働き方改革のための Windows 10活用
Windows 10 PC管理の新たな課題やモバイル利用時のセキュリティは「 Workspace ONE」で解決
Windows 10 PC 管理の新たな課題を解決する方法としてヴイエムウェアが提唱しているのが、「Windows PC をクラウドから管理する」という方法。それを実現するのが「VMware Workspace ONE」だ。
「VMware Workspace ONE は多くの導入実績があるモバイル管理の仕組みである『VMware AirWatch』の機能を内包し、スマートフォンやタブレットなどのモバイルデバイスからWindows PC まで一元管理を提供します。Windows 10 PC をスマートフォンのように管理できるので、万が一の盗難紛失時のロックや企業情報ワイプはもちろんのこと、デバイスの稼働状況やインストールされたアプリケーション、パッチ適用状況などリアルタイムで把握できます。新たな課題であるWindows 10 PCの配布では、PCのセットアップを半自動化し、VMware Workspace ONEから企業で必要なWindows 10 設定情報を展開でき、exe形式のアプリケーション配信も可能なので、イメージ管理の負担を軽減します」(安藤氏)
「クラウド管理のメリットはインターネットに接続さえしていれば制御できるという点です。例えば、これまでは社内ネットワークに接続された環境でなければできなかった把握や制御が、VMware Workspace ONE を利用することで可能になります。社外に持ち出されるPCも社内と同じようにセキュリティアップデートを最新状態に保つことができ、結果的にセキュリティリスク軽減につながります。さらに高度なセキュリティ対策として、『Windows InformationProtection』の機能を利用し企業アプリケーション間と個人アプリケーション間のデータ制御にも対応できます。全社標準のガバナンスを一元管理し適用できることは企業IT にとって大きなメリットになるでしょう」(増田氏)


アプリケーション互換性の問題は 「VMware ThinApp」で解決
増田氏は、そもそもWindows 7 からWindows 10 への移行時におけるアプリケーション互換性の問題こそが、今後のクライアント戦略を考える上での最大の課題だと指摘する。
「それまでWindows 7 で利用してきた業務アプリケーションがWindows 10 へ移行したことで、正常に動かなくなるという問題が多く出てくると予想しています。特にWindows 10 は基本的に最新版の『Internet Explorer』(IE)のみをサポートするため、これまで古いバージョンのIEで動作してきたWebアプリケーションは最も大きな影響を受けるでしょう」(増田氏)
Web 関連技術群「ActiveX」を使って実装したアプリケーションは、特に要注意だ。旧来の環境で開発したActiveX アプリケーションの場合、最新バージョンのIE だと正常に動作しない可能性が高い。しかし、そうやって古いバージョンのIEとの組み合わせでこれまで長らく運用してきた膨大な数の社内アプリケーション資産を、一気に改修するとなると、かなりのコストと労力を要することは明らかだ。
そこで増田氏は、ヴイエムウェアが提供するアプリケーション仮想化製品「VMware ThinApp」の活用を推奨する。


「VMware ThinApp を使えば、たとえ古いバージョンのOSとIE の環境に依存していたアプリケーションでも、実行環境を丸ごと仮想化することで最新のOS に展開し、今まで通りに稼働できます。SB C&S では、Windows XP からWindows 7 への移行案件でVMwareThinApp を使ったアプリケーション仮想化を数多く手掛けてきたため、Windows 10 への移行でも同じ課題を抱える企業の力になれると信じています」(増田氏)
後編ではこのようなWindows 10環境に企業がスムーズに移行し、効率化や働き方改革を実現するためのポイントを解説しよう。
従来の手法は通用しない? Windows 10を最大限に活かす“プラスワン”とは?
「Windows 10」登場で働き方の変化や生産性向上が期待できる。
しかし、同時にマルチデバイス環境における管理やセキュリティの課題も浮上。解決策を探る。
これまでも、そしてこれからも企業のクライアント環境を支え続けていくであろうWindows。そんな「誰にとってもおなじみのWindows」が、2015 年7 月に登場した「Windows 10」で大きなイメージチェンジを遂げた。これまでWindows といえば「クライアントPC 用のOS」というイメージが強かったが、Windows 10 は明確にマルチデバイス対応を掲げ、モバイルデバイスにおける利用を強く意識したOS に生まれ変わった。
それと同時に、製品のライフサイクルに対する考え方もWindows 10 では大きく様変わりした。これまでは、ある特定のバージョンのWindows を導入し、そのバージョンのサポート期間が切れる前に次のバージョンのWindows に移行し、さらにそのバージョンのサポート期間終了が迫ってきたら次期バージョンへの移行を検討し……というライフサイクルを回すのが通常だった。しかしWindows 10は「進化し続けるOS」を掲げ、間を置いて大規模なメジャーバージョンアップを行うのではなく、細かなアップデートを繰り返しながら進化し続けるという。
このように、あらゆる面でこれまでのWindows とは根本的な性質を異にするWindows 10。まだこれを全面的に導入している企業は少ないかもしれないが、遅かれ早かれほとんどの企業がWindows 10へ全面移行することになるだろう。そのとき企業は、一体どんなメリットを享受できるのだろうか。またWindows 10 導入に当たってはどんな課題が存在し、そしてそれをクリアするにはどんな方法があるのだろうか。
エンドユーザーコンピューティングの概念を大きく変える
1980 年代終盤、オフィス内に爆発的に広がったパーソナルコンピュータ。それから“30 年” たった今……。Windows10 は、これまでの「クライアントPC のOS」という従来のWindows の概念を打ち破り、“Windows as a Service” という、全く新しい概念を取り入れた。
絶えず進化し続けるテクノロジーの出現によって、驚くほどのスピードで、私たちは今“ いつでも、どこでも、気軽に”コンピュータにアクセスできる手段を手に入れた。それらは、単にIT の進化という枠を超え、企業の成長に欠かせない重要なファクターが“IT イノベーション”になったといえる。
一方で、日に日に増すセキュリティ脅威に立ち向かうためには、これまでの延長線上のアプローチではなく新しいアプローチが必要だ。Windows 10 は、これまでにないセキュリティレベルを実現し、モバイルとセキュリティを両立させることが可能なソリューションであり、このことの持つ意味は大きい。
加えて、今さら紹介するまでもなく、社員の生産性を向上させたり、在宅勤務やサテライトオフィス勤務といった新たなワークスタイルを促進したりするなど、働き方改革を経営課題にする企業も少なくない。

