パッと手軽にPure Storageの特長を掴みたい。
そんなあなたのために、Youtubeで「5分で理解(わか)る、FlashArray!」動画シリーズを公開中です。ぜひこちらも合わせてご覧ください!
==========以下本編==========
こんにちは、SB C&S 中田です。
みなさまは「Pure Storage」という会社をご存知でしょうか?
今回は「ゼロからわかるPure Storage」と題しまして「そもそもPure Storageってどんな会社?」「どんな製品ラインアップがあるの?」といった基本的な部分を中心にご紹介します。
Pure Storageとは
Pure Storageは、2009年にオールフラッシュストレージ専業のベンダーとしてシリコンバレーのマウンテンビューにて設立した会社です。
設立当時、フラッシュデバイス自体は存在はしていたものの高価な存在であり、ストレージを構成するデータ保存用デバイスはHDDがほとんどでした。
しかし、サーバー仮想化技術の浸透やアプリケーション自体の要求リソースの増加に伴い、フラッシュストレージの需要が高まってきた時代でもありました。
Pure Storageはこの時代背景を汲み取り「価格を抑えて、より広くフラッシュストレージを普及させること」を追求してきたベンダーです。この理念のもと容量単価を抑えたオールフラッシュストレージを提供するため、その製品には非常に効果の高いデータ削減機能やデバイスを長寿命化する仕組みが備わっています。
上記のようにストレージアプライアンスの販売から始まったPure Storageですが、現在ではクラウドやコンテナといったところまでその製品領域を広げています。以下ではその製品・サービスのラインアップについてご紹介します。
製品・サービスラインアップ
FlashArray
黒系統色をベースにオレンジのロゴの特徴的なベゼルを持つ製品が、Pure Storageを代表する製品「FlashArray」です。
FlashArrayは、iSCSI / FC / NFS / SMB に対応したオールフラッシュのストレージアプライアンスです。
フラグシップモデルとなっている「FlashArray//X」シリーズを中心に、上位モデルの「XL」シリーズ、容量モデルの「C」シリーズ、超大容量モデルの「E」シリーズといったラインアップが販売されています。
これら全てにPure Storageが開発したストレージOS"Purity//FA"が搭載されています(単にPurity、と記載されることもあります)。
各シリーズの中でもさらに複数のコントローラーモデルがありますが、各コントローラーモデル間での差異は基本的に性能や搭載可能容量といった部分のみです。全てにPurity//FAが搭載されており、機能的差異はほとんどありません。そのため、コントローラーによるパフォーマンス向上が可能となっています。また全ての機能が追加のライセンス費用なしで利用可能です。
詳細なハードウェアスペックに関してはメーカー資料をご覧ください。
FlashArray//X
利用用途ですが、Xシリーズ、XLシリーズは高いパフォーマンスの求められるワークロードでの利用が主となっており、仮想化基盤やデータベースが挙げられます。
一方Cシリーズは、Xシリーズほどのハイパフォーマンスは必要ないものの大容量が求められるワークロードなどに用いられるケースが多くなっております。
またEシリーズはハードディスクの置き換えを目的としており、アーカイブやログ保存ほか、従来HDDで利用されていた環境へ導入されるケースが多くなっております。
FlashBlade
FlashArrayとは対称的に、白やグレーをベースにオレンジ色のロゴのこちらがFlashBladeです。
FlashBladeはNFSv3,v4.1 / SMB / S3 に対応したファイル/オブジェクトベースのストレージです。ストレージOSとしてはこちらもPurityが動作しますが、FlashArrayに搭載されているPurity//FAとは異なるため、差別化する意味合いで"Purity//FB"と呼ばれます。こちらに関しても機能の利用に追加のライセンス費用は必要ありません。
ハードウェア上の大きな特徴として、Flash "Blade"は名前の通りブレード型のストレージです。各ブレード毎にコンピューティングリソースやデータ保存領域をもち、これらを束ね上げてストレージとして動作しています。
また上記写真で右の白のモデルがFlashBlade//Sシリーズ、左のグレーのシリーズがFlashBlade//Eシリーズとなっています。
//Sシリーズはパフォーマンスに重きをおいたモデル、//Eシリーズは容量に重きをおいた後発モデルです。
詳細なハードウェアスペックに関してはメーカー資料をご覧ください。
FlashBlade//S データシート
利用用途として、FlashBladeは複数のブレードから構成されている構造上並列処理を強みとしています。
そのため特にSシリーズについては、単なるNASとしての利用よりも機械学習やログ解析のデータ処理基盤などが主だった利用用途となってきます。
また、高速バックアップ&高速リストアによるRPO、RTOの削減を目的とした導入事例もあります。
Cloud Block Store
Cloud Block Store (以下CBS) は先ほどまでの物理的なアプライアンス製品とは異なり、AWS・Azure上で提供されるストレージ製品です。ストレージOSとしてFlashArrayと同様にPurity//FAが動作しているため、プロトコルとしてはiSCSI / NFS / SMBが利用可能です。もちろんこちらも機能ごとの追加のライセンス費用は必要ありません。
またFlashArrayで利用できる各種機能がそのままCBS上でも利用でき、UIもFlashArray同様なのでオンプレミスでFlashArrayを利用する方にとっては運用工数の削減が期待できます。
さらにFlashArray同様、 後述の"Pure1"での一括管理を可能とします。
Portworx
Portworx製品は永続ストレージ、データ保護、ディザスタリカバリ(DR)などの機能を実現するコンテナソリューションです。接続されたストレージリソースを抽象化し、これを永続ストレージとしてコンテナ環境に提供することができます。
またそれだけでなく、提供するストレージ領域に対する各種データ保護機能やディザスタリカバリ機能、ストレージ領域のオートスケーリング機能などを備えています。
Evergreen Storage Program
Evergreen Storage Programは、Pure Storageの提供する保守サービスの名称です。
本保守契約には故障部材の交換などの基本的な保守メニューに加え「ストレージコントローラーを最短3年毎にその時点の最新のものに交換可能」という保守メニューが含まれています。
これにより保守費用のみでストレージを使い続けることができます。また、システム更改時のストレージ移行工数の削減にも繋がります。
一方通常のストレージ同様に利用したい方向けにコントローラーの定期交換メニューを除いた保守サービスも別途提供しており、IT予算の取り方に合わせて利用することが可能です。
Pure1
Pure1は、障害監視、ログ分析、サポート対応などを提供するクラウドサービスです。
管理下のPure Storage製品はクラウドに対して定期的にログをアップロードし、Pure1はこれを分析し可視化してWeb UI上で表示します。これにより各種Pure Storage製品に対する一貫した管理・監視サービスを提供します。
さらにこれらの情報はアクセス権限を持ったユーザーやサポートとの間で共有されるため、Pure1は迅速な障害対応を可能とします。
今回、Pure Storageとはどのような会社なのか、どのような製品・サービスを提供しているのかを説明しました。
今回紹介した内容をベースに入門シリーズのブログを読んでいただくことで、段階的にPure Storageに対する理解が深まるよう構成しています。ぜひ続けてご覧ください。
▼ Pure Storageに関する全ての記事はこちら
著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 2課
中田 浩嗣 - Hirotsugu Nakata -
VMware担当を経て、現在ストレージ担当の中でもPure Storageを専任に担当するプリセールスエンジニア