みなさんこんにちは、Onshape担当の羽根です。
Onshapeには他のCADやPDMには無い、データ管理の考え方があり、はじめて使う方は悩まれる方が多いのではないかと思っております。そこで今回は初めて使う方向けのおすすめのブランチ運用法をご紹介したいと思います。
■はじめに
この記事ではOnshapeのバージョン、ブランチをどの様に使うべきかをご紹介します。バージョン、ブランチが何か分からない方は下記の記事内の「ワークフロー/データ管理におススメのコンテンツ」で紹介している記事でご確認下さい。
参考記事:無償eLearning受講ガイド:推奨コンテンツと受講順
また、Onshapeのデータ管理はアプリケーション開発などでよく利用されるGitの考え方がベースになっています。「Git ブランチ 運用」などで検索すると日本語でも参考になる情報が沢山でてきますので合わせて読んでいただけると理解が深まります。
■バージョンは「分かりやすい名称を付けてガンガン使う」
Onshapeにおけるバージョンとは一言でいうと設計者の備忘録です。任意の名前を付けて保存しておくことが可能です。一般的なPDMのバージョンとは全く違うのでご注意ください。
人の言葉で分かりやすく説明することで、単なるフィーチャーをグループ化するので設計意図を込める事が可能です。分かりやすい単位で沢山作って整理してください。
<バージョン名の例>
- 〇〇を作成
- 〇〇を追加
- 〇〇を〇〇出来るよう修正
■ブランチは「まずは2つで運用」がおススメ
ブランチとは分岐の事です。Onshapeではバージョンから分岐を作り、別のパターンを作成する事が可能です。
バージョンとは異なり、ブランチは意味なく分岐を増やすと分かりづらくなります。特に慣れていないうちは混乱を招き「ブランチ難しい!」という印象を抱きかねません。そのため最初は「Main」と「変更ブランチ」の2つでの運用がおススメです。
〇Mainブランチ
- 修正(モデリング/図面含む)は一切しない
- 変更ブランチで出来た形状を統合(マージ)
- リリースを行う(承認フローで出図)
〇変更ブランチ
- すべての修正を行う
- リリースは行わない
〇Mainブランチと変更ブランチを分けて運用するメリット
- Mainブランチは綺麗に保たれる
- 変更ブランチは思う存分バージョンを作成できる
- ブランチの基本的な運用が身につく
■3つ以上のブランチ運用は「ブランチ便利じゃん!」って気付いたら
使い慣れていないと、何が良いの?と思っているかもしれませんが、ブランチ運用を進めていくと、「あ!」というタイミングが来るはずです。その時が、複数ブランチに進むタイミングです。
例えばイメージしやすい物としては下記のような場面です。
- 同時に複数パターンを作って比べて、一番良い物を選びたい
- AさんとBさん同時に形状変更を含む設計検討を行いたい
いかがでしたでしょうか?ブランチって難しそうと思っていた方はまずは限定した範囲で触り始めてもらえれば、必ず便利さに気付き、これまでの設計には戻れない!と感じて頂けると確信しています。是非、お試し頂けたら幸いです。
<フルクラウド3D CAD Onshapeに関するおススメ情報>
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著者紹介
SB C&S株式会社
クラウド・ソフトウェア推進本部
CAD&ドローン&AR事推課
羽根 隆嘉