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基礎から学ぶ!vSphere 7.0検証環境構築 第1回 ESXiのインストール

仮想化
2021.12.24

vSphere 8.0 検証環境構築はこちら


こんにちは。SB C&Sの湯村と申します。今回から「基礎から学ぶ!vSphere検証環境構築」シリーズの本編をご紹介します。初回となる第1回は、「ESXiのインストール」です。vSphere環境の基盤となるESXiですので、しっかりと学習しましょう。

1. ESXiとは

ESXiは、vSphereの中核となるハイパーバイザー型の仮想化ソフトウェアです。ESXiをサーバー上にインストールすることで、ESXi上に複数の仮想マシンを稼働させることができます。ハイパーバイザーは、サーバー上に直接仮想化ソフトウェアをインストールすることで仮想化を実装します。本記事では、サーバー上にESXiをインストールする手順を記載しています。

2.ハイパーバイザー型.png

2. 使用する環境

今回使用した環境は以下の通りです。

  • ハードウェア:Nested ESXiとして利用する仮想マシン3
    ※今回の検証環境は、仮想マシン上にESXiをインストールしています。これはNested ESXiと呼ばれる方式です。本来のESXiは物理サーバー上にインストールするものですが、検証環境としては一般的に利用されます。
  • ソフトウェア:VMware ESXi 7.0 Update 3
現在、7.0 Update 3bは重大な製品不具合が発生しているため、製品版および評価版共にソフトウェアがダウンロードできなくなっています。本番環境では7.0 Update 3c以降を使用してください。
【参考】https://kb.vmware.com/s/article/86398

また、今回の環境では以下のホストを使用します。
※ESXi-A3にvCenter Server Appliance(第2回で解説)をデプロイする予定のため、リソースを多めに用意してあります。

コンポーネント ESXiホスト名 IPアドレス CPU数 メモリ ローカルディスク
ESXi-A1 esxi-a1.demo.local 192.168.255.10/24 2 16GB 32GB
ESXi-A2 esxi-a2.demo.local 192.168.255.20/24 2 16GB 32GB
ESXi-A3 esxi-a3.demo.local 192.168.255.30/24 4 16GB 600GB

下図の赤枠部分を構築していきます。また、これから説明する構築手順では、ESXi-A1に対する手順のみを記載しています。今回のようにESXi-A2ESXi-A3と複数台ある場合は、それぞれに対して同じ手順を行ってください。

スライド2.PNG

3. ISOイメージファイルのダウンロード

VMwareのソフトウェアは、VMware Customer Connect からダウンロードできます。ESXiをインストールするためのISOイメージ ファイルも、ここからダウンロードします。
※今回は検証が目的ですので、評価版のイメージをダウンロードします。

1. VMware Customer Connectにアクセスします。

2. [製品とエンタイトルメント アカウント] の [評価版] をクリックします。

1.png

3. [評価版を入手] をクリックします。

2.png

4. VMware vSphereの [評価版の無償ダウンロード] をクリックします。

3.png

5. [ライセンスとダウンロード] タブから、[登録] をクリックします。

4.png

6. エンドユーザー使用許諾契約書のページで必要事項を入力し、[無償評価の開始] をクリックします。

5.png6.png

7. VMware vSphere Hypervisor(ESXi ISO) imageの [手動ダウンロード] をクリックします。
※ファイル名:VMware-VMvisor-Installer-<バージョン>.x86_64.iso

7.png

4. ESXiのインストール

ダウンロードしたISOイメージをサーバーにマウントし、インストールを行います。
※ここでは1台目の手順のみ記載しています。複数台のESXiホストを構築する場合は、残りのサーバーについても同様にインストールしてください。

1. ダウンロードしたISOイメージをディスクメディア等に焼き付け、サーバーにセットして起動します。しばらくすると以下の画面が表示されるので、操作しないでそのまま待ちます。

1.png

2. しばらくするとインストーラーが起動するので、[Enterキー] を押します。

3.png

3. ライセンス規約を確認し、[F11キー] を押します。

4.png

4. ESXiをインストールするディスクを選択し、[Enterキー] を押します。
※ここではサーバーのローカルディスクがデフォルトで選択されています。

5.png

5. キーボードレイアウトを変更します。

  • キーボードレイアウトでは上下矢印キーを使用してを選択します。
  • [Enterキー] を押します。

6.png

6. rootユーザーのパスワードを設定します。

  • [Root password] および [Confirm password] ESXiホストのrootユーザーのパスワードを設定します。
  • [Enterキー] を押します。

7.png

7. [F11キー] を押し、インストールを開始します。

8.png

8. インストールが完了したら [Enterキー] を押してサーバーを再起動します。

9.png

9. 以下の画面が表示されたら、ESXiのインストールは完了です。続けて、ネットワークの設定を行いますので、[F2キー] を押してください。

10.png

10. 設定したrootユーザーのパスワードを入力します。

  • [Password] に手順6で設定したrootユーザーのパスワードを入力します。
  • [Enterキー] を押します。

11.png

11. 管理ネットワークの設定を行います。

  • System Configuration画面が表示されるので、上下矢印キーで [Configure Management Network] を選択します。
  • [Enterキー] を押します。

