みなさんこんにちは、Onshape担当の羽根です。
Onshapeが備えているのはCAD機能のみであり、独自のCAM機能は備えておりません。Onshape App StoreでMasterCAMなどの外部ソフトと連携させる機能は公開されていますが、MasterCAMはPCにインストールして使う必要があるため、設計から製造までの一連の流れをすべてフルクラウドで行うことはできませんでした。
CAMもフルクラウドで行いたい!とお考えの方も一部いらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回ご紹介したいのは、フルクラウド対応型のCAMソフト「CloudMiiling」です。
CloudMiilingとは
ブラウザ上で動作させることができるフルクラウドCAMです。フルクラウドのため、PCにインストールする必要がなく、インターネットに繋がりさえすればどこからでも使用することができます。演算処理もすべてクラウド上で行うため、オフィス用PCでも素早くツールパスを作成可能です。
フルクラウド3D CAD「Onshape」と連携させて使用することができ、Onshapeで作った3Dモデルをダイレクトにインポートすることができます。
従量課金型のサービスとなっており、ツールパスの作成に応じて費用がかかります。詳細はこちら
ベータ版を試してみたい方はこちらからお申し込みください。
実際に使ってみた
ということで、早速CloudMiilingを試してみました。今回はOnshapeで作成した簡単なモデルに対して、荒取りのパスを作成していきたいと思います。今回作ったモデルはこちら↓
円柱にドリル穴を複数開けただけの非常にシンプルな形状です。
①Cloudmiilingの起動
②ワークスペースを作成し、モデルをインポート
「Sample」という名前でワークスペースを作成します。
ワークスペースを作成後、製品形状となるモデルを追加します。CloudMiilingはOnshapeと連携し、Onshapeで作ったドキュメントから直接パートスタジオ上のパーツを選んでインポートすることができます。
無事インポートできました!
なお、Onshapeと連携せず、直接コンピューター上のファイルを選んでインポートすることも可能です。
対応拡張子:.3dm、.igs、.iges、.stp、.step
③ツールパス作成の下準備
製品形状がインポートできたら、続けて加工材の準備や加工原点の設定など、ツールパスを作成する上で必要な下準備を画面に従って順次設定していきます。
④ツールパスの作成
下準備が終わりましたら、続いてツールパスを作成していきます。今回は荒取りで大まかに削るパスだけを作成します。
⑤ツールパスのチェック
設定をしていくと、実際にツールパスを作成することができました!ツールパスの軌跡を画面で確認することができます。
⑥シミュレーションの実施
パスができましたので、最後に干渉していないかをチェックするためにシミュレーションを実施します。クラウドサービスということもあり、動作が重くなったりしないかが不安でしたが、全く問題なくシミュレーション動作を確認することができました。
まとめ
CADに続いてCAMまでフルクラウドで実施できるようになったのは素直に驚きました。従来はいずれも使うためにはインストールする必要があるため、自前で高スペックPCを用意する必要があり、ハード面でのコストも非常に大きかったのですが、クラウドで解決できるとなるとコストの面から見ても非常にありがたいですね。
今回ご紹介したCloudMiilingですが、現在まだ開発中であり、正式にリリースはされていません。またリリースされましたら改めて使ってみた所感を記事にしたいと思います。今すぐ触ってみたい!という方はベータ版を使ってみてくださいね!
<フルクラウド3D CAD Onshapeに関するおススメ情報>
Onshapeのまとめ記事はこちら!
著者紹介
SB C&S株式会社
クラウド・ソフトウェア推進本部
CAD&ドローン&AR事推課
羽根 隆嘉