ストレージクラスメモリとは?
従来、コンピューターに搭載されるメモリには、CPUキャッシュメモリ、DRAMによるメインメモリの他に、ストレージとして利用されるNAND型フラッシュメモリ(SSD)がありましたが、半導体技術の向上により、アクセス時間短縮の恩恵を受けたDRAMとSSDの性能差を埋めるため、注目されているのが「ストレージクラスメモリ」です。
ストレージクラスメモリは、DRAMと比べると安価で大容量でありながら電源が切られてもデータが消えない特性(不揮発性メモリ)を持ち、従来のNAND型フラッシュメモリと比べて高速で書き換え保存回数が多いことから、「DRAMとNAND型フラッシュメモリの良いところ取り」と言えます。
2019年4月には、インテル社が「3D XPoint(スリーディークロスポイント)」テクノロジーを基に、DRAMと同じDIMMのインタフェースに対応したNVDIMMとして、「Intel Optane(オプテイン) DC Persistent Memory」を発表しています。
ストレージクラスメモリの利用
ストレージクラスメモリには大きく分けて2つの利用方法があると言われています。
1つは先に述べたとおりDRAMとNAND型フラッシュメモリの性能差を埋める大容量のメモリとして、「DRAM(キャッシュ用途)→SCM(メインメモリ)→NAND型フラッシュメモリ」のように階層的に利用する方法です。
もう1つはOS(オペレーティングシステム)にSCMをストレージデバイスとして直接的に見せることで、アプリケーションデータの格納先として利用する方法です。VMware vSphereにおいてもvSphere 6.7からNVDIMMの搭載をサポートし、仮想デバイスとして仮想マシンへのリソース割り当てが可能となりました。
今後、リアルタイム性を求める処理としてインメモリデータベースを提供するシステムや、IoTデバイスで収集した情報を処理するエッジコンピューティングの基盤としての利用などが期待されます。
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著者紹介
SB C&S株式会社
C&S Engineer Voice運営事務局
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