
みなさん、こんにちは。SB C&Sの金井です。
本記事では HPE からリリースされた HPE SimpliVity for HPE Morpheus VM Essentials(HVM 版 SimpliVity)について紹介します。
1. HPE Private Cloud Business Edition(PCBE)とは
HPE Private Cloud Business Edition(PCBE)とは、HPE のハードウェアと HVM のソフトウェアがセットになったモデルです。HVM についてはこちらのブログをご覧ください。
ラインナップとしては、SimpliVity と dHCI の2種類が用意されています。SimpliVity は HPE ProLiant のローカルディスクを共有ストレージとして使用する HCI 製品です。一方で、dHCI はサーバーとして HPE ProLiant、共有ストレージとして HPE Alletra MP B10000 を組み合わせた製品です。

PCBE の特長は大きく2つあります。
1つ目は、HVM 環境構築において、Ubuntu の設定や HVM のインストール作業が不要になる点です。HVM の構築にはコマンドによる操作が必要不可欠でしたが、PCBE の場合は HPE または認定パートナーによるデプロイ作業が行われるため、Ubuntu の知識やコマンド操作に慣れていなくても簡単に導入することができます。
2つ目は、ハードウェアからソフトウェアまで一貫して HPE によるサポートを受けることができる点です。HVM スタンドアロン版では、HVM 環境で発生した問題が HVM 側なのか、Ubuntu OS 側なのかを切り分け、然るべき場所にサポート対応を連絡していましたが、PCBE の場合はHPE が全て対応します。
2. HVM 版 SimpliVity の概要
2.1 HVM 版 SimpliVity の特徴
HVM 版 SimpliVity の特長としては、圧縮・重複排除や秒速バックアップがあります。仮想化基盤を導入する際には、HA やライブマイグレーションなどを利用するために外付けの共有ストレージを用意することが多いですが、SimpliVity の場合は筐体のローカルディスクを共有ストレージとして使用します。
さらに、重複排除が有効になっているため、書き込むデータ量を削減することができます。そして、デフォルトで用意されているバックアップ機能は、仮想マシン単位でのバックアップが数秒で完了します。なお、HVM 版 SimpliVity でのファイル単位のリストア機能についても、今後実装される予定です。
コスト面のメリットとして、SimpliVity は2ノードからスモールスタートすることができます。2ノード構成の場合は、ノード同士で直接接続することができるため、ストレージ・フェデレーション用のスイッチなしで設置することができます。
2.2 導入前に抑えるべきこと
SimpliVity を導入する際に、重要なコンポーネントが2つあります。
1つ目は、クラスターを監視する役割を持つ Arbiter と呼ばれる Ubuntu サーバーです。SimpliVity を2ノード構成で設置する場合、従来の vSphere 版と同様に Arbiter が必要です。SimpliVity の外部の物理サーバーまたは仮想サーバー上に配置します。3ノード以上の構成の場合、Arbiter は不要です。
2つ目は、HVM Manager です。HVM 版 SimpliVity の基本的な管理は HVM Manager から行うため、ノード数に関わらず用意が必要です。HVM スタンドアロン版では、クラスター内のホスト上に配置することも可能でしたが、SimpliVity の場合は、Arbiter と同様に外部の物理サーバーまたは仮想サーバー上に配置します。HVM Manager を Arbiter が配置されている Ubuntu サーバー上に同居させることも可能です。今後のロードマップにて、HVM Manager は SimpliVity 内部に配置できる予定です。

3. HVM 版 SimpliVity の管理画面
HVM 版 SimpliVity の管理画面を紹介します。
HVM スタンドアロン版で使用されている HVM Manager と UI や操作感は変わりません。
クラスターの画面では、所属しているホスト情報を確認することができます。このクラスターに、2台の SimpliVity ホストが所属していることがわかります。

ホスト名をクリックすることで、詳細を確認することも可能です。

データストアの作成はクラスター単位で行います。
HVM スタンドアロン版では、NFS3 や GFS2(iSCSIの場合)タイプで作成していましたが、HPE SimpliVity タイプで作成します。

HVM 上の仮想マシンはインスタンス単位で管理されます。
そのため、仮想マシンを作成する場合は、「インスタンス」から行います。

ダッシュボードには、SimpliVity のストレージコントローラとして動作する仮想マシンである HPE SimpliVity Virtual Controller のステータスやデフォルトで有効化されている圧縮や重複排除(デデュプリケーション)により、どれだけデータを節約できているかなどが表示されます。

HVM Manager には「HPE SimpliVity Lifecycle Manager」と「HPE SimpliVity Management」の2つのプラグインがインストールされているため、HVM Manager 上に SimpliVity の項目が追加されています。

HVM Manager のバックアップ統合から、SimpliVity の秒速バックアップを使用することも可能です。
バックアップポリシーをあらかじめ作成することで、仮想マシン作成時のオプションとして適用することができます。

まとめ
今回は HVM 版 SimpliVity をご紹介しました。HVM インストール作業の手間を省きながら、圧縮・重複排除や秒速バックアップなどの機能も使用することが可能な製品です。
次回はデプロイサービスの流れや技術的なアーキテクチャーをご紹介する予定ですので、更新をお待ちください。
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著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 2課
金井 大河 - Taiga Kanai -
