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Dell Technologies の VxRail とは? ~ 2023年版 ~

ストレージ / HCI
2023.10.26

皆さんこんにちは。SB C&SVxRailのプリセールスを担当しております、湯村です。

今回は、Dell TechnologiesHCIVxRail」について、基本情報から最新情報までご紹介します。2016年から数々のアップデートが繰り返し行われ、現在はどのようなHCIになっているのでしょうか?

本記事のアジェンダは以下の通りです。

​​​​​​​​​​VxRail とは?
​​​​​​​​​​VxRail に含まれるソフトウェア
​​​​​​​​​​VxRail の最新ラインナップ!
​​​​​​​​​​- 15世代 VxRail シリーズのご紹介
​​​​​​​​​​- 16世代 VxRail シリーズのご紹介
​​​​​​​​​​- ディスクレスのVxRail「ダイナミックノード」
​​​​​​​​​​- エッジ向け Witness組込み型 2ノードVxRail「VD-4000シリーズ」
​​​​​​​​​​組み合わせソリューション
​​​​​​​​​​まとめ


VxRail とは?

HCI についておさらい

HCIのことを知るうえで、3Tier構成の仮想化基盤と比較するとわかりやすくなります。3Tier構成は、サーバー・SANスイッチ・ストレージで構成され、仮想化基盤のスタンダードとなっています。拡張性を考慮しないような小規模構成であればコストを抑えることができますので、現在も幅広く導入されている構成です。

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しかし、3Tier基盤を導入・運用する上で、様々な課題があります。たとえば、導入時にはそれぞれのハードウェアとその上で稼働するソフトウェアの互換性を必ず確認する必要があり、手間になります。また、専門知識が各ハードウェア毎に必要で、導入から運用の全てのフェーズで難易度が高くなるという課題もあります。

一方で、HCI構成の場合、SANスイッチとストレージを排除し、複数のサーバーのストレージデバイスを仮想的に統合して、単一のデータストアとして扱うことのできる構成になります。HCIは、拡張性やサービスの継続性に秀でており、3Tier基盤の課題を丸々解決してくれます。

VxRail は vSAN ベースのアーキテクチャ

繰り返しになりますが、HCIの特徴として「サーバーのストレージデバイスを仮想的に統合してひとつの共有ストレージとして扱うことができる」という特徴があります。これはSDSと呼ばれる機能によって実現されています。

一般的なHCIでは、このSDS機能を利用するために、ストレージコントローラーの役割を果たす仮想マシンをハイパーバイザー上にデプロイする必要があります。一方でVxRailでは、VMware社が提供しているvSANをベースにしており、vSANのSDS機能を利用しています。これは、ESXiのカーネルに標準で組み込まれたものであるため、専用の仮想マシンを必要としません。また、SDS用の仮想マシンが不要になため、vSANストレージへのデータアクセスが最短距離で行われるようになっています。

2.pngVxRail を導入するメリット

VxRailを導入するメリットは3つあります。順番に見ていきましょう。

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①「らくらく導入」と「シンプルな運用管理」

VxRailは導入と運用の両側面で大きなメリットがあります。一般的に、HCIのような仮想化基盤のサイジングには多くのスキルが求められ、専門知識のあるエンジニアがサイジングを行う必要がありました。VxRailをサイジングする際は、「VxRail Sizing Tool」というWebブラウザベースの専用サイジングツールを利用するととても便利です。ハードウェア構成の検討からモデルの選定まで、このツールがあれば全てが可能になります。
※利用するためにはDell Technologiesのアカウントが必要です。

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また、VxRailは「ターンキーソリューション」とも呼ばれ、納品されてからVxRailシステムを稼働させるまでの時間が短縮されるという特徴があります。その役割を担っているのが「VxRail Manager」です。VxRail ManagerはVxRailクラスターの根幹を担うソフトウェアで、仮想アプライアンスとして自動的に構築されます。VxRailはESXiやvCenter Serverといった仮想化基盤の主要ソフトウェアが既にインストールされた状態で工場出荷されます。納品され、セットアップを開始すると、VxRail Manager UIによるセットアップウィザードが開始され、事前に用意したIPアドレスやID・パスワード等を入れていくだけで、簡単にセットアップを終えることができます。

