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【まずはここから】ゼロからわかるPure Storage

ストレージ / HCI
2021.12.20

 

パッと手軽にPure Storageの特長を掴みたい。

 

そんなあなたのために、Youtubeで「5分で理解(わか)る、FlashArray!」動画シリーズを公開中です。ぜひこちらも合わせてご覧ください!

==========以下本編==========

こんにちは、SB C&S 中田です。

みなさまは「Pure Storage」という会社をご存知でしょうか?
今回は「ゼロからわかるPure Storage」と題しまして「そもそもPure Storageってどんな会社?」「どんな製品ラインアップがあるの?」といった基本的な部分を中心にご紹介します。

 

Pure Storageとは

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Pure Storageは、2009年にオールフラッシュストレージ専業のベンダーとしてシリコンバレーのマウンテンビューにて設立した会社です。

設立当時、フラッシュデバイス自体は存在はしていたものの高価な存在であり、ストレージを構成するデータ保存用デバイスはHDDがほとんどでした。
しかし、サーバー仮想化技術の浸透やアプリケーション自体の要求リソースの増加に伴い、フラッシュストレージの需要が高まってきた時代でもありました。
Pure Storageはこの時代背景を汲み取り「価格を抑えて、より広くフラッシュストレージを普及させること」を追求してきたベンダーです。この理念のもと容量単価を抑えたオールフラッシュストレージを提供するため、その製品には非常に効果の高いデータ削減機能やデバイスを長寿命化する仕組みが備わっています。

上記のようにストレージアプライアンスの販売から始まったPure Storageですが、現在ではクラウドやコンテナといったところまでその製品領域を広げています。以下ではその製品・サービスのラインアップについてご紹介します。

 

製品・サービスラインアップ

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FlashArray

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黒とオレンジが特徴的なこちらがPure Storageを代表する製品、FlashArrayです。

FlashArrayは、iSCSI / FC / NFS / SMB に対応したオールフラッシュのストレージアプライアンスです。Xシリーズ(写真1枚目左)とCシリーズ(写真1枚目右)、そしてXLシリーズ(写真2枚目)があります。
これら全てにPure Storageが開発したストレージOS"Purity//FA"が搭載されています(単にPurity、と記載されることもあります)。
XシリーズやXLシリーズ、Cシリーズの中でもさらに複数のコントローラーモデルがありますが、これらの間での差異は基本的に性能や搭載可能容量といった部分のみです。全てにPurity//FAが搭載されており、機能的差異はありません。またその全ての機能が追加のライセンス費用なしで利用可能です。

各製品の位置付けですが、XシリーズはPure Storageのフラグシップ製品であり、その最上位モデルとしてXLシリーズは位置付けられます。
さらにXシリーズの中でもハードウェアが刷新されており、2021年12月時点ではXR3が最新のシリーズとなります。
またCシリーズも、Xシリーズより大容量という位置付けです。しかしこちらは、容量単価の比較的安価なフラッシュを利用することで、コストを抑えつつ大容量のオールフラッシュストレージを実現しているシリーズとなります。

詳細なハードウェアスペックに関してはメーカー資料をご覧ください。
FlashArray//X & FlashArray//XL データシート

FlashArray//C データシート

利用用途ですが、Xシリーズは高いパフォーマンスの求められるワークロードでの利用が主となっており、仮想化基盤やデータベースが挙げられます。
一方Cシリーズは、Xシリーズほどのハイパフォーマンスは必要ないものの大容量が求められるワークロードなどに用いられることが多いです。

 

FlashBlade

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FlashArrayとは対称的に、白の背景にオレンジ色のロゴのこちらがFlashBladeです。
FlashBladeはNFSv3,v4.1 / SMB / S3 に対応したファイル/オブジェクトベースのストレージです。ストレージOSとしてはこちらもPurityが動作しますが、FlashArrayに搭載されているPurity//FAとは異なるため、差別化する意味合いで"Purity//FB"と呼ばれます。こちらに関しても追加のライセンス費用は必要ありません。

Flash "Blade"は名前の通りブレード型のストレージです。各ブレード毎にコンピューティングリソースやデータ保存領域をもち、これらを束ね上げてストレージとして動作しています。最小でブレード7基からの構成となっており、ブレードの追加によってリニアなスケールアウトが可能です。

詳細なハードウェアスペックに関してはメーカー資料をご覧ください。
FlashBlade データシート

利用用途として、FlashBladeは複数のブレードから構成されている構造上並列処理を強みとしています。
そのため、単なるNASとしての利用よりも機械学習やログ解析のデータ処理基盤などが主だった利用用途となってきます。
また、高速バックアップ&高速リストアによるRPO、RTOの削減を目的とした導入事例もあります。

 

Cloud Block Store

CBS.png

Cloud Block Store (以下CBS) は先ほどまでの物理的なアプライアンス製品とは異なり、AWS・Azure上で提供されるストレージ製品です。ストレージOSとしてFlashArrayと同様にPurity//FAが動作しているため、プロトコルとしてはiSCSI / NFS / SMBが利用可能です。もちろんこちらも機能ごとの追加のライセンス費用は必要ありません。
またFlashArrayで利用できる各種機能がそのままCBS上でも利用でき、UIもFlashArray同様なのでオンプレミスでFlashArrayを利用する方にとっては運用工数の削減が期待できます。

さらにFlashArray同様、 後述の"Pure1"での一括管理を可能とします。

 

Portworx

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Portworx製品は永続ストレージ、データ保護、ディザスタリカバリ(DR)などの機能を実現するコンテナソリューションです。接続されたストレージリソースを抽象化し、これを永続ストレージとしてコンテナ環境に提供することができます。
またそれだけでなく、提供するストレージ領域に対する各種データ保護機能やディザスタリカバリ機能、ストレージ領域のオートスケーリング機能などを備えています。

 

Evergreen Storage Program

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Evergreen Storage Programは、Pure Storageの提供する保守サービスの名称です。

本保守契約には故障部材の交換などの基本的な保守メニューに加え「ストレージコントローラーを3年毎にその時点の最新のものに交換可能」という保守メニューが含まれています。
これにより保守費用のみでストレージを使い続けることができます。また、システム更改時のストレージ移行工数の削減にも繋がります。

一方通常のストレージ同様に利用したい方向けにコントローラーの定期交換メニューを除いた保守サービスも別途提供しており、IT予算の取り方に合わせて利用することが可能です。

 

Pure1

ps-pure1-digital-fc-4000x1010-d3d86e5.pngPure1は、障害監視、ログ分析、サポート対応などを提供するクラウドサービスです。
管理下のPure Storage製品はクラウドに対して定期的にログをアップロードし、Pure1はこれを分析し可視化してWeb UI上で表示します。これにより各種Pure Storage製品に対する一貫した管理・監視サービスを提供します。
さらにこれらの情報はアクセス権限を持ったユーザーやサポートとの間で共有されるため、Pure1は迅速な障害対応を可能とします。

 

今回、Pure Storageとはどのような会社なのか、どのような製品・サービスを提供しているのかを説明しました。
今回紹介した内容をベースに入門シリーズのブログを読んでいただくことで、段階的にPure Storageに対する理解が深まるよう構成しています。ぜひ続けてご覧ください。

▼ Pure Storageに関する全ての記事はこちら

著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第1技術部 2課
中田 浩嗣

VMware担当を経て、現在ストレージ担当の中でもPure Storageを専任に担当するプリセールスエンジニア