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VMware Explore 2022 速報レポート (ウェビナー告知あり)

仮想化
2022.08.31

みなさん、こんにちは。
SB C&S 市島です。

今年も、VMware 社の年に一度の最大イベントが開催されました。
新型コロナウイルス感染症の影響で2020年、2021年と、2年続けてオンライン イベントとして開催されておりましたが、ついに今年はオンサイト イベントとして復活し、アメリカ・サンフランシスコで開催されました!

また、ブログタイトルからお気づきの方も多いかと思いますが、今年から年次イベントの名前が変更されました。
昨年までの VMware の年次イベントといえば「VMworld」という名前で開催されておりましたが、本ブログタイトルにありますように、今回から「VMware Explore」というイベント名に変更されました。
"Explore (エクスプロア)"は、「探索する、調査する」という意味です。VMware ソリューションを中心とした、様々なテクノロジーの最新情報・技術情報を「探索する、調査する」イベントとして、新しく銘打たれた形です。

そして、当社 SB C&S は VMware ソリューションの新しいテクノロジー情報を探索するため、私を含め VMware 技術メンバーが実際に現地アメリカ・サンフランシスコへ飛び、「VMware Explore 2022 US」に参加しております。

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本ブログでは、VMware Explore 2022 US のジェネラルセッションで発表された内容を中心に、現地から速報レポートをお届け致します。

※可能な限り正確な情報を掲載するよう努めていますが、VMware Explore 2022 US での発表直後の内容を含むために後日の修正が必要となることや、情報が古くなることで正確性を保持できなくなる可能性もあります。そのため、必ずしも情報の正確性を保証するものではありませんことをあらかじめご理解ご了承ください。

 

VMware Explore 2022 US ジェネラルセッション概要と主な発表内容

VMware Explore 2022 US は、VMware 社のCEO である Raghu Raghuram (ラグー・ラグラム) 氏の登壇からスタートしました。

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Raghu Raghuram 氏は、実際にお客様からヒヤリングしたクラウド利用の課題について紹介しました。企業はデジタルスマートなビジネスに変化する必要があり、様々な企業が「Cloud First(クラウド ファースト)」の号令とともにクラウド化へのリプラットフォームを進めて来ました。しかし、クラウドプラットフォームの違いなどによって結果的に様々な課題が生じ、現在は「Cloud Chaos(クラウド カオス)」の状態にある、と紹介されております。

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こういった「Cloud Chaos(クラウド カオス)」な状況になってしまっているのは、開発者にとっての利便性や、アプリケーションの持つ性質、パブリッククラウドそれぞれ固有の特徴など、様々な事情から到達した姿であり、単純にオンプレミスだけ、シングルクラウドだけでの運用にすれば解決できる、といった課題ではありません。

この「Cloud Chaos(クラウド カオス)」の状況を打破し、マルチクラウド環境それぞれの利便性や特徴を活かすことのできる「Cloud Smart(クラウド スマート)」な状態へシフトさせることが必要です。「Cloud Smart(クラウド スマート)」な状態を実現するには、3つの大きな変化が必要だと紹介されました。

  1. 開発者がセキュリティやインフラ環境の事情を意識する必要のない、統一された開発者環境
  2. 一貫したエンタープライズ インフラストラクチャ
  3. 社員がスムーズにアプリケーションへアクセスでき、優れたエクスペリエンスが提供される環境

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そして VMwareは、同社の提供するサービス戦略である「VMware Cross-Cloud Services」によって、ユーザーが「Cloud Smart(クラウドスマート)」へシフトするためのマルチクラウドジャーニー(旅路)を支援することが可能であると、本セッションにおいて約束しています。

VMware 社が昨年の VMworld 2021 にて発表した「VMware Cross-Cloud Services」は、たとえユーザー環境が複数のクラウドにまたがって構成されてしまっている状態においても、それらに対して一貫した「開発者環境」「運用」「セキュリティ」「社員に対しての優れたワークスペース環境」の提供を実現するもので、下記5つのポートフォリオで構成されます。

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App Platform
 開発者が迅速にアプリケーションを生み出すための、Tanzu ファミリーを中心とした Kubernetes プラットフォーム

Cloud Management
 マルチクラウド利用時のコスト管理やセキュリティを統合管理するためのサービス

Cloud and Edge Infrastructure
 VMware Cloud や 従来オンプレミス vSphere、Edge Computing などアプリケーションが実行されるインフラストラクチャ

Security and Networking
 NSX や Carbon Black といった、ネットワークやエンドポイントにおけるセキュリティを高めるための製品群

Anywhere Workspace
 Workspace ONE や Horizonによる "分散された" 従業員ワークスペース環境へのアクセス

 

昨年の VMworld 2021 で本コンセプトが発表された時点では、まだ今後のビジョンについてのメッセージ性が強いものといった印象でしたが、今回の VMware Explore で様々な新製品・新機能が発表されることで、より具体的なサービスとしての形を成してきたと感じています。

ここからは、こちらの5つのカテゴリの中でもジェネラルセッション内で特に多くの時間が割かれて紹介がされた、「App Platform」「Cloud Management」「Cloud and Edge Infrastructure」の3つの領域に絞って、主だった発表内容を紹介していきたいと思います。

 

App Platform

App Platform 領域の、主たるアップデート情報は下記の2つです。

  • VMware Tanzu Application Platform 1.3
  • Tanzu Mission Control の機能拡張(Amazon EKS ライフサイクル管理サポート)