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導入後の運用フェーズにおいても、VxRail Managerが大活躍します。VxRail 4.7以降、「VxRail Manager Plugin for VMware vCenter(通称:VxRail Managerプラグイン)」がvCenter Serverに組み込まれ、VxRailにおける運用管理タスクのほとんどをvSphere Clientから操作できるようになりました。今までvSphere仮想化基盤を運用していたユーザーにとって、HCIならではの専門知識を特に必要としない、シンプルな運用管理が実現しています。

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② 強力なLCM機能による自動アップグレード

vSphere仮想化基盤のライフサイクル管理機能としてvSphere LifeCycle Manager(vLCM)が提供されていますが、vLCMの場合はソフトウェアとファームウェアを別々に管理する必要がありました。一方で、VxRailに組み込まれているライフサイクル管理機能(VxRail LCM)は別々の管理が一切不要です。必要なソフトウェアとファームウェアは事前検証済みのパッケージとして提供され、このパッケージ1つだけでVxRailクラスターに必要なソフトウェアおよびファームウェアを一括で自動アップデートしてくれます。その他にもVxRail LCMのメリットがあります。以下の画像でチェックしてみてください!

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③ 統合された窓口によるワンストップサポート

VxRailのサポート体制の特徴は「シングルコンタクトサポート」になります。ユーザーは、VxRailに関する全ての問い合わせをDell Technologiesのサポートチームに対して問い合わせることができます。これまで、一般的な3Tier構成基盤の場合、サーバー・ストレージ・ネットワーク・ソフトウェアのように、それぞれのベンダーに問い合わせを行う必要があり、迅速なトラブルシューティングが難しくなっていました。VxRailの場合、VMwareジャパン本社にDell Technologiesの社員が常駐し、VMware社員と協同してサポートを行っています。状況に応じて開発チームへのエスカレーションも行われるため、柔軟かつ迅速なコミュニケーションが可能となります。

8.png以上、VxRailを導入する3つのメリットをご紹介しました。どのメリットにも共通しているのは、VxRailが「Dell TechnologiesとVMwareが共同開発した"唯一"のHCI」であるからこそ実現しているということです。ユーザーがより導入・運用しやすいHCIであるために両社が密な連携をとっていることがご理解いただけたと思います。


VxRail に含まれるソフトウェア

VxRail に必要なソフトウェアは最初からインストールされている!

VxRailをセットアップすると、VxRailに必要なソフトウェアであるESXi / vCenter Server / vSAN / VxRail Manager が全てインストールされた状態で起動するため、ユーザーがソフトウェアを用意する必要はありません。すぐにVxRailを利用することができます。それぞれに必要なライセンスについては「VxRailに必要なソフトウェアおよびライセンスについて(※)」内の「ライセンスの種類について」をご覧ください。
※少々情報は古いですが、必須ソフトウェアの種類や仕組みは変わりません。

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VxRail の最新ラインナップ!

現在リリースされているVxRailは15世代のシリーズと、最新世代となる16世代のシリーズが併売されています。VxRailはDell Technologiesのサーバー製品であるPowerEdgeをベースにしているため、PowerEdgeの最新世代に合わせてVxRailも直ぐに対応しています。

本記事では、主力シリーズに絞ってご紹介します。ご紹介しきれなったシリーズやスペックについては、「VxRail スペックシート」をご覧ください。

15世代 VxRail シリーズのご紹介

15世代のVxRailは、現在E・P・V・Sの4シリーズが販売されています。全てのシリーズにおいて第3世代のインテルXeonスケーラブルプロセッサーを搭載しており、前世代と比べて搭載可能なコア数やPCIeの帯域幅が2倍になる等、性能面で向上しています。

Eシリーズは「エントリー向けのE660」です。PowerEdge R650をベースとしているので、1Uというコンパクトなサイズが魅力です。スモールスタートから始めたいというユーザーにはピッタリのシリーズとなります。とはいえ、柔軟な構成と高い拡張性は他シリーズと同様ですので、とても人気の高いシリーズです。

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Pシリーズは「性能・バランスを重視したP670」です。2UのPowerEdge R750がベースであるため、Eシリーズと比べて搭載できるドライブの本数が多く(背面にも4本搭載できる)、ストレージ容量が大きくなっています。また、GPUにも対応しているため、様々なワークロードに最適な汎用的なシリーズとなっています。こちらもEシリーズと同様に人気が高いシリーズです。

