
本記事は、VMware Cloud Foundation(VCF)5.2.1のバックアップ・リストア検証を実施した内容を紹介していきます。VCF環境な必要な各コンポーネントのバックアップ、リストア手順の情報をまとめています。
VCF環境では複数のコンポーネント(SDDC Manager / vCenter / NSX Manager など)が密接に連携しており、一部の障害が全体に波及するリスクがあります。そのため、各コンポーネントの正しいバックアップ取得と、確実なリストア手順の理解が非常に重要です。
本シリーズでは、VCF環境のバックアップおよびリストアについて、実環境での検証をベースに5回にわたって解説していきます。
本シリーズの構成(全5回)
第1回 SDDC Manager / vCenter / NSX Manager のバックアップ
主要コンポーネントのバックアップ方法と注意点を解説します。
第2回 SDDC Manager のリストア
VCFの中核であるSDDC Managerの復旧手順とリストア条件について紹介します。
第3回 vCenter のリストア
VCF環境におけるvCenterの復旧手順を、注意点とあわせて解説します。
第4回 NSX Manager のリストア
クラスタ構成前提の復旧やバックアップ整合性の確認方法を解説します。
第5回 NSX Edge のリストア
Edgeノード障害時の復旧手順や、再デプロイ時のポイントを紹介します。
検証環境
本シリーズでは、実際に構築したVCF環境を用いて、各バックアップ・リストアの手順を検証しています。
検証に使用した環境のVCFのバージョンは、5.2.1で、Management Domainと1つのVI Workload Domainで構成されたVCF環境です。
VCF 5.2.1の各コンポーネントのバージョンは以下です。
- SDDC Manager:5.2.1.0
- vCenter:8.0 Update 3c
- ESX:8.0 Update 3b
- vSAN:8.0 Update 3b
- NSX:4.2.1.0
また、DNS/NTP/DHCPサーバーおよびバックアップサーバー、Veeam管理用(VBR)の仮想マシンは、VCFとは分離された別基盤のvSphere環境上に配置しています。
本シリーズでは、SFTPを用いて外部バックアップサーバー(仮想マシン:bk)へバックアップファイルを転送する構成で検証を進めています。
そのため、以下の通り実際の本番環境と近い構成になると考えています。
- 障害発生時でもバックアップサーバーへアクセス可能な構成
- 依存関係の少ない環境で、より実運用に近いバックアップ検証が可能
以下は全体像の図です。
今回は、「VCF バックアップ&リストア実践」シリーズの概要を紹介しました。詳細は各回の記事をご確認ください。
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著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部
第1技術部 1課
山田 和良 - Kazuyoshi Yamada -
VMware vExpert