直後は仮想マシンが接続されていません。

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vSwitch2

vSwitch2はESXiホストとストレージクラスタをiSCSI接続するためのネットワークです。

iSCSI接続のためのVMkernelポートが設定されているだけでなく、管理のためのmNodeやストレージノードの役割を担うWitnessノードも接続されています。

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今回は2ストレージノード構成のNDE実行後のVMware vSphereの構成や注意点について説明しました。これまでの4ストレージノード構成と比較して違いが少ないことをご理解いただけたのではないかと思います。

今後ハイブリッドクラウド化が進む中でオンプレ環境の構築や管理がより簡単になることが求められてきます。

そのような中で2ストレージノード構成は小規模から始められデプロイも容易なソリューションです。さらにCloud Volumes ONTAPといったクラウドのソリューションとも連携できクラウド化の促進にも繋がるため、ぜひ導入をご検討いただければと思います。

 

 

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著者紹介

SB C&S株式会社
技術統括部 第1技術部 2課
小川 正一(VMware vExpert)