みなさま、こんにちは。
SB C&Sで仮想化製品のプリセールスエンジニアを担当している、稲葉です。
さてこのシリーズも本編で3回目となりました。
今回は2021年9月にリリースした、VxRail7.0.240における初期構築画面をご紹介したいと思います。
これまでの記事を確認されたい方はこちらをどうぞ。
1. 環境とソフトウエア
あらためまして、今回検証で使用した環境は以下の通りです。
<ハードウエア>
- サーバー:VxRail E560F 3台
- スイッチ:Networking S4128T
<ソフトウェア>
- VxRail:7.0.240-27047874
(ESXiは「7.0 U2c 18426014」、vCSA は「 7.0 U2c 18356314」が該当します。)
詳細はVxRail Support Matrixをご覧ください
- Dell EMC Network Operating System:10.4.3.4
<構成イメージ>
- VxRailはvSAN同様、推奨構成は4台(4ノード)からとなりますが、今回はVxRail 3台(3ノード)での初期構築を行います。
(VxRail 3台構成の場合、1ノードダウン時にデータの二重化が行えなくなる制限はありますが、動作としては問題ありません。)
- 操作用PCは初期構築完了後は不要となります。
- 上記のイメージではiDRACを10Gスイッチに接続していますが、1Gスイッチ接続でも問題ありません。
- VxRailには「2ノード」という構成方法もありますが、vCenter Serverライセンスを別途購入する必要があったり、事前にWitnessと呼ばれる仮想アプライアンスとvCenter Serverを3台目のESXiホストに配置する必要があるなど、結果的にVxRailによる自動化のメリットを十二分に活かしきれないため、単体でVxRailを構成する場合は、 3ノード以上がお勧めとなります。
2. 初期構築前の準備
VxRailの初期構築はVxRailに標準搭載されているVxRail Managerを使用します。
操作としてはウイザードに沿って進めるだけで、自動的に構築してくれるとても便利な機能です。
仮に通常のvSAN環境による仮想基盤の構築では、一つ一つの物理サーバーへのESXiインストール、vCSAをデプロイ、vSANの有効化、といった手動の作業が必要になります。
これらの初期構築作業をVxRailを使用することで自動化できる点は、VxRailならではのメリットの一つと言えます。
それではまず、VxRailをオンプレミスで初期構築するための前準備を簡単にご紹介していきます。
実際に初期構築される場合は、VxRailのハードウエアやVxRailのバージョンにより操作手順が異なる場合がありますので、詳細に関しましてはDell Technologiesがパートナー向け公開しているSolve Onlineの手順書を必ずご確認ください。
準備1)初期構築用の操作用PCを準備
VxRail Managerをブラウザー経由でアクセスするための端末を準備します。
操作用PCは192.168.10.200/24以外のIPを設定します。(VxRail ManagerのIPが192.168.10.200で初期設定されるため)
使用するブラウザは、最新のGoogle Chrome、Firefox、Internet Explorer10以降がサポートされています。
準備2)VxRail外にDNSを準備
VxRail構築にあたりDNSが必要になります。
検証環境であればVxRail ManagerにDNSの機能を含めることができますが、本番環境ではVxRail外部にDNSを配置することが推奨されます。
また、VxRailは初期構築時に、以下の名前解決が必要になりますのであらかじめ、DNSにレコードを追加しておきましょう。
・各ESXiホスト
・vCenter Server Appliance
・VxRail Manager
準備3)VxRailと操作用PCを設置&配線
各VxRailノード、ネットワークスイッチ、操作用PCを設置し、配線を行います。
準備4)VxRailと接続するネットワークスイッチポート設定
本環境ではVxRailノードと接続する10Gのネットワークスイッチポートはトランクに設定。
デフォルトVLAN(管理用)、vMotion用VLAN、vSAN用VLAN、そしてノード探索用のVLAN3939、業務用のVLANを許可し、複数のVLANが流れるよう設定します。
iDRACポートと接続するネットワークスイッチ側のポートは複数のVLANを流す必要がないためアクセスポートとして使用します。
<設定イメージ>
準備5)iDRACのネットワーク設定
iDRACの設定はVxRailの初期設定ウイザードに含まれません。
そのため、個別で各ノードのiDRACに対してIPアドレスなどのネットワーク設定を行います。
準備6)サーバーの電源投入
iDRACのネットワーク設定完了後、iDRACもしくはハードウェアの電源ボタンよりVxRailノードの電源を投入します。
準備7)操作用PCからVxRail Managerへ接続
ESXi起動後、操作用PCからVxRail ManagerのIPアドレスにブラウザよりアクセスします。
※「192.168.10.200」を変更することも可能です。変更する場合はVxRail ManagerにSSH接続し以下のURLのKBに従うことでIPアドレスを変更することができます。