
はじめに
こんにちは。SB C&Sの吉水です。昨今、次世代の仮想化基盤としてNutanix AHVが注目される中、移行の検討をされている方が非常に多くいらっしゃいます。ただし、仮想化基盤の移行作業は大変なイメージがあり、検討を避けてきたというユーザーの方も多いのではないでしょうか。
そのような移行の悩みを解消するために、今回からNutanix公式の移行ツールである「Move」についての記事を連載します。本連載では、Moveの便利な移行機能と操作方法を紹介し、「Moveを利用すれば安心して移行できそう」という実感を得られるような内容をお届けします。
第1回の本記事では、Moveの概要や移行におけるメリットについて解説します。ぜひ最後までご覧ください。
各記事のリンクは下記のとおりです。
・第1回 Moveのメリット・機能紹介
・第2回 Moveデプロイと環境登録
・第3回 移行プランの作成と実行
Nutanix Moveとは
まずは、Nutanix Moveの概要について紹介します。Nutanix Moveとは、Nutanixが提供する移行専用ツールのことです。こちらは仮想アプライアンス形式で提供され、Prismと同様にWebベースのUIから移行操作を行うことができます。MoveのイメージファイルはNutanix ポータルからダウンロードでき、無償で利用可能です。
また、Moveを活用した移行事例は多数あり、過去には1年間で10万台以上のVMを移行するなど、実績豊富なツールとなっています。
https://www.nutanix.com/ja/blog/nutanix-ahv-and-nutanix-move-a-year-of-remarkable-success
Moveでサポートされる環境
続いて、Moveのサポートしている環境についてご紹介します。Moveの対応している移行元・移行先環境は次の表の通りです。
このように、Moveは仮想環境に加えて、クラウドからの移行にも対応しているツールとなります。なお、バージョン情報等の詳細については下記リリースノートをご確認ください。
Moveのメリット・便利機能
ここからは、Moveを利用した移行のメリットや便利機能について、まとめてご紹介します。
移行環境の準備が簡単
NutanixのポータルからMoveのイメージをダウンロードして、AHV上にデプロイするだけで環境が作成できます。また、Prism Centralのマーケットプレイスを使用すると、さらに簡単にMoveをデプロイすることもできます。
IP/MACアドレスの引継ぎが可能
Moveでは、IPアドレスをそのままの値で引き継ぐ設定ができるため、移行後にIPアドレスを手動で再設定する必要はありません。また、MACアドレスでアプリケーション認証などをしている場合は、MACアドレスが変更されると再設定に手間がかかってしまいますが、MoveではMACアドレスも同じ値で引き継ぐことができます。
ドライバーを自動でインストール
AHV上でWindows VMを稼働する場合は、VirtIOドライバーが必要となりますが、Moveでは移行時に自動でインストールすることが可能です。これにより、移行対象のWindowsに1台ずつ手動でドライバーをインストールするといった作業をすることなく移行ができます。
複数VMの移行管理が可能
Moveでは、移行プランという単位で移行の管理を行います。移行プランを作成する際、複数のVMを追加し、まとめて移行を実施することが可能となっているため、1台ずつ手動で移行する必要がなくなります。また、特定のVM群をスケジュールを分けて段階的に移行したい場合も、移行プランで分割することで柔軟に対応することができます。
なお、同時に移行できる仮想マシン台数については、下記ドキュメントをご覧ください。
移行テスト機能を提供
Moveでは、移行元本番環境のVMを停止することなく、移行テストを実施することが可能です。テスト用ネットワークにテスト用VMを起動できますので、本番移行前の動作検証として活用できます。
移行データトラフィックの帯域制御が可能
Moveでは、移行時のデータ転送に使用する帯域に制限をかけることができますので、データ転送中も移行元ネットワーク環境への負荷を軽減できます。なお、帯域制限は上限値だけでなく、曜日や時間帯も指定することが可能です。
ファイルサーバーのデータを移行可能
MoveはFilesへの移行にも対応しており、ファイルサーバーの共有フォルダのデータをNutanix Filesの共有フォルダ宛に転送することができます。Filesを提案・導入される際は、ぜひMoveでの移行も検討されてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、Nutanix Moveの概要やメリットなどについてご紹介しました。Moveには多数の便利な移行機能が搭載されており、移行時の課題や悩みを解決するツールであるということがお分かりいただけたのではないでしょうか。
次回はMoveによる移行手順をご説明し、実機操作としてMoveのデプロイや移行環境の登録についての内容をお見せしますので、ぜひご覧ください。
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著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 1課
吉水 崚 - Ryo Yoshimizu -
