
こんにちは。SB C&Sの吉水です。本記事では、NCI 7.6のアップデート情報をご紹介します。今回のアップデートでは、初期導入や日々の運用に関わる重要なアップデートが複数発表されていますので、本記事を活用してポイントを押さえていただければと思います。
NCI 7.6(AOS 7.6/AHV 11.2/pc.7.6)の新機能
1N/2Dクラスターのフォールトトレランスのサポート
1ノードまたは2ディスク(1N/2D)への耐障害性を持つクラスターを構成できるようになりました。クラスターは1台のノード、または2枚のディスクの同時障害に耐えられるようになります。これにより、可用性の要件に合わせて柔軟にノードとディスクの耐障害性レベルを選択することが可能になります。
1N&1Dクラスターのフォールトトレランスに対するサポートの強化
これまで1ノードと1ディスクの同時障害に耐えられる「1N&1D」は、3ノードクラスター限定でのサポートとなっていましたが、AOS 7.6以降は、AOSでサポートされている最大ノード数まで対応範囲が拡張されました。
2N/2Dクラスターのフォールトトレランス構成と比較し、ノードとディスクの同時障害に対する耐障害性が向上し、ストレージのオーバーヘッドを抑えて、使用可能な容量を増やすことができます。
2ノードクラスターの3ノードへの拡張をサポート
従来、2ノードクラスターの拡張は不可となっていましたが、AOS 7.6から2ノードクラスターの拡張がサポートされました。
これにより、2ノード構成によるスモールスタートでの導入を検討しやすくなり、初期導入時のハードルを下げることができます。
Everpure FlashArrayへの変更ブロック追跡(CBT)オフロード機能
Everpure FlashArray上で、ネイティブの変更ブロック追跡(CBT)機能がサポートされるようになりました。これまでは、クラスター側にメタデータボリュームが作成される仕組みとなっており、使用可能なvDisk数を圧迫していましたが、AOS 7.6以降はEverpureの機能でCBTを実現する仕組みにアップデートされ、クラスターあたりのvDisk数を最大2倍まで増やすことができます。
Dell PowerStoreのサポート
AOS 7.6以降のコンピュートクラスターでは、外部ストレージとしてDell PowerStoreがサポートされます。また、Nutanix Disaster Recoveryでも外部ストレージとしてDell PowerStoreを使用するコンピュートクラスターをサポートするようになりました。
非サポート構成のノード追加ブロック
同じクラスター内にHDD、SSD、NVMeドライブが混在することを防止するためのブロック機能が導入されました。AOSでは、クラスター内に3種類のメディアタイプが同居する構成をサポートしていないため、3種類のメディアを含むクラスターの作成やノード追加による拡張といった操作があらかじめブロックされます。
CVM/AHVへのSSHアクセス制限
AOS 7.6以降では、基盤のセキュリティを向上させる目的で、外部からAHVへのSSHアクセスができなくなります。また、CVMのadminユーザーへのSSHアクセス時には、Bashシェルにアクセスする代わりに、NuServiceという制限付きのシェルが起動するようになりました。
Prism Central UIからVMコンソールへのコピー&ペースト対応
Prism Centralにアクセスしている作業端末等でテキストをコピーし、UIから仮想マシンコンソールにペーストできるようになりました。VMに対して特定のコマンドを送信したい場合などに活用できます。
ゲートウェイIPとDNS IPマッピングのリカバリープランサポート
IPAM非対応ネットワークに対して静的IPマッピングを設定できるようになりました。また、vNICレベルでプライマリおよび代替DNS IPアドレスとサフィックスを割り当てることができます。これにより自動化される範囲が広がり、復旧時の手動作業による負荷やタイムロスが軽減されます。
Nutanix Disaster Recoveryのポリシーに基づくリカバリポイントの有効期限
従来は、エンティティの削除や移行、手動での保護解除によって保護ポリシーから削除されると、設定されたカウントに基づいてリカバリポイントを保持する仕組みとなっており、ストレージ使用量の増加を抑えるためには、手動での削除が必要でした。AOS 7.6からは、リカバリポイントにカスタムの保持期間を設定することで、ライフサイクルを自動管理できるようになりました。
リカバリポイントの一括削除とUIの機能強化
仮想マシンとボリュームグループの両方に対し、経過時間ベースの一括削除操作により、ストレージ使用量とリカバリポイントのライフサイクルを管理できるようになりました。
Prism Centralのストレージダッシュボード追加
ストレージリソースの一元的な管理画面がダッシュボード形式で提供され、容量の監視・パフォーマンス評価・環境の問題特定が可能になりました。
Protection DomainからProtection Policyへの移行ツール
