
こんにちは。SB C&Sの石井です。
VMware製品のプリセールスSEチームに所属しており、VMware Workspace ONEなどのVMware EUC製品を主に担当しています。
昨今の世界情勢の変化などにより、在宅勤務が推進されてきました。この在宅勤務によってデバイス環境の見直しがされ、VMware Workspace ONEのようなクラウドからデバイスを管理する製品を導入された企業も多くあるかと思います。このWorkspace ONEは、オフィスで利用されるPCの管理だけでなく、スーパーやコンビニなどの店舗で働く方が使用するデバイス、倉庫や工場で働く方が使用するデバイス、流通・配送業の方が使用するデバイスなど様々な現場で働く方が利用するデバイスもまとめて管理することができます。
今回は、現場で働く方が使用されるタブレットデバイスや、キオスク端末向けに特化したデバイス管理機能・制御機能についてご紹介します。
フロントラインワーカーとは
フロントラインワーカーとは、小売や流通、製造など、現場の最前線で働く従業員の方を示す言葉です。世界の労働人口の80%が、フロントラインワーカーに分類されていると言われています。このフロントラインワーカーが利用するデバイスは多岐にわたり、純粋なモバイルデバイスを利用するケースもありますし、キオスク端末やハンディターミナルといった特定の機能に特化されたデバイスを使用することもあります。
そういった、フロントラインワーカーの方が利用するデバイスを管理する上では、以下の課題があります。
- セキュリティ
- 現場で使用される様々なデバイスに対し、統一したセキュリティを適用するのが難しい
- サポート
- 様々な場所にデバイスが点在しているため、デバイスの不具合などによる対面でのサポートが難しい
- 生産性向上
- 複数のユーザーがデバイスを共有して利用する場合、ユーザーの担当業務ごとにアプリケーションや設定が異なっており、デバイスの使い勝手が悪い
次の章から上記の課題を解決できるフロントラインワーカー向けのWorkspace ONEの機能を紹介します。
Mobile Threat Defense
Mobile Threat Defenseはモバイルデバイス向けのセキュリティ機能です。
昨今のセキュリティ情勢や相次ぐセキュリティ被害によって、従業員が利用するデバイスに対してセキュリティ対策の製品を導入された企業も多くあるかと思います。しかし、フロントラインワーカーが利用する現場のデバイスに対しては、あまりセキュリティ対策を施していないケースも多いのではないでしょうか?
Mobile Threat Defenseを使用することで、モバイルデバイスのOSやアプリケーション、ネットワーク等の脅威からデバイスを保護することが可能になります。このMobile Threat Defenseの大きな特徴として、利用する為に別途専用のセキュリティアプリケーションをインストールし、機能を有効化する必要はありません。Workspace ONEへデバイスを加入させる際にインストールした、Workspace ONE Intelligent HubアプリにMobile Threat Defenseのセキュリティ機能が組み込まれています。Mobile Threat Defenseは、モバイルセキュリティ製品のLookoutを基盤としており、2億以上のモバイルデバイス情報と1億8000万以上のモバイルアプリ情報を収集してセキュリティを保護しています。
- Mobile Threat Defense管理画面-ダッシュボード
下図は、Mobile Threat Defenseの管理コンソールからデバイスの詳細を確認した画面です。このデバイスはOSのバージョンが古く、リスクがあることが確認できます。
このOSバージョンによる具体的な脆弱性を確認することもできます。管理コンソールからワンクリックでCVEのデータベースにもすぐにアクセスできるため、その脆弱性があることで企業のデバイスにどのようなリスクがあるのか、素早く確認することができます。
脆弱性情報を確認した結果、早急な対応が必要だと判断した場合、Workspace ONE UEMの機能を活用し、デバイスのアップデートリクエストを企業内の同じデバイス全体に適用することもできます。
Workspace ONE Assist
Workspace ONE Assistは、リモートサポートを提供するソリューションです。
工場や店舗など様々な場所に分散されたデバイスは問題が起きても、情シスなどのIT管理者がその場にいるとは限りません。そのため、物理的にデバイス画面を見ることができないため、デバイスのトラブル解決が大変かと思います。
Workspace ONE Assistを使用することで、デバイスの画面を共有して遠隔から操作することができます。このWorkspace ONE AssistはWindows OSだけでなく、AndroidやiOSデバイスといった、フロントラインワーカーの方が現場で利用するスマートフォン・タブレット端末にも対応しています。
Workspace ONE Assistの接続手順や機能などの詳細は、こちらをご確認ください。
Workspace ONE Assistとは~リモートワークでも快適なサポートを提供~
Workspace ONE Launcher
Workspace ONE Launcherは、Androidデバイスの画面レイアウトをカスタマイズすることができる機能です。Androidのプロファイルとして配布することで、デバイスのTOP画面を業務やデバイスの用途に特化した見た目に変更することができます。
工場や店舗などで使用するデバイスの場合、限られたアプリケーションのみ使用することが多いかと思います。例えば、飲食店などで顧客が商品を注文する際に利用するデバイスであれば、1つのアプリケーションにロックさせて利用した方が使い勝手が良いかと思います。また、アプリケーションを制限することで、不要な操作を実行することがなくなるためセキュリティの心配も軽減できるかと思います。
Workspace ONE Launcherには3つのモードがあります。
- シングルアプリモード
デバイスをひとつのアプリに制限 - マルチアプリモード
管理したホーム画面で複数のアプリを提供 - テンプレートモード
アプリや画像、テキストを作成し、カスタマイズ
この3つのモードを使い分けて、ユーザーごとにLauncherプロファイルを分けて配布することにより、ユーザーが担当する業務に合わせてアプリケーションや機能を制限し、業務に特化したデバイス環境を用意できます。
プロダクトプロビジョニング
プロダクトプロビジョニングは、デバイスの現在の状態に応じて、アップデートなどのアクション実行や、アプリケーションやプロファイルの配布ができる機能です。
例えば、PoSレジアプリのアップデートがデバイス利用中に始まると、その間アプリが利用できなくなります。電波の悪い場所やWi-Fiが接続されていない場所だと、アップデートにかかる時間も長くなり業務に支障がでてしまうケースもあるかと思います。
プロダクトプロビジョニングを使用することで、時間やデバイスのバッテリー、Wi-Fiの接続有無などに応じてアクションが可能です。
まとめ
今回は、現場などの最前線で働く方が利用するデバイスの管理の視点で、Workspace ONEの機能をご紹介しました。フロントラインワーカー向けのデバイスを管理する上で、課題となるセキュリティやサポートの問題を解決する機能や、現場の方が効率よく業務ができるように、デバイスのレイアウトや設定適用を柔軟にカスタマイズする機能をWorkspace ONEは提供します。
フロントラインワーカー向けのデバイスの管理に課題を感じている場合は、是非Workspace ONEの導入をご検討いただければと思います。
製品情報はこちら
著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部
第2技術部 2課
石井 基久 - Motohisa Ishii -
Omnissa Tech Insider