容量消費・ストレージ負荷の少ないスナップショットを取得
Redirect-on-Write(RoW)とは、ストレージ装置におけるスナップショットの取得方式のひとつです。容量消費とストレージに対する負荷が少ないことが大きな特長です。
仕組み
ストレージ上では「ブロックデータ」と「メタデータ」に分けてデータが管理されています。ブロックデータは実際にユーザーが書き込んだデータですが、メタデータはブロックデータの書き込み位置の情報なので、ブロックデータと比較すると非常に容量は小さいです。以下ではVolumeを対象としてRedirect-on-Write方式でスナップショットを取得した際のブロックデータおよびそのメタデータの動作を、「①スナップショット取得時」「②データ上書き時」「③リストア時」の3つのシーンに分けて解説します。
①スナップショット取得時
スナップショットの取得時には、ブロックデータの参照先を示す「メタデータ」のみを保存します。そのためほとんど容量を消費しません。
②データ上書き時
スナップショットの対象となっているVolumeにデータが上書きされた際には、新たにブロックデータ(赤のブロックデータ)が書き込まれます。同時にVolumeのメタデータも参照するブロックデータが変わることで、変更前のブロックデータはスナップショットのみが参照するデータとなります。そして、この時点でスナップショットのみが指しているブロックデータがスナップショットの容量となり、スナップショットの容量消費が発生します。
③リストア時
リストア時には、Volumeのメタデータが指し示すブロックデータが、スナップショット取得時のものに戻ります。
この時Volume更新時に書き込まれたブロックデータ(赤のブロックデータ)は、ほかにスナップショットで紐づくメタデータがなければ削除されます。
このようにRedirect-on-Writeでは、スナップショットの取得時以降スナップショットとして保存されたメタデータおよびその対象ブロックデータの更新を行いません。そのため、最小限の容量消費と非常に少ない負荷でスナップショットの取得が可能となっています。
SB C&Sが紹介するストレージ
著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 2課
中田 浩嗣 - Hirotsugu Nakata -
VMware担当を経て、現在ストレージ担当の中でもPure Storageを専任に担当するプリセールスエンジニア