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OCI はパブリック IP が無料!!

パブリッククラウド
2025.09.26

AIが生成した画像です

 

 

みなさま、ごきげんよう。永瀬です。

今回は OCI ではパブリック IP に追加料金がかからないことと、
その背景にある「シンプルで予測可能」という思想をご紹介したいと思います。

 

目次

はじめに

1.OCIでは、パブリックIPに追加費用なし

2.エンジニアを「コストの呪縛」から解放する

まとめ

 

 

はじめに

2024 年、ある主要クラウドベンダーが全てのパブリック IPv4 アドレスを有料化したことは、
多くの技術者にとってまだ記憶に新しい出来事かと思います。
これは、IP アドレスという基本的なリソースにもこまごまとしたコストがかかるのが
「クラウドの常識」であることを、改めて浮き彫りにしました。

今回は、OCI の背景にある思想を「パブリックIPアドレスの無償提供」という点から考えてみます。

 

 

1.OCI ではパブリック IP に追加費用なし

OCI では、インスタンスに自動で割り当てられるエフェメラル(一時)IP と、
固定して利用できる予約済み(静的)IP の両方が、追加費用なしで提供されます。

これは「Always Free 枠だから」といった限定的な話ではありません。
OCI の標準的な仕様です。
他のクラウドではインスタンスを停止しても予約済み IP を保持しているだけで課金されるのが
一般的ですが、OCI にはそれもありません。

では、この違いが、エンジニアリングの現場にどのような影響をもたらすのでしょうか。

 

 

2.エンジニアを「コストの呪縛」から解放する

パブリック IP が無料であることは、単なるコスト削減以上の価値を現場にもたらします。

  1. アーキテクチャの自由度向上
    DNS レコードやファイアウォールの許可リストなど、
    本来は固定 IP で安定させたいエンドポイントは多数存在します。
    IP コストを懸念して不必要な集約や動的 IP での運用を強いられるといった、
    アーキテクチャ上の妥協は不要になります。
    エンジニアは、コストではなく「あるべき姿」を基準に、堅牢なシステムを設計できます。
     
  2. コスト管理の劇的な簡素化
    インフラ費用の中で、パブリック IP の数は変動しやすく、
    管理が煩雑になりがちな項目でした。
    OCI では、この項目をコスト計算から完全に除外できます。
    これにより見積もりはシンプルになり、「想定外のコスト」が発生するリスクを一つ潰せるのです。
     
  3. 開発・検証サイクルの高速化
    開発環境では、インスタンスの起動・停止が頻繁に発生します。
    その都度 IP アドレスのコストを気にする必要がないため、
    開発者は気兼ねなく環境の構築やテストを繰り返すことができます。
    この小さなストレスからの解放が、開発スピードの向上に繋がります。
     

例えば、開発チームが 5 つの小規模な検証環境を
それぞれ固定 IP で管理するケースを考えてみてください。
料金としてはそれほど大きくない金額であれ、費用管理をする工数が発生しますが、
OCI ではこの IP コストがゼロなのです。
この差は、プロジェクトが大きくなるほど、そして長くなるほど拡大していきます。

 

 

まとめ

今回、OCI の「パブリック IP アドレスの無償提供」という点を取り上げましたが、
この一点だけでも、OCI がどのようにお客様のコストと運用の負担を軽減しようとしているか、
その思想の一端を感じ取っていただけたのではないでしょうか。
 

もちろん、クラウドの選定は料金だけで決まるものではありません。
サービスの成熟度、エコシステムの広がり、使い慣れたツールとの連携性など、
考慮すべき点は多岐にわたります。
しかし、OCI が提示する「シンプルで、一貫性があり、かつ安価な」価格体系は、
他のクラウドベンダーに対する強力な差別化要因であり、
技術選定の際に無視できない要素です。
特にコストが重要なプロジェクトや、複雑な料金体系に頭を悩ませたくないエンジニアにとっては、
非常に魅力的な選択肢となるでしょう。
 

OCI のコストに対するユーザー中心のアプローチはこれに留まりません。
例えば、多くのクラウドでコストの懸念材料となるアウトバウンドデータ転送に 10TB の無料枠や、
世界中のリージョンでサービスを同価格で提供したりと、
インフラをよりシンプルに、より予測可能にするための思想が一貫しています。
 

もし、クラウドの複雑な料金体系や、当たり前だと思っていた課金に少しでも疑問を感じているなら、
ぜひ一度 OCI の「Always Free」枠をお試しください。
料金体系の複雑さに時間を奪われず、本来のアプリケーション開発や改善に集中できる環境を、
きっと実感していただけるはずです。

 

 

今回はここまで。

また次回まで、みなさまごきげんよう。

 

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著者紹介

先端技術統括部
DXコンサルティング部 デジタルイノベーション課
永瀬 晋作

みなさま、ごきげんよう。