みなさんこんにちは。
前回記事に引き続き、今回もCisco Live 2024の速報です。
二日目のKeynoteの内容をご紹介いたします。大きな発表は初回に行われましたので、今回は詳細やCX(Customer Experience)についてがメインでした。
では、さっそく見ていきます。
大筋ですが、「ネットワーク」「セキュリティ」「監視」「データ」をシングルベンダーで実現することができれば嬉しいよね、ということでした。
これを実現するために既存の製品があり、今回のCisco Liveで新たに発表された製品群があり、Splunkの買収があるのだと個人的には思いました。
Hypershieldについて、以下のようにポイントが説明されました。
"Autonomous segmentation"、"Distributed exploit protection"、"Self-qualifying updates"です。
それぞれ日本語にすると「自律的なセグメント化」「分散型の脆弱性保護」「自己診断型アップデート」でしょうか。文脈があるので最適な日本語を当てはめるのは難しいですが、少しでも伝わりますと幸いです。
Splunk社を買収にしたことにより、将来的なSOC(Security Operation Center)の充実を実現できるようになったのだと思います。
XDRだけではなく、SIEMの機能も合わせることによって、より脅威検知をたしかなものにするということです。
そして、それを実現するために下記の三つが必要な要素として挙げられました。
"Access the right data(正しいデータにアクセスすること)"、"Apply the right analysis(正しい分析を適用すること)"、"Accelerate the right actions(正しい挙動を加速させること)"です。
これらにより、"Unified Security and Observability"のプラットフォームはこのように構成されることになります。......が、文字が小さくて読めないかと思いますので、機会があれば資料でご紹介したいと思います。
一つの部分だけではなく、複数の、多面的なポイントをカバーすることで監視は正しく成立するため、Full-stack observabilityが求められます。
そしてここで発表がありました。AppDynamicsとSplunk Observability Cloudの統合です。これにより、Splunkで収集したログはAppDynamicsからダイレクトに確認できるようになり、Splunk IT Service Intelligenceも提供されるとのことです。予定では、カレンダーイヤーのQ3に提供開始のようです。
そして、監視の分野でもAIが投入され、"AI Assistant for AppDynamics"と"Advanced AI in ITSI"が、こちらもカレンダーイヤーのQ3より提供される予定です。
これらの監視アプライアンスは、Azure上でも提供されることが同時に発表されました。
別分野の発表としては、コラボレーション製品についてです。コロナ禍を経て、またオフィスで勤務する形態が返ってきました。ただ、オフィス(環境)側の設備が追い付いていないということが新たな問題として浮上してます。
フリーアドレスの席は全社員分の用意がなく、出社したとしても席の奪い合い......こういった問題は日本でも耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これらに対して、Ciscoは"Distance Zero"を提唱し、上記のような問題を解決し、ユーザーエクスペリエンスの向上を図るソリューションを発表しました。
Ciscoには元々Desk PhoneやBoard Pro G2、Room Bars&Room Kitsのようにオフィスや自宅から仕事をするためのツールがそろっていました。これらをWebex Platform上でAIの力を使うことによってセルフラーニングのContact Centerを構成し、Webexのツール以外とも連携させることで、よりユーザーにとって使いやすいツールとなるようです。
Webexを管理するControl Hubですが、「ThousandEyesとの統合」「Remote Device Access Management(遠隔でのデバイス管理)」も発表されました。
従来のWebexツールやアプリケーションだけではなく、統合されてなおかつAIを利用しているWebex Platformとなることで、ユーザーが働く場所による不便さの解消が期待されます。
今回のCisco Liveの内容は、"データ"と"AI"がキーワードだったのではないでしょうか。どのようにデータを収集して、分析し、うまく利用するか。こういったことが求められ、実現するための製品が今後リリースされていくのだと思いました。
今回のCisco Live速報レポートは本記事で終わりですが、今後の動向も注目です!
では、また次の記事でお会いしましょう!最後までお読みいただきありがとうございました。
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著者紹介
SB C&S株式会社
技術本部 技術統括部 第2技術部 1課
福田 睦