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Nutanixのライセンスをおさらい!前編 ~ライセンスの買い方と種類について~

Nutanix
2024.09.27

 こんにちは、SB C&Sの片山です。

 昨今、仮想化基盤におけるハイパーバイザーの再選定や見直しを行う中で、Nutanixに興味を持たれるお客様が増えています。
 本記事では最近Nutanixを知った、またはこれからNutanixを知りたいという方に対して、Nutanixライセンスの基本と買い方、そしてエディションや課金単位についてご紹介します。
 また、後編となる次回の記事では、エントリー向けエディションであるNCI Starterライセンスでどんなことができるのか、またどのような要件がある場合に上位エディションのライセンスが必要なのかご紹介する予定です。

Nutanixのライセンスについて

 まず、Nutanixのライセンス体系についてご紹介いたします。Nutanixは2022年にライセンス体系を一新し、Nutanix Portfolio 2.0というライセンスポートフォリオを発表しています。
 公式サイトを確認すると、NCI、NCMなどいろいろなライセンスがあるため一見複雑に感じるかもしれませんが、分かりやすく説明すると、まずNutanixを利用するうえで基本的に必須となるのがNCIライセンスです。
 Nutanixをファイルサーバー用途のみで利用する場合など一部NCIライセンスが不要なパターンもありますが、Nutanix上に仮想マシンを構築し仮想基盤として利用するほとんどのケースではNCIライセンスが必要となります。
 そしてさらに、Nutanixが提供するファイルサーバー機能やデータベース機能、より高度な運用機能などを利用したい場合にオプションのライセンスが必要となります。このオプションライセンスにあたるのが「NCM」「NUS」「NDL」といったライセンスになります。
EV-license-how-to-buy.png   

 そしてNCIライセンス、NCMなどのオプションライセンスそれぞれにいくつかのエディションがあり、エディション毎に利用できる機能も異なります。
 NCIライセンスのエディションはStarter、Pro、Ultimateの3種類です。Starterが標準機能を備えたエディションで、Pro、Ultimateはより多くの機能を使うことができるエディションとなります。
 また、上記のエディションとは別に、NCI-Edgeという支社等のエッジ環境に適したNCIライセンス、そしてNCI-VDIというVDI用途でNutanixを利用する場合のライセンスもございます。
EV-license edition.png
 さらにNCI-Dataというライセンスがあり、こちらは「AHV」というNutanix社が開発したネイティブのハイパーバイザーの、サポートサービスが含まれていない分、比較的リーズナブルなライセンスとなっています。逆に他のNCIライセンスにはすべてAHVのライセンス(サポート込み)が含まれています。
 Nutanixが対応しているハイパーバイザーは「AHV」と「VMware ESXi」になりますので、ESXiを利用するためAHVの機能が必要ない場合は、NCI-Dataライセンスを選択いただくことで費用を抑えることが可能です。
EV-NCI-Data.png

Nutanixライセンスの課金単位について

 Nutanixライセンスの課金単位はライセンス毎に異なりますが、大きく分けると以下の3種類です。
 ・物理コア数単位→NCI、NCM、NDB等
 ・仮想マシン台数単位→NCI-Edge、NCI-VDI(最大同時起動ユーザVM数)
 ・容量単位→NUS、NDL等

 NCIライセンスは基本は物理コア数単位の課金でとなります。例えば、32CoreのCPUを1台搭載した物理ノードを、3ノード利用したクラスターに対してNCIライセンスを適用する場合、32Core × 3ノード=96Core分のNCIライセンスが必要です。

 また、NCI-Edgeを利用する場合以下の制限があります。
  ・1クラスターあたりの最大ノード数:5台
  ・1クラスターあたりの最大VM数25台
  ・VM毎の最大メモリ割り当て量:96GB
 以上の条件を満たした上で、仮想マシン台数分のNCI-Edgeライセンスを購入する必要がございます。

おわりに

 以上がNutanixのライセンスの基本についてのご紹介でした。今後Nutanixの購入を検討する際のご参考になりましたら幸いです。
 また、本情報は2024年9月時点での情報であり、最新のライセンス体系に関してはメーカーサイトをご確認ください。
 次回の記事では本記事の内容を踏まえ、エントリー向けのNCI Starterライセンスでどのようなことができるのか、上位エディションのライセンスが必要になるのはどのような場合かについて解説いたしますので、ぜひ後編の記事もご覧ください。

著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第3技術部 2課
片山 佑香