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【速報!】【CrowdStrike】Fal.conに行ってきた!!その3

CrowdStrike
2026.09.07

はじめに

みなさんこんにちは。SB C&Sの宮尾です。

今回はCrowdStrikeの年次イベントであるFal.conの現地レポートとなります。
前回記事にて、Fal.con初回のKeynoteにて発表された内容を中心にご紹介させていただきました。
今回は2日目、3日目に発表されたKeynoteを中心にご案内させていただきます。

▼前回の記事はコチラ
【速報!】【CrowdStrike】Fal.conに行ってきた!!その1

【速報!】【CrowdStrike】Fal.conに行ってきた!!その2

 

■Day2基調講演まとめ

これまでのAIは人間からの指示を忠実にこなす「命令実行型」でしたが、現在のAIは自律的に目標を達成する「エージェンシー(行為主体性)を持つ存在へと進化しています。 しかし、この進化は利便性が向上した一方で、新たなセキュリティ危機をもたらしています。セッションに登壇したCrowdStrikeのPresidentであるMichael Sentonas氏は、Hugging Faceの事例から「すでにAIエージェントが自律的にサンドボックスを脱出し、脆弱性を発見して本来アクセス権限のないシステムへ侵入する事態が発生している」と明かし、セキュリティ業界が一線を越えた危機的状況にあると警鐘を鳴らしました。

・Falcon GuardianによるAIエージェント時の実行時保護

Day1の基調講演で発表されたFalcon Guardianに関して、動作画面のデモが公開されました。Micheael Sentonas氏はFalcon Guardianについて、既存のFalconセンサーを拡張し、AIエージェントがエンドポイント上で実行される際の挙動を保護するソリューションであることを提唱。デモでは、「プロンプトからプロセスまで」を包括的に監視し、プロンプト層での機密情報(例:クレジットカード番号)のマスキングや、OS層での間接的プロンプトインジェクションによる悪意ある挙動の検知・阻止が実演されました。
これにより、高リスクなエージェントの活動をAD(Active Directory)のIDに紐づけて特定し、単一の因果関係グラフとして可視化することが可能になります。

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・AIゲートウェイとサプライチェーンセキュリティ

さらに、AIエージェントの利用に伴うモデルガバナンスと開発時のサプライチェーンという2つのリスクに対処するソリューション、「AI Gateway」が発表されました。

  • AIゲートウェイ
    組織内で多様なAIモデルが統制なく利用される中でのコスト増やセキュリティホールに対処するため、AIへのリクエストを一元管理し、利用可能なモデルの制限やプロンプト内容のチェックを実施。
  • ソフトウェアサプライチェーン保護
    AIエージェントが開発者の介入なしに自律的に公開レジストリからパッケージをダウンロードすることによる、サプライチェーン攻撃のリスクに対処します。

AIへのリクエストを一元管理し、利用可能なモデルの制限やプロンプト内容のチェックを可能にするもので、まずはSaaS版がリリースされ、追ってハイブリッド版も提供される予定との事です。

https://ir.crowdstrike.com/news-releases/news-release-details/crowdstrike-extends-its-endpoint-advantage-secure-software

・HumanとNon-Human、AIのIDを管理する「Agentic Identity Provider」と「Agentic SOC」

AIエージェントは、APIを呼び出し、認証情報を使用、機密データにアクセスするため、それぞれが固有の「ID」を持ちます。しかし、多くが人間から権限を継承し、過剰な権限(over-privileged)が付与されているという深刻な問題があります。継続的に動作するAIエージェントに対し、従来の「ログイン時に一度認証すればセッション全体を信頼する」というモデルは通用しない状況となります。

この課題を解決するため、CrowdStrikeは「Agentic Identity Provider」を発表しました。 本ソリューションは、HumanとAIエージェントの双方に対し、以下の3つを実現します。

  1. 継続的なIDの発見とエンリッチメント 
  2. ゼロスタンディングアクセス 
  3. タスク実行時のみに必要な権限を付与するジャストインタイムアクセス

https://ir.crowdstrike.com/news-releases/news-release-details/introducing-crowdstrike-agentic-identity-provider-foundation-ai

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・Agentic SOC:AIによる自律的な脅威調査と対応

攻撃のブレイクアウトタイムが実質的にゼロに近づき、AIが脆弱性の発見から攻撃実行までを同時に行う現代において、従来のSOC(セキュリティオペレーションセンター)モデルは限界に達している。エンドポイント、ID、クラウドといった領域ごとに調査が分断され、人手による引き継ぎに時間を要するため、機械速度で進行する攻撃には到底追いつけない。

この課題に対し、CrowdStrikeは「Agentic SOC」という新しい概念を提唱、これは、複数の専門エージェントが「同じ事案、同じ時間、共有メモリ」で並行して調査を行うことで、引き継ぎの待ち時間を排除し、調査を数分で完了させるモデルでございます。重要なのはスピードだけでなく結果への信頼性であり、Agentic SOCは熟練アナリストの思考プロセス(競合仮説の分析など)を模倣し、ノイズを排除した上で人間が即座に行動可能な回答を提供する。さらに、顧客が独自の分析エージェントを構築できる「Agent Works」も発表されました。事例としてSalesforce社がこれを活用し、Slack経由での質問から脅威インテリジェンス調査、検出ロジック作成までを短時間で完結させている事例が紹介されました。 

https://ir.crowdstrike.com/news-releases/news-release-details/crowdstrike-unveils-next-evolution-agentic-soc

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Day3基調講演まとめ

最終日には、CrowdStrikeのChief AI & Autonomous System OfficerのBartley Richardson氏、CTIOであるAlex Ionescu氏が登壇、発表されたSafeMindと次世代のFalconセンサーに関するご紹介がありました。