そこで重要になってくるポイントの1 つが、デバイスの選定だ。デルのクライアント・ソリューションズ統括本部 クライアント製品本部 フィールドマーケティングマネージャー飯塚祐一氏は以下のように述べる。「働き方改革を目指すお客さまから、軽量・薄型でかつパフォーマンスの高いモバイルデバイスのお問い合わせを多く受けています。しかし弊社では、お客さまのワークスタイル変革をお手伝いする際に、ユーザーを7つのタイプに分けて考えることを推奨しています(参照:働き方改革を支援するデルの7 つのメソッド)。そして、さまざまなユーザーのニーズにあった、最適なWindows 10 搭載のデバイスが提案できるように、充実したラインアップを取りそろえています」
デルの強みは「充実したラインアップ」と「 利便性と安心の両立」
「Windows 10 搭載の2-in-1」をうたった製品はデル以外のメーカーからも多数リリースされているが、飯塚氏によればデル製品は、多くの面で他社製品とは一線を画すという。

「デルは全世界の企業ユーザーと積極的に対話を行い、さまざまな利用シーンを想定した最適なデバイスのあり方を模索しています」(飯塚氏)
そのデルの製品の中でも、モバイルに特化したユーザーには「New Latitude 5285 2-in-1」がお勧めだ。シャープでスタイリッシュな、この2-in-1 は、キーボード装着時でも1.196 キロから、キーボードを取り外すと860 グラムからという軽さ。もちろん、いたずらに軽いだけでなく、米国防省の調達規格にも準拠する高い堅牢性と耐久性、強固なセキュリティ機能、大規模運用に適した管理機能、長時間のバッテリー駆動といった、企業ユースに最適化されたデバイスに仕上がっている。さらに、SIM を使えばWi-Fi が利用できない場所でもネットワークを利用可能で、利便性向上に大きく貢献する。
そして、何より充実したサポート体制は、デルが最も力を入れているポイントの1 つだ。万一製品が故障した場合でも、迅速な対応でデルの技術者が現場へ行き、オンサイトでパーツ交換などを行い修理できる体制を整えている。「これらを高く評価いただき、Latitude を導入する企業が増えている」とデル飯塚氏は語る。
その評価を裏付けているのが、「日経コンピュータ」(2016 年9 月15 日号)に掲載された顧客満足度調査の結果だ。デルはその「ノートPC 部門」で第1 位を獲得した。
アプリケーション環境の多様化も課題に
こうしてエンドユーザーは、多様なデバイスをシーンごとに使い分けながらも、Windows 10 を通じて同じユーザー体験を得られるようになる。加えて「デバイスだけでなく、デバイスを通じて利用するアプリケーションも多様化しつつあります」と指摘するのは、ヴイエムウェアのソリューションビジネス本部 エンドユーザーコンピューティング推進 シニアプロダクトスペシャリスト 安藤妙子氏だ。
「これまでのオンプレミス型の業務アプリケーションに加えて、クラウドアプリケーションやモバイルアプリケーション、仮想デスクトップなど、エンドユーザーは実に多様なアプリケーションを使い分けるようになります。これらに対して、多様なデバイスから時間と場所を選ばずアクセスできること。これが今、多くの企業がIT に対して期待していることです」
こうした世界を実現するには、OSやデバイス、アプリケーションなど、個別のコンポーネントを最適化するだけでは十分でない。これら全体を網羅するプラットフォーム技術がどうしても必要になってくる。ヴイエムウェアでは、こうした技術を「デジタルワークスペース」というコンセプトで定義し、広く提唱しているという。
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