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Nutanixのライセンス種別とコンバージョンについて

ストレージ / HCI
2025.09.30

こんにちは。SB C&Sで技術支援を担当しています、萩原です。

Nutanixのソフトウェアは、現在Portfolio 2.0(PnP2.0)といわれるライセンス体系が現在販売中のものとなります。一方で昨年までは、Capacity Base License(CBL)が販売されていました。
Nutanixは、必要に応じてノードを追加しリソースを増やすことが出来ますが、購入時期によって異なるライセンスが1つのクラスタに混在することが想定されます。今回は、Nutanixが過去に提供してきたライセンスの種類と、新旧のライセンスの混在ルールについて紹介します。

Nutanix製品のライセンス種別

LODライセンス

Life of Deviceの略で、ハードウェアに紐付くライセンスとなります。NutanixアプライアンスであるNXが発売された当初は、このアプライアンスモデルを購入するとライセンスがセットで付いてきていました。他にもOEMモデルであるDELL XCモデルなどもデバイスに紐付いたライセンスであったことから、LODライセンスとなります。2019年秋まで、NXアプライアンスにおいてはLODライセンスとして提供されていました。このLODライセンスから、これから紹介するCBLやPortfolio 2.0ライセンスへの変換は、有償での対応となります。

CBLライセンス

Capacity Base Licenseといわれるライセンス。フラッシュの容量と物理CPUのコア数を元に積算されるライセンスです。ハードウェアとソフトウェアのセットではなく、ハードウェアのスペックに合せてライセンスを購入することからライセンスを別のハードウェアに転用したり、AWSやAzure上のベアメタルインスタンスでNutanixを稼働させるなど、ハードウェアとセットではないことで、様々な場所でNutanixが稼働できるようになりました。CBLライセンスが登場したことで、HPE DXやDELL XC CoreなどハードウェアメーカーがNutanix専用のハードウェアを販売できるようになったのもこの時期からです。CBLは、2023年の販売終了後も、既存ライセンスの更新のみ継続販売されていましたが、2025年1月に販売終了しています。CBLライセンスから、Portfolio 2.0ライセンスへの変換は、無償で行うことができます。

NCIライセンス(Portfolio 2.0)

2023年に発表されたライセンスが、NCIライセンス(通称:Portfolio 2.0)です。2025年現在、こちらのライセンスが現在最新のライセンスとなります。CBL時代は、各製品毎にライセンスカウント方法が異なっていたり複雑なルールがありましたが、Portfolio 2.0ライセンスでは、ライセンスカウントの方法がシンプルになりました。また、従来は上位のエディションでしか利用できない機能が、ライセンス体系の変更により利用できる機能が変更になっている場合もあります。(NCI Starterライセンスでストレージの重複排除機能が利用可能など)

1クラスタ内におけるライセンスの混在について

それでは、本題に入っていきます。2025年現在、Portfolio 2.0ライセンスのみが販売されている状態のため、旧ライセンス環境に、新しいノードを追加する場合、追加ノードは、Portfolio 2.0ライセンスしか手配することができません。現在までの3種類のライセンスはそれぞれ混在にルールがあります。

LODライセンスとCBLライセンスの組み合わせ

LODライセンスとCBLライセンスは、1つのクラスタで混在が可能です。特にライセンスの変換などをすることなく、そのまま混在利用が可能です。

LODライセンスとPortfolio 2.0ライセンスの組み合わせ

注意が必要なのは、Portfolio 2.0ライセンスです。Portfolio 2.0ライセンスは、他のライセンスとの混在ができません。
LODライセンスが適用されたノードが存在するクラスタに、Portfolio 2.0ライセンスを適用したノードを追加する場合には、LODライセンスをPortfolio 2.0ライセンスにアップグレードする必要があります。(アップグレードは有償です)なお、CBLからのライセンスコンバージョン(無償で変換可能)を行う場合、変換したいCBLライセンスの有効期限が90日以上あることが条件です。サブスクリプションの有効期限が90日未満ですと、Portfolio 2.0へのコンバージョンができませんのでご注意ください。

