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Microsoft Ignite 2025 現地参加レポート ~現地の雰囲気や風景のご紹介~

イベントレポート
2025.11.21

みなさま、こんにちは。
SB C&S 井上です。

先日Engineer Voiceにて【現地より速報】Microsoft Ignite 2025 参加レポートと題してMicrosoft Ignite 2025のOpening Keynoteで発表された内容を速報でお届けいたしました。

今回の記事では私も初参加したMicrosoft Ignite 2025の会場やBreakout Session、The Hubの様子など、現地で参加したからこそ見ることができた風景をお伝えさせていただきます。


Badge & swag pickup

※プライバシー保護のため、他参加者の顔が認識できる写真にはぼかしを入れています。
Opening Keynoteの前日はIgnite参加証とswagの受け取りがメインでした。
参加証とswagはMoscone West, Marriott Marquis, Hilton Union Squareなど会場付近の様々な場所で受け取ることができますが、我々はMoscone Westで受け取りました。
(Moscone WestとMarriott Marquisは翌日からのBreakout Sessionの会場にもなります)
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受け取り会場には非常に多くの参加者が同様にbadgeとswag受け取りのために集まっており、受付の奥のswagの量からも参加者の多さを体感することができました。
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swagのリュックは外側は一見シンプルな見た目ですが、中側がMicrosoftのロゴと文字で埋め尽くされた非常にオシャレなデザインのものでした。
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Opening Keynote

Opening Keynoteはそれ以降のBreakout SessionやThe Hubから少し離れたChase Centerというアリーナで行われました。
最大収容人数約1.8万人の大きなアリーナで、普段はNBAの試合やコンサートなどで利用されているようなのですが、この日は会場の中がMicrosoft一色になっており、会場の大多数の席を埋めるほどの方が参加していました。
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アリーナという作り上、座席に段差が設けられているため、後ろの席や2階席でも講演者やディスプレイが見やすく、快適にOpening Keynoteを聴講することができました。
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なおOpening Keynoteの内容についてはこちらの記事をご一読ください。


Breakout Session

Breakout SessionはMicrosoft製品の各分野についての最新情報を始め、様々な情報をMicrosoft及び協賛企業が登壇して発表するセッションです。
Breakout SessionはMoscone Westの2階と3階、Marriott Marquisの地下の複数の部屋で時間帯ごとに同時開催され、参加者は自身の興味のあるセッションに参加する形式です。
セッションによって会場の規模は異なるものの、人気のセッションだと10分以上前に満員になったり、席が埋まって立ち見が出るセッションも多くあり、参加者の多さを実感しました。
(私の場合はAdvanced capabilities and innovation of Azure Storage solutionsというセッションが開始10分前時点で満員で会場への入室が制限されていました)
Breakout Sessionの多くは同時刻にオンライン配信もされていたので、セッション会場に入れず会場外でオンライン配信を視聴する参加者もよく見かけました。

ここで私が参加したBreakout Sessionで興味のある発表をいくつかご紹介します。
※プライバシー保護のため、他参加者の顔が認識できる写真にはぼかしを入れています。
※会場の雰囲気をお届けするため、あえて会場で撮影した写真を使用しています。スライド画面のみ見たい方はリンク先のアーカイブ配信を合わせてご覧ください。

What's new and what's next in Azure IaaS

こちらのセッションではAzure VMやDisk、ContainerやAKSなどAzure IaaSの新情報についての紹介がありました。
Azure VMに関しては多くの新たなサイズが実装され、VMサイジング時の選択肢がさらに充実しました。
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また、Azure BastionがAKSのプライベートクラスターへの接続への接続に対応したり、ExpressRouteが400Gの帯域幅に対応したりなどの発表もありました。
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中でも興味深かったのが、Microsoftが設計するArmベースのクラウドネイティブ向けCPUであるAzure Cobalt 100の次世代である「Azure Cobalt 200」の発表です。
Cobalt 200はCobalt 100よりも50%性能向上しており、Azure BoostやAzure Integrated HSMにも対応しています。
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Azure Arc: Extending Azure for hybrid and multi-cloud management

こちらのセッションではAzure Arcによるハイブリッド環境の統合管理についての紹介がありました。
管理すべき環境がオンプレミスやエッジ、マルチクラウドなど多岐にわたる現在のITシステムの環境において、複数サイトに存在するIT資源を統合管理するというアダプティブクラウドアプローチをメッセージアウトしたセッションだと感じました。

こちらのセッションでは複数のAzure Arc関連のアップデートの発表がありました。
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中でもAzure Arcマルチクラウドコネクターでfor AWSがGA、for GCPがパブリックプレビューとの発表があり、マルチクラウド環境でも管理系はほとんどAzure Portalに集約されていく未来を感じました。
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また、Arc対応Windows Serverのライセンスを従量課金で支払えるPay as you Goや、Arc対応サーバーの自動アップグレード対応などの機能の紹介もありました。
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Cloud without compromise: Redefining private and hybrid cloud

こちらのセッションはDell TechnologiesとMicrosoftの共同セッションでDell基盤で実現するAzure Localについての紹介がありました。
DellのAXノードは各Azure Local対応サーバーの中で最初にAzure LocalのPremier Solution認定されたので、注目のセッションです。

