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VMware vSAN 8.0 Update 3 新機能のご紹介

VMware
2024.07.17

こんにちは。SB C&Sの山田です。

この記事は2024年6月25日に提供が開始されたVMware vSAN 8.0 Update 3 (U3) の最新機能について紹介します。

今回のアップデートでは、主にvSAN ESA(Express Storage Architecture)に関するアップデートが多いです。VMware Cloud Foundation 5.2からESAでのストレッチクラスタのサポートや、新しい機能のvSAN Data Protection、管理機能の強化などが対象です。では、具体的にどのような新機能が追加されたのかを紹介していきます。

VMware Cloud FoundationでESAのストレッチクラスタをサポート

VMware Cloud FoundationでESAを使用したストレッチクラスタトポロジが新たにサポートされました。VMware Cloud Foundation 5.1まではESAのストレッチクラスタはサポートされず、OSA(Original Storage Architecture)のみでしたが、vSAN 8.0U3を使用するVMware Cloud Foundation 5.2からはESAでもストレッチクラスタがサポートされるようになりました。これにより、ストレッチクラスタの構成でもESAのメリットを活かすことが可能です。

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vSAN ファイルサービスの拡張

vSAN 8.0 U3では、vSAN ESAクラスタのファイルサービスの機能が拡張され、クラスタあたりの共有数が150%増加し、100個から250個になりました。クラウドネイティブなワークロードや仮想マシン、従来型の物理サーバーへのNFSやSMB共有がサポートされます。これにより、様々なワークロードに対して柔軟なファイル共有機能を提供し、運用の効率化を図ることができます。

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vSAN Data Protection

vSAN 8.0 U3では、vSAN Data Protectionという新しい機能が導入されました。vSAN Data Protectionは、ESAクラスタのローカルに保存されたネイティブ スナップショットを使用し、仮想マシンの保護とリカバリを簡素化し、データ保護と運用の柔軟性を向上させます。ポリシーベースの保護グループ、変更不可スナップショット、ランサムウェアリカバリ機能が含まれ、迅速かつ効率的なデータ保護が提供されます。ここからはvSAN Data Protectionの詳細を紹介していきます。

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ポリシーベースの保護グループ

ポリシーベースの保護グループでは、1 台または複数の仮想マシンのスナップショットをスケジュールリングし、管理することができます。仮想マシンごとに保護ポリシーを設定できるため、異なるワークロードによって特定の保護要件に対応できます。保護グループを作成する手順は難しくなく簡単に作成できます。

動的な仮想マシン名の割り当てもサポートしているため、名前の条件を満たすと自動的に特定の保護グループに追加することもできます。

複数のスナップショットスケジュールを定義して、保護グループ内の仮想マシンの状態を定期的にキャプチャできます。新しいスナップショットがキャプチャされると、保持の設定に基づいて古いスナップショットを削除します。また、手動で保護グループ内の仮想マシンのスナップショットをキャプチャすることもできます。

仮想マシンは最大3つの保護グループに参加可能で、保護グループは最大10個のスナップショットのスケジュールを設定可能です。

データ改変を防ぐセキュリティ機能として、変更不可(イミュータブル)モードが提供されます。保護グループで変更不可モードが有効になっている場合、その保護グループの編集または削除、仮想マシンのメンバーシップの変更、スナップショットの編集または削除を行うことはできません。変更不可モードのスナップショットは、管理者権限を持つ攻撃者でも変更または削除できない、データの読み取り専用コピーです。

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ランサムウェアリカバリ

vSAN Data Protectionは、VMware Live Cyber Recovery(VLCR)と組み合わせて使用する場合、ランサムウェアからの包括的な保護を提供します。

vSAN Data Protectionとの連携に関しては、VMware Live Cyber RecoveryがvSAN Data Protectionを自動的に検出して接続します。これにより、クラウドベースの保護のため特定の時点のスナップショットを取得できます。VLCRは、データをオフサイトで安全に保護し、隔離されたリカバリ環境で仮想マシンを復旧させます。そのため仮想マシンをオンプレミスに復元する前に安全に分析することが可能です。

ランサムウェア攻撃からの迅速なリカバリが可能であり、ポリシーベースの保護グループと変更不可スナップショットを組み合わせて、ランサムウェアからの保護を強化します。

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開発とテストのためのリンククローン

vSAN Data Protectionは、基本的なリカバリシナリオで仮想マシンを保護するだけでなく、スナップショットを使用してリンククローンで迅速かつ、データ容量を効率化して仮想マシンを作成する機能も提供します。そのためユースケースとしては、開発やテスト目的で仮想マシンを作成する際に有効な機能になると考えられます。

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NVMeデバイスの監視機能向上

新たに追加されたストレージデバイスとネットワークの分析機能により、vSANクラスタの健全性とパフォーマンスをリアルタイムで監視できます。診断やトラブルシューティングが容易になり、日々の運用にかかる時間を削減できます。さらに、カスタム閾値のアラームにより、NVMeデバイスの耐久性に関するアラートしきい値をカスタマイズし、特定のクラスタ、ホスト、ディスク ベンダー、または個々のデバイスに合わせてカスタマイズできるようになりました。

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vSAN VM I/Oトリップ アナライザ クラスタ レベル ビュー

vSAN 7.0 U3から登場したvSAN VM I/O トリップアナライザは、仮想マシンのワークロードにおけるパフォーマンスボトルネックの潜在的な原因を特定するためのサービスでした。

vSAN 8.0 U3では、この機能が向上し、複数の仮想マシンで同時にパフォーマンス分析を実行できるようになりました。最大8つの仮想マシンを選択し、それぞれの仮想マシンの分析を迅速に実行できます。なお、vSAN ESAとOSA両方のアーキテクチャで利用可能です。

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おわりに

以上、vSAN 8.0 U3の機能をいくつかご紹介しました。今回の記事では、vSAN 8.0 U3のすべての新機能紹介しているわけではありません。ほかにもいくつかの機能が強化されていますが、注目すべき機能をピックアップしてご紹介しました。

その他の機能については、VMware vSAN 8.0 Update 3 リリース ノート をご確認ください。

著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部
第1技術部 1課
山田 和良 - Kazuyoshi Yamada -

VMware vExpert