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【Onshape】開発背景:フルクラウドCADで何を変えたかったのか

CAD
2021.09.14

みなさんこんにちは、羽根です。

日々、エンドユーザやパートナー様など、多くの方にOnshapeのご紹介をしていますが、最近Onshapeを理解して頂く一番大切なポイントは開発背景だと感じています。そこで、本日はフルクラウドCADが開発された背景をご説明させて頂きます。


■フルクラウドCADの開発背景

元SolidWorks創設者兼CEOのJon Hirschtick氏が中心となりOnshapeは開発されました。Jon Hirschtick氏は様々なところでインタビューを受けているのですが、私なりにまとめると下記にあげるような、「インストールベースのCADでは解決が難しい課題」を解決するためにOnshapeを開発をされたようです。

課題1:ソフトウェアのインストール

ほぼ全てのCADは利用する為にインストールが必要です。WordやExcelのようなソフトウェアであればインストールも簡単ですが、CADは多くの設定が必要です。又、ソフトウェアのバージョンが異なるとデータの互換性に問題が発生する場合があるため、事前にCAD管理者は動作検証を行い、一斉に置換えを行うなど、バージョンアップが数年おきの"大仕事"になっているユーザも非常に多いのが実情です。

課題2:デバイスの制限

3D CADはグラフィックカードが搭載されたワークステーションでなければ満足に操作する事は出来ず、設備投資が必要になります。又、3Dモデルをスマートフォンでただ見るだけでも軽量データへの書き出しやデータの共有に手間がかかります。

課題3:データのコピー

多くのCAD利用者は1人で作業を完結する事は出来ず、離れたメンバーや、社外取引先と協力が必要な方も多いのではないでしょうか。仮にPDM/PLMを導入しデータを管理していたとしても、共有するタイミングでコピーしたデータのやり取りをするとデータが分散し、最新のデータに常にアクセス可能な環境は難しくなります。時には最新のデータがどれか分からない、探すのに時間が掛かると問題を抱えている人も多いのではないでしょうか?

■フルクラウド3D CAD "Onshape"の4つの特長

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特長1:インストールもバージョンアップも不要

クラウドサービスなので、アカウントを払い出し、ブラウザでアクセスするだけで直ぐに利用を開始する事が出来ます。常に最新版に保たれているので、ほぼシステム管理者レスの運用が可能です。(ユーザカウントの管理とログのチェック程度)

特長2:マルチデバイス対応(=オフィスマシンで充分)

対応デバイスは多岐にわたり、Windows、MAC、ChromeBook、iPhone、iPad、Androidなど、多くの端末から利用が可能です。全ての3Dの演算処理(負荷のかかる処理)は全てサーバ側で行う為、オフィス用PCは勿論、スマートフォンからもスムーズに動作可能です。

特長3:クラウドでデータ管理&PDM内臓

常にクラウド上で全てのデータを管理し、外部取引先に共有する場合もデータはコピーせず、クラウド上のデータにアクセスをして貰います。これにより、データが分散することはありません。セキュリティ面に不安があるとおお問い合わせも頂きますが、外部取引先に送ったデータが本当に安全に管理されているかを確認する術はありません。Onshapeであれば「いつ、だれが、どこからアクセスをして、何をしたのか」まで全てを管理できるのでセキュリティは上がると考えています。

特長4:チーム設計を円滑にするコラボレーション機能

3つの課題とは少し離れますが、クラウドの特長を生かした、遠くにいる人とのチーム設計を円滑に行える機能も豊富に揃っています。(リアルタイムでのデータ共有、同時設計、コメント、画面共有など)

いかがでしたでしょうか?ご覧の通り、既存のインストールベースのCADでは解決できない多くの課題を解決する、全く新しいコンセプトの3D CADだという事がご理解いただけたのではないでしょうか。それぞれの項目の詳細については今後、別の記事としてアップデートさせて頂きます。


<フルクラウド3D CAD Onshapeに関するおススメ情報>

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著者紹介

SB C&S株式会社
クラウド・ソフトウェア推進本部
CAD&ドローン&AR事推課
羽根 隆嘉