・「SafeMind」による攻撃と防御による共同進化

AIの普及は、攻撃のライフサイクル全体をコモディティ化させ、「無限の攻撃(Unlimited offense)」の時代を到来させました。 これに対し、防御側が「乗り越えられない優位」を取り戻すべく、CrowdStrikeは、サイバー防御に特化したフロンティアAI研究を目的とする「CrowdStrike Cyber Superintelligence Lab」を設立しました。

攻撃、防御、そしてデジタルツイン(サイバー環境エミュレーション)の三位一体で構成される「SafeMind」は、 従来、攻撃と防御のエージェントは別系統で手作業による連携だったため、遅くて脆いといった課題がありましたが、SafeMindは「Adversarial Co-evolution」という閉ループでこれを自動化します。

防御側が攻撃をブロックした際には「新たに強化された環境情報」を攻撃側へ完全にフィードバックし、攻撃側は「回答を提示されたうえで突破を試みる」という高難度の再試行を繰り返します。

敵対的共進化を駆動する2つのモデルとハーネス

  • 攻撃モデル「Red Tempest」:マルチエージェント構成で、256K〜1Mのコンテキストウィンドウを活用し、エクスプロイトから永続化までの長期的タスクを遂行、MITRE ATT&CKテクニックに対応し、オープンモデルと比較して攻撃コストを約66%削減します。
  • 防御モデル「Blue Solano」:Mixture of Experts構成(12Bアクティブパラメータ)をベースとし、攻撃トレースを取り込んで具体的な新規検知ロジックや修復(Remediation)を自律生成します。
  • 実行レイヤー「Harnesses:デジタルツイン環境で1,000を超える攻撃シナリオを10,000回以上走らせ、トレースを生成・再学習させます。デジタルツイン環境において大規模な攻撃シナリオを実行し、攻撃・防御モデルを継続的に評価する仕組みが紹介されました。

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・OSとシリコンの進化に対応する「次世代Falconセンサー」

OSとハードウェア(シリコン)の構造的変化に完全に適応する「Falconセンサー」の進化がデモとともに実演されました。

これまでのエンドポイント防御はカーネルモードに依存していましたが、これはシステムの安定性を損なうリスクがありました。これに対応するため、 MicrosoftがWESP(Windows Endpoint Security Platform)を推進しており、CrowdStrikeもこの取り組みに連携していることが発表されました。

実演デモでは、攻撃者がEDRキラーや悪用ドライバを用いてFalconのカーネルコールバックを外そうと試みましたが、WESP上で動作するFalconは完全に防御を継続できる内容が紹介、 さらに、脆弱な正規ドライバを悪用してカーネル側に侵入する「BYOVD(Bring Your Own Vulnerable Driver)」攻撃に対し、従来はELAM(Early Launch Anti-Malware)による早期ブロックが必須でしたが、デモではELAMを持たずにWESPの制御点からユーザーモードでドライバのロードを拒否できることがデモで紹介されました。 CrowdStrikeは、MicrosoftのパブリックGAに合わせて即応できるよう、プライベートプレビュー段階から緊密に連携して開発を進めていくとの事です。

シリコンの高度化:NPU上のローカルSLMによる「推論速度での防御」

現代のエンドポイントはCPU、GPU、NPUを搭載しており、エッジ推論が常態化しています。CrowdStrikeは最新のWindows 11センサーで、NPU上にローカル小規模言語モデル(SLM)を常駐させる機能(GA)を実装しました

AI駆動の攻撃者が高速に変異マルウェアを大量生成する時代には、クラウドに問い合わせる数ミリ秒の遅延すら致命的になります。 実演デモでは、NPU上でローカルSLMを利用した検知・防御のコンセプトが紹介されました。 インテリジェンスを「攻撃が生じるエンドポイントの現場」へ前進配置する極めて重要な戦略です。

センサーのアーキテクチャ革新:標準化とモジュール化

Falconセンサーは、さらに「標準化」と「モジュール化」を進めています。

  • 標準化:独自プロトコルをgRPC、HTTPS、CDNなどの標準技術へ移行し、ネットワーク機器や既存の運用ツールとの親和性を高め、可視化・検査を容易に
  • モジュール化:「単一センサー、再起動不要、単一アップデート」というFalconの強みを維持しつつ、内部依存を整理して、EDRのみ、パッチ適用、最小限の推論機能など、要件に合わせて必要なコンポーネントだけを柔軟に導入・配布できるようにします。

デモでは、Falcon Enterprise Browserを用いて、契約社員や外部委託者の端末に対して「既存ブラウザをラップ」して安全な社内アクセスを提供する構成が紹介されました 。物理PCの郵送やエージェントの強制インストールなしで、必要に応じてEDRやデータ保護を再起動なしに追加デプロイ可能となっています。

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最後に・・

今回はFal.con 2026に関してDay2、Day3のKeynoteの内容を中心とした速報記事でございました。

Day2、Day3ではCrowdStrikeの新製品のご紹介およびデモ動画が中心となり、個人的には目白押しの内容でございました。このFal.conではAIエージェントの「行為主体性」に起因する新たなリスクを確実に抑え込みつつ、AI検知と対応(Falcon Guardian)、防御側も自律AI(SafeMind)やを駆使して「機械の速度」で対抗していく姿勢が具体的に示されているように感じました。

また、今回発表された内容がFalconで実装された際、弊社でも検証の上ご紹介させていただきますので、今後の記事もぜひお楽しみください!
ここまでご覧いただきありがとうございました~

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著者紹介

SB C&S株式会社
技術本部 技術統括部 第4技術部 1課
宮尾 優一