みなさん、こんにちは。SB C&Sの金井です。
新人SEの入門ブログ第4回目は、iLOとHPE GreenLake for Compute Ops Management (COM)のファームウェアアップデートについてご紹介します。iLOとCOMそれぞれを使用したファームウェアアップデートにはどのような違いがあるのかをご紹介します。
各回のブログについては以下をご覧ください。
第1回「サーバーの管理といえばコレ!HPE iLOとは 〜新人SEの入門ブログ〜」
第2回「新しい管理ツール Compute Ops Management はiLOとどう違う? 〜新人SEの入門ブログ〜」
第3回「Intelligent Provisioningとは 〜新人SEの入門ブログ〜」
第5回「iLO vs COM OSインストール 〜新人SEの入門ブログ〜」
ファームウェアアップデートとは
機能比較の前に、ファームウェアアップデートとは何かをご紹介します。ファームウェアアップデートはサーバーを管理する中でも運用部分に位置付けられます。これは、初回のブログで触れた「iLOやBIOSなどのハードウェアを制御するソフトウェアを新しいものに更新する作業」のことです。バージョンが古いままだと、正常にOSのインストールを終えることができない不具合が発生する場合があります。加えて、新しいバージョンにすることで脆弱性を無くし、ウィルスからの攻撃を防ぐ効果もあります。
HPE ProLiantサーバーではファームウェアアップデートを行う際にSPP(Service Pack for ProLiant)を使用します。SPPは、HPE ProLiantサーバー用のドライバーやユーティリティ、ファームウェアを更新するためのツールとなっており、ISOイメージで提供されています。SPPひとつに全て揃っているので、コンポーネント毎に必要なソフトウェアを用意する必要がありません。(※)
※SPPにはiLO自体のアップデートが含まれていないため、iLOとCOMそれぞれ別の方法でiLOのアップデートを行うことが必要です。
iLOを使用したファームウェアアップデート
iLOを使用したファームウェアアップデートの手順をご紹介します。具体的には以下の通りです。
①HPEのサポートセンターからSPPを取得
まず、HPEのサポートセンターにアクセスし、SPPと検索します。
検索すると、HPE ProLiant 各世代のSPPが表示されるので、該当する世代を選択します。
次のページでは、SPPのバージョンを選択して「ソフトウェアの入手」を押します。
ダウンロードページに移動するので、ダウンロードの形式を選択します。(※)
※SPPのダウンロードにはHPEのアカウントが必要です。
②iLOのリモートコンソールからSPP(ISOファイル)をアップロード
iLOのリモートコンソールからCD/DVDの項目の中の「Local *.iso file」を選択して、先ほどダウンロードしたSPPをアップロードします。
③サーバーを再起動し、画面の指示に従って操作を行う
サーバーを再起動すると、アップロードしたSPPが読み込まれるので、画面の手順に沿って操作を行うことで、ファームウェアアップデートが完了します。
COMを使用したファームウェアアップデート
続いて、COMを使用したファームウェアアップデートの手順をご紹介します。具体的には以下の通りです。
①GreenLake PlatformからCOMを開く
②COMのアクションボタンから「ファームウェアのアップデート」を選択
COMの管理画面に移動したら、画面上部のサーバーの項目を選択します。サーバーの画面に移動するので、アクションボタンを押し、「ファームウェアのアップデート」を選択します。
③ 画面の指示に沿って操作を行う
まず、Step1ではファームウェアのベースラインとして設定するバージョンを選択します。ファームウェアは最新のバージョンを選択することが推奨されています。
続いて、Step2ではファームウェアアップデートを行いたいサーバーを選択します。COMで管理しているサーバーを全て選択することができます。
最後のStep3では、選択したファームウェアのバージョンとファームウェアアップデートを行うサーバーを最終確認し、「アップデートの開始」を押すことでファームウェアアップデートが始まります。
まとめ
今回はiLOとCOMそれぞれを使用したファームウェアアップデートの違いについてご紹介しました。iLOはSPPの用意からサーバーの再起動などファームウェアアップデートを行うための工数が多いです。一方で、COMは管理画面から指示された手順に沿って行うため、工数がとても少なく、簡単に実行できます。加えて、COMは複数台のサーバーに対して同時にファームウェアアップデートを行うことができるため、1台ごとに個別に実行する必要がありません。サーバーを管理する環境によってiLOとCOMを使い分けることが推奨されますが、複数台管理をする場合のファームウェアアップデートはCOMの勝利だと言えるでしょう。
いかがだったでしょうか、サーバー単体を管理する場面でも、ファームウェアアップデートを行うのであれば、シンプルかつ簡単なCOMで行いたいと感じました。次回は「iLO VS COM OSインストール編」となります。次回の更新も楽しみにお待ちください。
HPEサーバー製品ページ
著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第1技術部 2課
金井 大河 - Taiga Kanai -