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【C&S公式Youtube】組織でAI活用したいならまず○○せよ!【第0回データ講義】

AI
2025.08.14

【AI時代の必須教養】なぜ今「データ」が重要なのか?SB C&Sデータサイエンス講座・序章

皆様こんにちは!

SB C&S株式会社 AI推進室の津川と申します!

私は某外資系コンサルでデータサイエンティストとして様々な現場を見る中で

「最新のAIツールを導入したものの、期待したほど活用が進んでいない...」 「データはたくさんあるはずなのに、いざ使おうとすると時間がかかって前に進まない...」

このような悩みを抱えているビジネスパーソンの方々を、非常に多く見かけました。

SB C&Sにおいても、AI推進室でデータサイエンティストとして働いており、その状況はAIが高度に発展した今でも大きくは変わっていません。

そこで、その状況を打開する一手をAI活用を目指す、すべての方に提供すべく、新しいYouTube講座「AI活用のためのデータ講義」をスタートしました。

今回は、本格的な講座の前に公開されたイントロダクション動画の内容を基に、なぜ今データの扱いがこれほどまでに重要なのか、そしてAI時代の大きな落とし穴について、分かりやすく解説していきます。

多くの企業が直面する「もったいない」現実

あなたの職場では、こんな光景を見かけませんか?

  • 「先月の売上データ、誰か持っていませんか?」

  • 「部署ごとにファイルの形式がバラバラで、集計するだけで一日が終わってしまった...」

これは、多くの企業が直面している「データのサイロ化」「散乱化」と呼ばれる深刻な問題です。

【補足】データのサイロ化とは? 部署やシステムといった単位データが孤立・分断され、全社横断でデータを連携・活用できない状態のことです。まるで農場のサイロのように、データがバラバラに貯蔵されている様子からなぞらえてこう呼ばれます。

この状態では、データを分析する以前に、「データを集めて使える形に整える」という作業だけで力尽きてしまいます。

本来であれば価値を生み出すはずのデータ分析やAI活用にたどり着く前に、膨大な時間と労力が失われてしまうのです。これは、非常にもったいない状況と言えるでしょう。

AI導入の前に知るべき「最大の落とし穴」

「そんな面倒な作業も、AIを導入すれば全部解決してくれるはず!」 そう考える方も多いかもしれません。しかし、私はここに「大きな落とし穴がある」と考えています。

AIが本当に価値のある成果を生み出すためには、「質の高いデータ」が絶対に不可欠なのです。

データサイエンスの世界には、「ガーベッジイン・ガーベッジアウト(Garbage In, Garbage Out)」という有名な言葉があります。

日本語に訳すと「ゴミを入れても、ゴミしか出てこない」という意味です。

これは、どんなに優れたAIモデルであっても、元となるデータの質が低ければ、出てくる結果(出力)もまた質の低い、価値のないものになってしまうことを表しています。

例えば、以下のような質の低いデータをAIに与えても、期待する成果はなかなか得られません。

  • 表記ゆれ(例:「株式会社ABC」「(株)ABC」)が含まれる商品データ
  • 入力ミスや重複が多い売上記録

  • 人間には読めるが機械には読みづらい表(いわゆるネ申Excelなど)

他にも社内だけで通じる独特の言葉遣いやあいまいな表現(いつもの手続きに則る、のような記載など)を含むデータは役に立たないどころか、むしろ出力の質を落とす分、害にさえ成り得ます。

つまり、AI活用の時代だからこそ、その成功の土台となる「データを正しく扱い、質を高めるスキル」が、これまで以上に重要になっていると言えるのです。

これからのビジネスパーソンに必須の「教養」とは?

私は、「これからの全ビジネスパーソンにとって、データの扱いは必須の教養である」と断言します。

AIの活用がこれから必須の教養であることは誰もが同意することだと思います。

それは裏を返せば正しいデータの扱いに関するスキルも同時に必須要件となると言えます。

AIを真に使いこなし、ビジネスで成果を出すためには、データを正しく理解し、整理し、活用する能力が不可欠です。

では、具体的に何を学べばよいのでしょうか?

ご安心ください。SBC&SのYouTube講座では、これらの問題を解決する方法を、ステップバイステップで学ぶための講義を発信していきます。

【今後の講座で学べること(例)】

  1. データ整理術: 散らかったデータを効率的に整理整頓するテクニック。

  2. データクレンジング: データの欠損や表記ゆれといった「不備」を修正し、データの質を劇的に向上させる方法。

  3. AIを活用したデータ分析: 最終的には、ChatGPTに代表されるLLM(大規模言語モデル)を使い、実際にデータを分析・活用する実践的なスキル。

まとめ

今回のイントロダクションでは、以下の2点を強調しました。

  • 多くの企業が「データのサイロ化・散乱化」に悩み、データ活用の前段階で疲弊している。

  • AIの性能を最大限に引き出すには「質の高いデータ」が不可欠であり、データスキルこそがAI時代の必須教養である。

この土台となる考え方を理解することが、今後の学びを何倍も有意義なものにしてくれます。

AIという強力なツールを宝の持ち腐れにしないために、まずはその土台となる「データ」と向き合ってみませんか?

本格的な講義は、次回の第1回からスタートします。この機会にぜひチャンネル登録をして、AI時代に必須のスキルを身につけましょう。

著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 先端技術統括部 DXコンサルティング部 デジタルイノベーション課
津川 聡