
■ はじめに
本記事では、Aristaというブランドをまだ詳しくは知らない方向けに、成り立ちと国内外での立ち位置、そして現在の注力分野について解説します。

■ Aristaとは?
Aristaの中核となるのが、独自のネットワークOSである「Arista EOS(Extensible Operating System)」です。EOSはLinuxベースのモジュラーなOSで、デバイスの状態情報、テレメトリ、フロー、アラートなどのネットワーク関連データを活用し、一貫した運用、自動化、可視化を実現しやすい点が特徴です。また、Aristaは「Data-Driven Cloud Networking」という考え方のもと、EOSとNetDL(Network Data Lake)を中心に、ネットワークの状態をデータとして扱い、AI/MLを活用した運用高度化やセキュリティ強化にも取り組んでいます。MicrosoftやMetaをはじめとする大規模クラウド/AI事業者の環境でも採用実績があり、ハイパースケール領域で高い存在感を示しています。

■海外でのシェア・ポジショニング

■ 国内での導入事例と評価ポイント
日本国内においても、クラウド事業者だけでなく、大学や研究機関、一般エンタープライズ企業への浸透が進んでいます。従来のネットワークにありがちな「ベンダーロックイン」を抑制/低減し、独自機能に依存しないオープンで TCO最適化を図りやすいネットワークを構築できる点が評価されています。頻繁に拡張や構成変更が行われる環境でも、マルチベンダー対応と単一OSによる運用効率化は、日本の現場でも評価されやすいポイントとなっています。
国内の公開事例としては、国立研究開発法人理化学研究所 計算科学研究センター(R-CCS)におけるスーパーコンピュータ「富岳」の外部接続ネットワークがあります。同事例では、Arista 7280R3シリーズを活用し、SINET6との400Gbps回線を複数構成し、総帯域1.2Tbpsの大容量接続を実現しています。
研究機関やHPC領域においても、Aristaの高速・高密度なネットワーク製品やCloudVisionによる運用管理が評価されていることがうかがえます。
【引用リンク先】
https://www.arista.com/assets/data/pdf/CaseStudies/Arista_RCCS_CaseStudy_jp.pdf
■ 注力分野、今後の展開
2026年現在、Aristaが主要な注力分野の一つとして位置付けているのが「AIネットワーキング」の領域です。AIの学習ワークロードを処理する大規模GPUクラスタ向けに最適化されたネットワークの構築を進めており、「Ultra Ethernet Consortium (UEC)」の創設メンバーとしても貢献しています。
また、Arista Etherlink AIプラットフォームでは、RDMA-awareな負荷分散や輻輳制御などにより、非最適化の従来型Ethernetシステム比で最大65%の性能向上をうたっています。
今後は、Jericho3やTomahawk5といった次世代の超高速汎用シリコンの採用を進めつつ、AIクラスタ向けの消費電力削減や液冷データセンターへの対応など、次世代インフラの課題解決を牽引していく展開が期待されます。
出典:Arista Networks提供資料
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著者紹介
SB C&S株式会社
技術本部 技術統括部 第3技術部 1課
矢野 隆規
