本記事では、PAN-OSのバージョン表記やアップグレードパスについてまとめています。
また、PAN-OS 11.0で実装された Skip Software Version Upgrade についてもご紹介します。
1. PAN-OSバージョン表記
2. ベースイメージ
ベースイメージとは、メンテナンスバージョンの値が「0」のPAN-OSです。
メジャー/マイナーバージョンの変更を伴うアップグレード時にコンバーターとして利用します。
必ずベースイメージをダウンロードしてから目的のバージョンをインストールしてください。
※ベースイメージをダウンロードしていない状態でインストールを実施した場合、アラートが表示され実行できません。
ベースイメージのダウンロード後に、再起動は実行しないでください。
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通常のアップグレード手順では、ベースイメージに対して「ダウンロード」のみを実行します。
オフライン環境での手動アップグレードでは、事前に入手したベースイメージの「アップロード」
と「インストール」を実施します。
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3. アップグレードパス
メジャー/マイナーバージョンの変更を伴うアップグレードと、メンテナンスバージョンのみのアップグレードでは実施手順が異なります。
3.1. メジャー/マイナーバージョンのアップグレード
メジャー/マイナーバージョンのアップグレードは以下の流れで実施します。
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①最新メンテナンスバージョン → ダウンロード+インストール+再起動
②次のバージョンのベースイメージ → ダウンロード
③目的のメンテナンスバージョン → ダウンロード+インストール+再起動
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【例】PAN-OS 10.0.1 -> 10.1.13 へのバージョンアップ
①10.0.x (最新) → ダウンロード+インストール+再起動
②10.1.0 (ベースイメージ) → ダウンロード
③10.1.13 (目的バージョン) → ダウンロード+インストール+再起動
3.2. メンテナンスバージョンのアップグレード
メンテナンスバージョンのアップグレードの場合、アップグレードパスを意識する必要はありません。
※メジャー/マイナーバージョンが同一のPAN-OSにアップグレードする場合
目的のメンテナンスバージョンを直接インストールし、再起動を実施します。
【例】PAN-OS 11.0.1 -> 11.0.4 へのバージョンアップなど
4. Skip Software Version Upgrade (PAN-OS 11.0 新機能)
アップグレード/ダウングレードの際に、最大3世代のソフトウェアバージョンをスキップ可能になります。
本機能を利用することでアップグレードパスを考慮することなく、一度の再起動でバージョンアップが完了します。
従来のPAN-OSでは、メジャー/マイナーバージョンをまたぐ場合、段階的にバージョンアップを実施する必要がありました。PAN-OS 10.1 以降を利用している場合、本機能を利用することで最大4世代先のPAN-OSまで直接バージョンアップを行うことが可能です。
- PAN-OS 11.0以降へのアップグレードで利用可能
- PAN-OS 10.1以降のバージョンを実行しているスタンドアロン/Panorama管理のPAシリーズが対象
- PAN-OS 10.2で導入された Simplified Software Upgrade プロセスをベースとし、プレインストール検証チェックやマルチイメージダウンロードオプションの機能によって複数回のインストールを回避可能
- 「プレインストール検証チェック」: 対象のバージョンをインストールする前に、最初にダウンロードが必要なソフトウェア/アプリケーション/脅威コンテンツのバージョンの依存関係を表示
- 「マルチイメージダウンロードオプション」: 検証チェック中に表示された依存関係を選択してダウンロードを実行
★PAN-OSのEOLは以下より確認可能です。
End-of-Life Summary
5. まとめ
本記事では、PAN-OSのバージョン表記やアップグレードパスについてまとめました。
PAN-OS 11.0 以降へのバージョンアップの際には、Skip Software Version Upgrade を利用することでより短時間で簡単にアップグレードを行うことができるようになりました。
アップグレード手順については別の記事でご紹介していますので、ぜひご参考いただければと思います。
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著者紹介
SB C&S株式会社
技術統括部 第2技術部 2課
PCNSE, PSE Strata/SASE Professional
中村 愛佳 -Manaka Nakamura-