CBLライセンスとPortfolio 2.0ライセンスの組み合わせ

CBLライセンスとPortfolio 2.0ライセンスを1つのクラスタ内に混在することはできませんが、CBLライセンスは、Portfolio 2.0ライセンスに変換(コンバージョン)ができます。CBLライセンスをコンバージョンするためには、あらかじめNutanixの担当営業に以下の手順が必要です。
また、Portfolio 2.0ライセンスは、AOSバージョンが6.1.1(LTSであれば、AOS 6.5)以上が必要です。本バージョン未満の場合、まず最初にAOSをアップグレードしていただき、Portfolio 2.0ライセンスに対応したバージョンまでバージョンアップをお願いいたします。

Step.0
Prism Centralの展開がこれから・またはライセンス管理をElementで行っている場合

  1. Prism Centralが展開されていない場合は、展開を行う
  2. 稼働しているクラスタをPrism Centralに登録する
  3. Prism Centralのライセンスの画面から、Cluster Summary File(CSF)をダウンロードする
  4. ライセンスを選択し、LSFファイルをサポートファイルからダウンロードする
  5. Prism CentralのライセンスページからダウンロードしたLSFファイルをアップロードする

Step.A
すでにCBLライセンスをご利用で、サブスクリプション更新でPortfolio 2.0に変換する場合

  1. Prism Centralのライセンスの画面から、Cluster Summary File(CSF)をダウンロードする
  2. サポートポータルのライセンスページにCSFをアップロードする
  3. ライセンスコンバージョンをライセンスページから行い、変換後のPortfolio 2.0ライセンスを選択し、LSFファイルをサポートファイルからダウンロードする
  4. サポートポータルのライセンスページにCSFをアップロードし、Portfolio 2.0ライセンスを割り当て、LSFファイルをダウンロードする
  5. Prism CentralのライセンスページからダウンロードしたLSFファイルをアップロードする

Step.B
既存クラスターにLODノード・CBLノードが存在、LODを取り外し、CBLノードとPortfolio 2.0が稼働しているクラスターのみにする
または、LODノードをPortfolio 2.0が適用する新しいノードにExpand Cluster/Remove Host機能を用いて入れ替えリプレースする場合

  1. Prism Centralのライセンスの画面から、Cluster Summary File(CSF)をダウンロードする
  2. サポートポータルのライセンスページにCSFをアップロードする
  3. サポートポータルのライセンスページにCSFをアップロードし、CBLライセンスを返却(de-claim)する
  4. ノード追加・古いノード(LOD)の取り外しを行う
  5. Prism Centralのライセンスの画面から、Cluster Summary File(CSF)をダウンロードする
  6. サポートポータルのライセンスページにCSFをアップロードする
  7. サポートポータルのライセンスページにCSFをアップロードし、Portfolio 2.0ライセンスを割り当て、LSFファイルをダウンロードする
  8. 三度、Prism CentralのライセンスページからダウンロードしたLSFファイルをアップロードする

まず、Prism Centralを展開されていない場合もしくは、展開しているがライセンス管理はPrism Elementで行っている場合は、Step.0を実行してください。
その上で、CBLの既存利用ノードをサブスクリプション更新で、Portfolio 2.0にコンバージョンする場合は、Step.Aの作業を行ってください。
既存LODノードの利用で、リプレースのタイミングでPortfolio 2.0に完全に移行する場合、または既存でLOD+CBLのクラスターに新しいノードを追加し、LODノードを取り外す場合も、Step.Bの手順を参考にして下さい。

これで、ライセンスがコンバージョンされ、Portfolio 2.0ライセンスが適用されます。

2025年現在、CBLライセンスは販売終了となっているため、CBLライセンスで購入したライセンスをサブスクリプションの更新(保守更新)を行いたい場合、既存クラスタをPortfolio 2.0へのコンバージョンが必要となります。(Portfolio 2.0にコンバージョンしないとサブスクリプション更新の見積もりが提示できません)

まとめ

Nutanixが日本市場に本格普及してから5年以上がたち、過去のライセンス体系を持ったクラスタのリプレースや追加ノード案件が増えているかと思います。既存ライセンスが、CBLの場合、そのままの状態ではサブスクリプション更新や既存クラスタに新しいPortfolio 2.0ライセンスを追加することができませんので、リプレースや追加ノードを導入する前に、必ず既存クラスタにどのライセンスが適用されているかを確認することをお勧めします。

以下のサイトもご参考下さい

著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第3技術部 2課
萩原 隆博 - Takahiro Hagiwara - (Nutanix NTC)

HCIを中心とした仮想化とMicrosoft 365のプリセールスエンジニアを担当しています。
Nutanix Technology Champion 2018-2024