こちらのセッションでは最初にDellのAzure Localへの取り組みの歴史について紹介されており、Azure Localが現在のAzure Portalからのデプロイ手順になる前、2020年からAzure Localに注力していたことが紹介されました。
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また、DellのAzure Local Premier SolutionであるAX-670/AX-770の紹介やDell PowerFlexをAzure Localと組み合わせて活用するメリットなども紹介されました。
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こちらのセッションではAzure Local関連のみでなく、Dell Private CloudやDell PowerScale for Microsoft Azureなども紹介されており、Azure一筋でやってきた私にとっては大変勉強になりました。
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The Hub

※プライバシー保護のため、他参加者の顔が認識できる写真にはぼかしを入れています。
The HubはIgnite開催期間中にMoscone Southの地下フロア全体で開催される、Microsoftブースと協賛企業ブースが集まる展示会です。
Moscone South入り口のセキュリティチェックを抜けた先には巨大なMicrosoftロゴのオブジェクトがあり、建物内のエスカレーターを下るとExplore The Hubの垂れ幕とMicrosoftロゴのフォトスポットがあり、多くの参加者がここで記念撮影をしていました。
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The HubはMicrosoftブースと協賛企業ブースが区画分けされており、Microsoftブースは各製品ごとに専門家の方がいて質問などに答えてくれます。
私はAzure IaaS中心にAzure Arc/Azure Local, Azure Virtual Desktopブースなどで質問して回ったのですが、ブースごとに質問希望者の人数などが異なり、IaaS分野だとAzure Arc/Azure Localが非常に人気で、常に質問待ちの行列ができていました。
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左からAzure Virtual DesktopブースのPriyankaさん、Ericさん、SB C&S 井上、石井

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左からAzure Arc and Azure LocalブースのKimさん、Ellenさん、SB C&S 井上、石井

IaaS分野のブースの中にはAzureデータセンターで使用されているCobalt 100などのCPUやサーバーブレード、マイクロ流体冷却、量子プロセッサーなど普段見ることができないAzure IaaSの心臓部を展示で見ることができるエリアがあり、私も初めて見るものばかりで非常にワクワクしました。
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Azureデータセンターに関してはMicrosoftブースの正面にレゴで作った巨大なデータセンター模型もあり、実際に見ることが難しいデータセンターの雰囲気を感じることができました。
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The Hubは全体的に目立つ出し物をしているブースも多く、Microsoftブースであればレトロ筐体で遊ぶことができるドンキーコングやパックマン、Microsoft Fabricを用いてForza Horizon(MicrosoftがXbox向けに発売するレーシングシミュレータゲーム)の運転状況を観測し表示するレースゲームコーナーなどがありました。
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また、その他の企業ブースではF1レースシミュレーションブース、QRコードから自分で作成したジェダイ風レゴをその場で組み立ててくれるブース、swagを入手できるUFOキャッチャー、その場でクレープを焼いて出来立てを参加者に提供しているブースなどもありました。
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The Hubは各企業がユニークな展示や出し物をしていて歩いているだけで楽しく、雰囲気も日本の展示会とは違った体験ができるので、Igniteを現地参加される際にはぜひお立ち寄りいただき体感していただきたいと思いました。


さいごに

お伝えしたい現地の風景はまだまだたくさんあるのですが、最後に私自身初めて現地参加した上での注意点や事前準備しておいた方がよかった気づきがあるので、これらをご紹介して本記事を締めくくりたいと思います。

・歩きやすい靴での参加を推奨
今回のIgniteは主にMoscone West, Moscone South, Marriott Marquisの3つの会場を常に移動しつつの参加となりました。
前のセッションと次のセッションが別会場で実施のため移動が伴ったり、会場自体がとても広いので私も1日2万歩ほど歩いていました。
イベント参加中につかれてしまわないように履きなれた靴での参加をお勧めします。

・パスポートは出しやすい入れ物に入れることを推奨
今回のIgniteではセキュリティチェックが厳重で、Moscone WestとMoscone Southでは入場の度にIDチェックと手荷物検査、金属探知機を通ることになります。
セッション会場が3つあるのでセッションの度に入退場を繰り返し、パスポートを提示する機会が大変多いため、ジャケットの内ポケットや前掛けポーチなど、パスポートをすぐに出せる安全な場所に入れての参加をお勧めします。

・swagには目印をつけておくことを推奨
最初にご紹介したとおり、参加者は全員同じリュックを受け取り、ほとんどの参加者がイベント中にswagのリュックを背負って参加しています。
外見が同じリュックを持っている人が非常に多いので、荷物を置いた際の取り違えを防ぐため、キーホルダーやピンバッジなど外見で一目でわかる目印をつけておくことをお勧めします。

最後までお読みいただきありがとうございます。
来年のIgniteもサンフランシスコ開催のようなので、来年も参加した際には現地レポートと今年との違いなどを紹介させていただきます。
また、Ignite 2025のBreakout Sessionのアーカイブ動画も続々とアップロードされており、1年間公開されるようなので、ぜひご興味のあるセッションを視聴いただけますと幸いです。
Microsoft Ignite 2025 Session catalog


Ignite 2025 速報レポートはこちら

著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部 第2技術部 2課
井上 雄貴

Microsoft Certified: Azure Solutions Architect Expert
Microsoft Certified: Cybersecurity Architect Expert
JDLA Deep Learning for ENGINEER 2019 #1