12.png

12. まずはネットワークアダプタの設定を行います。

  • [Network Adapters] を選択します。
  • [Enterキー] を押します。

13.png

13. 物理NICvmnic)を選択します。

  • ESXiホストが認識している物理NICvmnic)が表示されるので、管理ネットワークとして使用するvmnicをスペースキーで選択します。
    ※一般的にはデフォルト選択されているvmnic0を管理ネットワークとして使用することが多いです。
  • [Enterキー] を押します。

14.png

14. 管理ネットワーク用IPアドレスの設定を行います。

  • [IPv4 Configuration] を選択します。
  • [Enterキー] を押します。

15.png

15. ESXiの管理ネットワーク用IPアドレスを入力します。

  • [Set static IPv4 address and network configuration:] をスペースキーで選択します。
  • [ IPv4 Address ]、[ Subnet Mask ][ Default Gatway ]ESXi-A1のネットワーク情報を入力します。
  • [Enterキー] を押します。

16.png

16. 続いて、DNSの設定を行います。

  • 事前にDNSサーバーでホスト名、完全修飾ドメイン名(FQDN)、IPアドレスが互いに名前解決できるように設定します。
  • ESXi画面に戻り、[DNS Configuration] を選択します。
  • [Enterキー] を押します。

17.png

17. DNSサーバーの情報を入力します。

  • [Use the following DNS server address and hostname:] をスペースキーで選択します。
  • [Primary DNS Server] DNSサーバーのIPアドレス、[Hostname] ESXiのホスト名を入力します。
  • [Enterキー] を押します。

18.png

18. [ESCキー]を押します。

18-1.png

19. [Yキー] を押して変更を適用します。

19.png

5. Host Clientによる接続確認

Host Clientは、ESXiホストを直接管理するためのWeb UIです。vCenter Serverが構築済みであればvSphere Clientから複数のESXiホストを一元管理できますが、今回はまだ構築されていない状態なので、Host ClientからESXiホストへの接続確認を行います。

1. ブラウザからHost Clientへアクセスします。

  • ESXiホストのIPアドレスにアクセスできるクライアント マシンで、Google Chrome等のブラウザを開き、以下のURLにアクセスします。
    https://esxi-a1.demo.local
    ※https://<ESXiのhostnameまたはIPアドレス>
  • 画面下部の [詳細設定] をクリックします。

1.png

2. [esxi-a1.demo.local にアクセスする(安全ではありません)] をクリックします。

2.png

3. Host Clientへログインします。

  • ログイン画面が表示されたら、[ユーザー名] には root[パスワード] にはESXiをインストールする際に設定したものを入力します。
  • [ログイン] をクリックします。

3.png

4. 以下のように、管理画面が表示されたら接続完了です。

4.png

6. Tips ~ ESXiのインストール要件 ~

ESXiをインストールするためには、ハードウェア要件を事前に確認しておく必要があります。

ハードウェア要件としてはまず、インストール対象のサーバーがサポートされているかどうかを 「VMware Compatibility Guide」で確認します。

コンパチガイド.png

対象のサーバーがサポートされていることを確認したら、以下のリソース要件を満たすことを確認してください。ただし、これはESXiをインストールできる最小の要件です。簡易的な検証環境としては問題ないかと思いますが、本番環境の場合はどれだけのリソースが必要になるか、事前にしっかりとサイジングしましょう。

  • CPU2コア以上
  • メモリ:4GB以上(本番環境では8GB以上)
  • NIC:ギガビット対応のNIC 1つ以上
  • ESXiブート専用ディスク:32GB以上(推奨128GB以上)

この中で、ESXiのインストール先(ブート デバイス)については、従来のOSではHDDSSDを採用していた方々が多いかと思います。

HDDSSDOSをインストールするケースでは、障害が発生した際にOS領域とデータ領域を切り離した対応ができませんでした。さらに、OS領域にもデータ領域と同様にディスクを使用するため、OS領域に過剰な容量のディスクを消費してしまい、データ領域として使用できる容量が減ってしまいます。

これらの課題は、サーバーにOS領域専用のディスクがあれば解消されます。現在は、データ領域用のディスクとは別に、OS領域専用ディスクを搭載可能にしたサーバーが多くリリースされています。そこには、ESXiもインストールすることができます。例えば、Dell TechnologiesPowerEdgeサーバーではBOSSBoot Optimized Storage Solutionと呼ばれるモジュールがそれに該当します。

また、最近のOS専用領域としては、M.2と呼ばれる規格のSSDカードが使用されています。そして、2枚のM.2 SSDを搭載してRAID1の冗長構成にできるストレージ コントローラーを搭載したサーバーもあります。

現在リリースされているM.2 SSDの容量は、サーバー向けのものであれば少なくても240GB以上あり、ESXiのインストールに十分な容量があります。本番環境でESXiをインストールする際は是非ご検討ください。

今回は、仮想化基盤の基礎となるESXiの構築手順をご紹介しました。次回は、構築したESXiを統合管理するvCenter Server Applianceについてご紹介します。


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著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 2課
湯村 成一 - Seiichi Yumura -

Dell Technologies社製品のプリセールス業務を行うエンジニア。
主にVxRail・Azure Stack HCIといったHCI製品を担当している。