
はじめに
みなさんこんにちは。SB C&Sの宮尾です。
今回はCrowdStrikeの年次イベントであるFal.conの現地レポートとなります。
前回記事にて、Fal.conの概要と初日に開催されたGlobal Partner Summitに関してご紹介させていただきました。
本記事ではメインのKeynoteを中心にご案内でければと思います。
▼前回の記事はコチラ
【速報!】【CrowdStrike】Fal.conに行ってきた!!その1
■基調講演まとめ
最初はCrowdStrike CEOのGeorge Kurtz氏が登壇し、AI時代のサイバーセキュリティにおけるパラダイムシフトについて話がありました。
AIエージェントが自律的に「推論速度」で侵入・権限昇格・横移動・隠蔽までを遂行するようになった今、従来の「人間速度」を前提にした防御モデルは通用しなくなっています。攻撃が「推論速度」で進行するため、これまでの「ブレイクアウトタイム(侵入から横展開までの時間)」という指標は成立せず、実質「時間ゼロ」の空間で攻防決着するとの事。

このような環境において、今回のKeynoteで解決すべき(達成すべき)キーワードとして示されたのが、次の3つ
- "Visibility" (可視性)
- "Control" (制御)
- "Prevention/Deterrence" (抑止)
これらを実現するために、CrowdStrikeから数々の強力なソリューションとパートナーシップが発表されました。
・新たな攻撃対象領域への対応:Falcon Guardian
AIが「新しい戦場」となった現状に対し、CrowdStrikeはAI検知・対応を提唱し、新製品「Falcon Guardian」を一般提供(GA)として発表しました。
企業内で無秩序に利用されがちな「シャドーAI(AIエージェント)」を自動で発見・マッピングし、インタラクティブなUIでリスクの全体像を瞬時に可視化します。
最大の特徴は、プロンプト層の活動(エージェントに何を命じたか)とOS層の実行(実際にシステム上で何が行われたか)を単一のタイムラインとして連結する「エージェントグラフ」、これにより単一レイヤーでは見逃されてしまう微細な兆候を交差照合で検知し、安全なAIの導入・運用(AIランタイム・セキュリティ)を支援します。
CrowdStrikeのリリース記事もございますので以下ご確認ください。
また、従来まで提供されておりましたAIDRは2026年11月30日にEOSを迎えます。新しく発表されたFalcon Guardianにて既存のAIDRの機能が利用できるとの事です。
CrowdStrikeからテックアラートがリリースされておりましたので、詳細を知りたい方はご覧ください。
※CrowdStrikeご利用ユーザーさまのみ閲覧可能
※すでにAIDRをご利用のお客様はAIDR同等の機能を含むGuardianが利用できるようになります
Falcon GuardianのUI画面を一部入手いたしました。
ハザードマップのようなUIが、個々のAIエージェントで脅威検知の重大度によって色分けされております。

実際の検知画面では、ユーザーが実行したAIサービスから自律的に動作しているAIエージェント、AIエージェントを経由してアクセスした社内リソースや実行されたSkillsなどをプロセスツリーでマッピング、脅威となった挙動が検知した際は対処を行うとの事です。

こちらが本日のKeynoteにて発表された際の写真でございます。
・防御者のためのFrontier AI:CrowdStrike Cyber Superintelligence LabとFalcon Safemind
防御側がAIによる高速な攻撃に対抗するための強力な武器として、サイバーセキュリティ初の「完全なエージェンティック・システム」である「Safemind」が発表されました 。
そして、CrowdStrikeが新たに設立した「CrowdStrike Cyber Superintelligence Lab」が、NVIDIAと協働して構築したシステムです。
- Blue Solano(防御モデル):15年分の侵害阻止データで訓練された、検知・分析・対策を機械速度で遂行する防御特化モデル
- Red Tempest(攻撃モデル):高度な攻撃シミュレーションと継続的なレッドチーミングを行う攻撃モデル
Safemindの最大の特徴は、「デジタルツイン上での攻撃と防御の相互対応」にあります 。Red Tempestが新しい侵入経路を見つけると、その痕跡をBlue Solanoが即座に学習して防御ロジックを強化し、Redがさらに別の経路で挑む......という自動対戦ループを繰り返すことで、実攻撃に対する防御カバレッジを持続的に増強し続けます。
こちらは写真とCrowdStrikeがリリースされている記事のみとなりますがご覧ください。
▼CrowdStrike Establishes Cyber Superintelligence Lab, Bringing Frontier AI Research to Cyber Defense for the First Time


テック企業たちとの強力なパートナーシップ
後半には、業界を代表するテック企業とのディスカッションセッションがございました。
1. NVIDIA ✕ CrowdStrike(AI防衛エコシステム)
George Kurtz氏とNVIDIAのJensen Huang氏が登壇し、前述の「Safemind」共同開発に関する話がありました。NVIDIAのオープンウェイトモデル「Nemotron」を基盤とし、CrowdStrikeの脅威データでファインチューニングを行うことで、サイバー防衛に特化したスーパーインテリジェンスを共創したことが強調されました。
▼CrowdStrike Launches Frontier Models for Cybersecurity, Created with NVIDIA
2. Intel ✕ CrowdStrike(シリコンからの防御)
IntelのLip-Bu Tan CEOが登壇し、George Kurtz氏とCrowdStrike CBOのDaniel Bernard氏とのディスカッションセッションがございました。
セキュリティはシリコンから始まるという持論を展開 。チップに内蔵された保護メモリや「ルート・オブ・トラスト」、機密計算などのハードウェア機能を、CrowdStrikeのセキュリティプラットフォームが起動からランタイムまで一貫して活用することで、高い保護性能とエンドポイントのパフォーマンスを両立させます。
またCrowdStrikeとIntelはR&Dレベルで連携し、長いリードタイムを要するチップの要件を早期から共同検討、公共エージェントアクセス制御やハードウェア支援ガードレールなど、ハードとソフトが一体となった新機軸の安全性を探索するとのディカッションがされておりました。
3. OpenAI ✕ CrowdStrike(フロンティアモデルを防御に活かす)
OpenAIの共同創設者であるGreg Brockman氏が登壇。こちらもGeorge Kurtz氏とDaniel Bernard氏とのディスカッションセッションでございました。自律的なAIエージェントによる侵入の教訓から、防御側もAIで同じ脅威を先回り発見し、パッチを適用する時間的優位を持てる。いま防御者がエージェンティックなツールと高度モデルを実運用に投入し、インフラ強化に活かすことが肝だと訴えました。
また、George Kurtz氏は、「選択の自由」を重視しフロンティアモデル、CrowdStrike独自モデル、オープンソースモデルを適材適所で組み合わせる方針を明言。OpenAIのモデルをCrowdStrikeプラットフォームに統合し、既収集の脅威データと安全に接続することで、防御者が最高のAIを実務に即投入できる環境を整える方針を明言しました。
最後に・・
今回はFal.con 2026に関して初日のKeynoteの内容を中心とした速報記事でございました。
AIエージェントが何万も自律的に動作するような「ゼロトラスト・エージェント環境」を見据え、ハードウェア、プラットフォーム、およびフロンティアAIが一体となった「分断のない」防御がいよいよ現実のものとなってきています。
今回発表されたFalcon GuardianやSafemind、今後発表されるかもしれない情報に関して、弊社でも検証できるタイミングがありましたらご共有させていただければと思います。
次回もDay2、Day3のKeynoteの内容を中心に投稿させていただきますのでお楽しみください!
ここまでご覧いただきありがとうございました~!
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著者紹介
SB C&S株式会社
技術本部 技術統括部 第4技術部 1課
宮尾 優一
