はじめに
こんにちは、SB C&Sの友松です。
この記事では、NutanixのコアソフトウェアであるAOSのバージョン「6.0(STS)」の情報をお届けします。AOS 6.0は2021年6月中旬にリリースされており、これまでの世代が初めてリリースされて以降、数年ぶりのメジャーバージョンアップとなります。
現在は、LTSバージョンである「5.15」や、2021年5月にリリースされた「5.20」が一般的に利用されるかと思います。しかし、
※この記事は、Nutanixのリリースノートをもとに作成しておりますので、ご確認ください。(My Nutanixアカウントが必要となります)
AOS 6.0で追加された主な新機能
今回は、AOS 6.0で新たに追加された新機能について、いくつかピックアップして紹介します。
◇リビルドキャパシティの予約
ノード障害時などにおけるリビルドのためのストレージ容量を、Prismから明示的に予約できるようになりました。この機能によって、ストレージ使用量の超過を防ぎ、障害発生時に冗長性を回復するための容量をことが可能となります。
Prism画面で「Reserve Rebuild Capacity」にチェックを入れることで、リビルド容量を予約できます。
Prismのホームダッシュボード画面では、クラスターのストレージ空き容量として、予約した容量が削除されて表示されるようになります。予約を有効化した場合、リビルドのための許容量を超えるストレージへの書き込みは不可となります。
◇リビルド進捗バーの追加
ノード障害時などにおけるリビルドの進捗状況がPrismから視覚的に確認できるようになりました。この機能によって、管理者や保守員は障害発生時の冗長性の回復ステータスをより的確に確認できるようになります。
今回の機能追加では、追加ノードのイメージングのみの処理を、PrismのExpand Cluster画面から実施できるようになりました。この機能によって、Foundationツールを準備する手間を省きつつ「事前のイメージング処理」と「クラスターへのノード追加処理」を別々に実施することができるようになります(パターン③)。
追加ノード数が多い場合、パターン①のようにケースもありますが、今回のアップデートでは、作業を分離した場合でもPrismからの操作で全て完結できるようになったイメージです。
実際の画面では、Expand Clusterを起動後「Prepare Now and Expand Later」にチェックを入れると、検出した新規ノードに対してイメージング処理のみを実施できます。
◇AHVクラスターでのvGPUを備えたVMのADSサポート
AHV環境においてvGPUを備えた仮想マシンのADS(Acropolis Dynamic Scheduling)がサポートされました。この機能によって、vGPUを実行している仮想マシンにおいても、クラスター内のリソースの負荷分散のために、自動で別のノードへライブマイグレーションさせることができるようになります。
ちなみにADSとは、AHVクラスターにおいてノード間のリソース負荷分散のために、仮想マシンを他のノードへ自動的にライブマイグレーションしてくれる機能のことです。AHV環境におけるvGPUを備えた仮想マシンのライブマイグレーションのサポートについてはこちらの記事でも触れておりますので、併せてご確認ください。
◇AHVホストのSwitch Port Analyzer(SPAN)
AHVホストの物理NICのインバウンドやアウトバウンド、または双方向のトラフィックを特定の仮想マシンのvNICへミラーリングできるようになりました。この機能によって、ポートを流れるパケットを可視化できるため、セキュリティの分析やトラブルシュートにも役立てることができるようになります。
AHVのSPANでは、基本的にのアップリンクボンドポートをSPANの送信元ポートとして使用します。チーミング(ボンディング)メンバーに参加している物理NICのうち、片方のポートのみをミラーリングすることは非サポートとなっています。
◇Prism Centralの
を監視できるようになりました。この機能によって、の監視や、作成したレポートのダウンロードなどができるようになります。
まとめ
この記事では、2021年6月にリリースされたAOS 6.0(STS)ファミリーの新機能を紹介しました。今後は、世代に新機能が続々と追加されて、将来的にはLTSとしてリリース
今後もAOSアップデートについて情報を発信していく予定ですので、ぜひまた当ブログへ情報を収集しに来ていただければ幸いです。
◇Nutanixのリリースノートは以下リンクをご参照ください。(My Nutanixアカウントが必要となります)