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Vシリーズは「VDIにおすすめのV670」です。シャーシはPシリーズと同様ですが、なんといっても対応しているGPUの種類が一番多く、GPUを利用したVDI環境を導入したい場合に最適のシリーズです。

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Sシリーズは「ストレージ容量を重視したS670」です。他シリーズとは異なり、ストレージデバイスにNL SASのディスクが利用されているため、ストレージ容量の単価が抑えられている点が特徴です。

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16世代 VxRail シリーズのご紹介

さて、16世代のVxRailはどのような変貌を遂げているのでしょうか?現在購入できるシリーズは「VEシリーズ」と「VPシリーズ」の2種類になります。どちらも2023年8月にリリースされた新しいシリーズです。(※2023年10月時点)

15世代シリーズから変わったことをご紹介します。

① シリーズ名称が変更!

16世代からはPowerEdgeのモデル番号に合わせた表記となっています。たとえば、VE-660はPowerEdge R660がベースでEシリーズの特徴を引き継いでいます。また、これまでVシリーズとPシリーズは別々の名称で分類されていましたが、VP-760は両者を統合した形となっています。つまり、VDIも含めて、ほとんどのワークロードにおいてVP-760を選択すれば問題ないということになります。
※ハイブリッドまたはオールフラッシュの選択は、見積もり作成時に指定できます。

② 性能が大幅に向上!

どちらも第4世代のインテルXeonスケーラブルプロセッサー(Sapphire Rapids)をを搭載しており、最大56コアまで対応できるようになりました(15世代比 40%UP!)。これにより、少ないノード数で高速なワークロードが実現します。PCIeについてもGen5に対応したことで、15世代と比べて2倍の帯域幅となっています。

<VE-660>
14.png<VP-760>
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ディスクレスのVxRail「ダイナミックノード」

「VxRailダイナミックノード」は2021年にリリースされました。特徴としては、vSANを利用しないディスクレスのVxRailで、CPUやメモリといったコンピュート機能だけを搭載しているノードになります。ユースケースとしては、外部ストレージを接続して3Tier構成のようにすることが一般的で(vSAN HCI Meshも可能)、コンピュートリソースとストレージリソースを別々に必要な分だけ拡張するという運用となります。

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エッジ向け Witness組込み型 2ノードVxRail「VD-4000シリーズ」

VxRailは最低3ノード以上で構成することが必要であり、小規模な環境で利用したい場合はマッチしないケースがありました。そうしたニーズに合わせて、以前から2ノードVxRailを構成することも可能でしたが、Witnessと呼ばれる監視モジュール用にノードをもう1台用意する必要がありました。結局、2ノード構成でも3ノード分くらいのコストがかかってしまい、なかなか2ノードVxRailも導入が進まない現状がありました。2023年3月にリリースされた「VD-4000シリーズ」は、Witnessが筐体に組み込まれているため、低コスト・省スペースで2ノードVxRailを導入できます。また、エッジ向けに開発されたということまおり、強靭で過酷な環境下でも稼働するように設計されています。工場や小売店のバックヤード等、様々なエッジ環境で活躍が見込まれています。

SB C&Sでは早速実機を入手しましたので、引き続き情報を更新していく予定です。是非ご期待ください。

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組み合わせソリューション

外部ストレージまで丸ごと管理!「Dynamic AppsON」

Dynamic AppsONは、VxRailダイナミックノードの新しいソリューションです。ダイナミックノードは外部ストレージを接続することで利用するものでしたが、外部ストレージのライフサイクル管理は従来の3Tier基盤の課題にあるような「別々の管理」が必要でした。

Dynamic AppsONはVxRail 7.0.450から実装された機能で、外部ストレージにDell Technologiesの高性能ストレージであるPowerStoreを接続することで実現します。PowerStoreのLCMをVxRail LCMと統合することで、VxRail LCMひとつでPowerStoreのコンポーネントまでアップグレードできるようになりました。これによって、サーバーからストレージまでend-to-endの管理が実現することになります。

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まとめ

以上、「VxRail とは? ~ 2023年版 ~」ということで2023年現在のVxRailの情報をご紹介しました。この記事だけではご紹介しきれなかったことも多くありますので、引き続き情報発信していこうと思います。弊社が開催しているVxRail関連セミナーも併せてご視聴・ご参加いただけると幸いです。

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著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第1技術部 2課

湯村 成一 - Seiichi Yumura -