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VCF on VxRail とは? 第2回 実践!! VCF on VxRail 構築検証

仮想化
2025.02.17

皆さんこんにちは。SB C&SVxRailのプリセールスを担当しております、湯村です。

本記事では 、「VCF on VxRailとは?」の第2回として、実際にVCF on VxRail構築の様子をご紹介します。

前回にて紹介した構築ステップに従いますが、今回構築したVCF on VxRailは 管理ドメインのみの環境となります。VIドメインを作成する場合は、VIドメイン用にVxRailノードが必要になりますので注意してください。


1. 使用した検証環境

今回使用した環境は以下の通りです。

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2. 必要なファイルのダウンロード

VCF on VxRailを構築するために必要なファイルを、Broadcomのサポートサイトからダウンロードします。必要になるのは「Cloud Builder OVAファイル」「VCF on VxRail用ワークブック」の2点です。Cloud BuilderはVxRail専用ではなく、全てのVCF構築で利用できる仮想アプライアンスです。

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3. Cloud Builder OVA ファイルのデプロイ

まずは、Bring-Upに必要なCloud Builderをデプロイします。今回はVCFを構築するVxRailクラスター上にデプロイしています。デプロイ方法については一般的なOVAファイルのデプロイと同様ですので割愛しますが、ネットワークにはVxRailの管理ネットワークを指定します。また、Cloud Bulider仮想マシンは、FQDNまたはIPアドレスのどちらでも問題ありません。 名前解決させる場合は、既にVxRailシステムが利用しているDNSサーバーを利用できますので、別途準備する必要はありません。

4. VCF on VxRail 専用ワークブックへのパラメーター入力

Cloud BuliderでBring-Upを行うために、ワークブックへ必要なパラメーターを入力します。VCF on VxRail専用ワークブックは通常のワークブックとは異なり、入力する情報が最小限で済みます。基盤となっているVxRailが既にデプロイされている状態であるため、vCenter Server・ESXi・VxRail ManagerといったVxRailの基本情報を利用し、新しく必要になるのはSDDC ManagerやNSXの情報だけです。

以下にワークブックのシート内容を記載しますのでご参考にしてください。

<認証情報>

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<ホストおよびネットワーク情報>

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<デプロイ用パラメーター>

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5. Bring-Up の実行

Cloud Buliderを利用してVCF on VxRailのBring-Upを行います。

ブラウザからCloud Buliderの管理IPアドレスにアクセスし、ログインします。

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プラットフォームの選択では、[VMware Cloud Foundation on Dell EMC VxRail] を選択し、[NEXT] をクリックします。

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要件のリストを確認し、[I have reviewed the prerequisites and ensure my infrastructure is configured appropriately.] にチェックを入れ、[NEXT] をクリックします。

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ワークブックによるデプロイを実行するため、[NEXT] をクリックします。

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 [SELECT FILE] をクリックし、事前に入力済みのワークブックをアップロードします。

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アップロードが完了したら [NEXT] をクリックします。

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設定内容の検証が始まります。途中で以下のような警告が表示され停止した場合は、[Ackowledge] をクリックすることで検証を再開できます。
※ワークブックの設定内容に不備があれば検証は中止されますので、修正してから再実行しましょう。

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検証が完了すると、「Deploy SDDC?」とデプロイの最終確認が表示されますので、[DEPLOY SDDC] をクリックします。

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デプロイが開始されます。正常に完了すると、「Deployment of VMware Cloud Foundation is successful.」と表示されますので、確認したら [FINISH] をクリックします。

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「LAUNCH SDDC MANAGER」をクリックし、ログイン画面を開きます。

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ユーザー名とパスワードを入力し [ログイン] をクリックします。

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6. SDDC Manager デプロイ後にやっておくこと

SDDC Managerをデプロイした後にやっておくべきことは以下の2つです。

6.1. ライセンスの適用

VCF on VxRailに必要なライセンスを追加します。ここで注意する点としては、「vCenter Serverに入力するライセンスキーを新しく用意する必要ある」ということです。

VxRailクラスターを管理するvCenter Serverをクラスター内部にデプロイする場合は、vCenter Serverに組み込まれているライセンスが自動的に適用されるため、vCenter Server用にライセンスを用意する必要はありませんでした。
※VxRail 8.0.310以降は組み込み型vCenter Serverライセンスが撤廃され、Dell OEMライセンスの利用が必須です。ご注意ください。

しかし、VCF on VxRailを構築すると組み込みライセンスをそのまま使用することができないため、予め購入しておいたライセンスを使用してください。 
※現在はVMware Cloud Foundationエディションの中にVCF on VxRail環境を構築するためのライセンスが全て含まれています。

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6.2. デポの設定

VCFのアップグレードを行う際、SDDC Managerが互換性のあるソフトウェアをインターネット経由でダウンロードしてくる仕組みとなっています。このダウンロード先のことを「デポ」と呼びます。

通常のVCFでは「VMwareデポ」に接続するだけですが、VCF on VxRailの場合は「Dellデポ」にも接続できるようになっており、Dellデポに接続しているおかげでVxRailのファームウェアもダウンロードできるようになります。
※デポを登録する際は、それぞれBroadcom Support PortalのアカウントおよびDell Technologiesのサポートサイトにアクセスできるアカウントが必要となります。

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以上、VCF on VxRailの構築方法についてご紹介しました。

VxRailはターンキーソリューションとしても知られています。構築が簡単で、納品されてからシステムを稼働させるまでの時間を短縮してくれます。さらに、VCFを構築する場合は、必要になるパラメーターが最小限で良いため、高い構築スキルが無くても問題ありません。

次回の記事では、VCF on VxRailのアップグレード管理についてご紹介します。

VxRail関連の技術情報はこちら

著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 2課
湯村 成一 - Seiichi Yumura -

Dell Technologies社製品のプリセールス業務を行うエンジニア。
主にVxRail・Azure Stack HCIといったHCI製品を担当している。