まず、1つ目の「VMware Tanzu Application Platform 1.3」についてご紹介します。

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VMware Tanzu Application Platform は、開発者にとって効率的な開発環境の提供することを目的とし、コンテナアプリケーションの開発からデプロイまでのプロセスを効率化するソリューションです。アプリケーションを展開する Kubernetes 環境については、VMware が提供する Tanzu Kubernetes Grid をはじめ、 Amazon Elastic Kubernetes Service  ( Amazon EKS )  や Microsoft Azure Kubernetes Service  ( AKS )  、 Google Kubernetes Engine (GKE )といった主要なディストリビューションに対応しています。

さらに、今回アナウンスされた「VMware Tanzu Application Platform 1.3」では、Red Hat OpenShift に対応すると発表されました。VMware自身が提供するエンタープライズ向け Kubernetes プラットフォームである Tanzu Kubernetes Grid のみならず、Red Hat OpenShift をご利用されている顧客に対しても、VMware Tanzu Application Platform によって効率的で一貫した開発環境を提供できることになります。

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2つめは、Tanzu Mission Control の機能拡張です。特にお伝えしたい点は、Amazon EKS ライフサイクル管理機能の追加サポートです。

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Tanzu Mission Control で従来から可能だった、展開済みの Amazon EKS クラスタの管理だけではなく、Tanzu Mission Control のコンソールから Amazon EKS クラスタの直接的なプロビジョニングと管理を可能にするアップデートです。このアップデートによりプラットフォームの管理者は、Tanzu Kubernetes Grid と Amazon EKS 双方の Kubernetes クラスタのライフサイクル管理を一元化できます。

 

Cloud Management

Cloud Management 領域の主なトピックは「VMware Aria」の発表です。

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マルチクラウド環境の管理と一言に表しても、オンプレミスのプライベートクラウドや異なるパブリッククラウド間で、費用、リソース利用状況、パフォーマンス、セキュリティなど、管理すべき項目が多岐にわたり、まさにカオスな状況です。

VMware Aria は、そういった複雑なマルチクラウド環境の管理を効率化するソリューション群として発表されました。VMware Aria を紐解くと、主に下記3つのカテゴリで構成されます。

  • VMware Aria Cost powered by CloudHealth
  • VMware Aria Operations(旧名:vRealize Operations)
  • VMware Aria Automation (旧名:vRealize Automation)

また、VMware Aria は上記3つの VMware 製品が、ただまとめて提供されるだけではありません。マルチクラウド環境のリソースをリアルタイムにキャプチャし、収集したデータの関係性を「VMware Aria Graph」と呼ばれるグラフベース データストアに集約されることが重要ポイントです。「VMware Aria Graph」に集約されたデータは、「VMware Aria Hub」のコンソールによって一元的な可視化とコントロールが提供されると共に、API サービスによって他の VMware ツールやサードパーティツールとの連携を可能にすると発表されています。

 

Cloud and Edge Infrastructure

Cloud and Edge Infrastructure の主要な発表はなんといっても「vSphere 8」の発表です。VMware の主要プロダクトである vSphere のメジャーバージョンアップということで、発表のタイミングで会場は大きな拍手と歓声で盛り上がりました。

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vSphere 8 のアップデートとして、ジェネラルセッションの中でもクローズアップして紹介されたのが、2020年に大体的に発表された Project Monterey の正式実装「vSphere Distributed Services Engine」です。

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vSphere Distributed Services Engine は、DPU(Data Processing Unit)と呼ばれるデータ処理特化型のチップを搭載したNIC(Network Interface Card) 上で ESXi を動作させ、従来 ESXi が提供していたネットワーク/セキュリティ機能を DPU が搭載された NIC へオフロードすることで、アプリケーションが実行される CPU への負荷を軽減するテクノロジーです。

セッションの中では、この新しいアーキテクチャによって搭載されているCPU自体の利用率が20%削減され、アプリケーションのコードの変更なしに環境を高速化することが可能であると紹介されました。
vSphere on DPUs を実装した vSphere 8 は、今後10年間のエンタープライズインフラを支える新しいアーキテクチャだと紹介されたのも、個人的にはとても印象的でした。

 

ウェビナー告知

例年通りジェネラルセッションだけでも非常に数多くの発表がされており、ダイジェストをかいつまんでお伝えするだけでもかなりのボリュームになってしまいました。また、ジェネラルセッションではキーワードだけ紹介され、詳細は別のセッションでのキャッチアップが必要な内容も数多くあり、当社技術メンバーが手分けして様々なセッションに参加しての情報収集に励んでいます。

アップデートが盛りだくさんの VMware Explore ですが、帰国後には、今回のイベントに参加した当社 VMware 技術メンバーを中心に「VMware Explore 2022 報告会」セミナーを開催いたします。Explore2022US_報告会.png

9/15(木) 15:00-16:30

【VMwareパートナーさま限定】vExpertが語る! VMware Explore 2022 報告会 (Webセミナー)
https://licensecounter.jp/vmware/dl/pdf/vmex-us-webinar-sbcs-220915.pdf

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まだまだ、VMware Explore 2022 US は始まったばかりです。

報告会ではより多くの情報をお伝えできるよう、引き続き最新の情報収集に努めていきたいと思いますので、本記事をご覧頂いた皆様は、是非とも上記リンクから今すぐセミナーにお申し込み頂ければ幸いです。

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著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 ICT事業戦略・技術本部 技術統括部 第1技術部 1課
市島 拓弥 - Takuya Ichijima -

VMware vExpert