従来のProtection DomainベースのDRから、Protection Policyへの移行が可能となりました。プロテクションドメインで保護対象としている仮想マシンやボリュームグループを引き継ぐだけでなく、スケジュールもNutanix Disaster Recoveryのリカバリプランに継承することができます。
今後、Nutanixのデータ保護機能の拡張はPrism Centralで提供されるProtection Policyに実装される見通しのため、新規導入においてはPrism Centralの利用をおすすめします。
ライセンス未適用クラスターへの機能制限
AOS 7.6より、ライセンス未適用クラスターへの制限が厳格化されました。クラスター作成から60日以上ライセンスを適用していない場合には、いくつかの機能制限がかかります。90日を超えるとPrism Elementへのログインができなくなるなど、利用可能な機能がさらに制限されるため、クラスター構築後は早めのライセンス適用を推奨します。
詳細は以下の記事をご確認ください。
【注意喚起】Nutanix AOS 7.6以降のライセンス適用期限について
Nutanix Projects
Nutanix Projectsは、Nutanix Cloud Platform上の共有インフラをプロジェクト単位で論理的に分離して利用するための機能です。マルチテナンシーやリソース管理、インフラ構成をプロジェクト単位で管理でき、プロジェクトごとにアクセス制御することで、プロジェクト間のワークロードを分離できます。また、分離された環境を維持しつつ、必要に応じてプロジェクト間でリソースを共有することもできます。これにより、インフラ環境を安全かつ効率的に利用することができます。
その他アップデート
RHEL9のサポート
AOS 7.6から、CVM・PCVMのベースOSはRed Hat Enterprise Linux 9ディストリビューションが採用されます。これにより、RHEL9セキュリティ技術実装ガイド(STIG)に沿ったセキュリティ強化が図られています。
VMware vCenter Server 9.0とESXi 8.0のサポート
vSphere Lifecycle Manager(vLCM)が有効な、vCenter Server 9.0に管理されているESXi 8.0環境がサポート対象となりました。
同時ログインセッションの増加
Prism Centralにおいて、インスタンスサイズに応じて同時ログインセッション数が増加しました。X-SmallとSmallで10セッション、Largeで25セッション、X-Largeでは50セッションまで対応しています。
1ノードあたりの最大容量の拡大
AOS 7.6では、オールフラッシュNVMeノードの最大容量が185TBから307TB、ハイブリッドHCIノードの最大容量が212TBから270TBまでサポートされるようになりました。
リカバリポイントページの機能強化
Prism Centralのリカバリポイントページが強化され、より一貫性のある管理画面が提供されるようになりました。リカバリポイントを簡単に検索、管理、レポートできる機能が拡張されています。
Disaster Recoveryダッシュボードの機能強化
データ保護、MST、レプリケーションのワークフローに対する詳細な監視と制御が可能になりました。
参考リンク
AOS 7.6 Release Notes
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Release-Notes-AOS-v7_6:Release-Notes-AOS-v7_6
AHV 11.2 Release Notes
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Release-Notes-AHV-v11_2:Release-Notes-AHV-v11_2
Prism Central pc.7.6 Release Notes
https://portal.nutanix.com/page/documents/details?targetId=Release-Notes-Prism-Central-vpc_7_6:Release-Notes-Prism-Central-vpc_7_6
まとめ
今回はNCI 7.6のアップデート情報をまとめました。1N/2Dへの対応や外部ストレージ連携、Nutanix Projectsなど新機能が多数追加されました。その一方で、CVM/AHVへのSSHアクセス制限やライセンス未適用クラスターに対する機能制限など、セキュリティや運用管理の強化につながる変更も加えられています。さまざまなユースケースに対応する基盤の柔軟性を高めつつ、セキュリティやガバナンス面の強化を感じさせるアップデートとなりました。ぜひ本記事をアップデート内容のキャッチアップにご活用いただければ幸いです。
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著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第1技術統括部 第1技術部 1課
吉水 崚 - Ryo Yoshimizu -
