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VeeamでAHV上の仮想マシンをバックアップ Vol.4

ストレージ / HCI
2020.02.28

こんにちは。SB C&S 稲葉です。

本シリーズではVeeam Backup & ReplicationとNutanix AHV(以降AHV)の連携に関する記事を紹介しております。第4回ではライセンスに関して解説していきます。

構成や構築、操作手順を確認されたい方は以下のリンク先をご覧下さい。

 1回目:環境構成
 2回目:環境構築
 3回目:バックアップとリストア

1. Veeam Backup & Replicationのライセンス

Veeam Backup & Replicationにてハイパーバイザー上の仮想マシンをバックアップする場合は、大きく分けて以下の2種類のライセンスがあります。AHV上の仮想マシンをバックアップする場合はUneversalライセンスを選定する必要があります。

◇Perpetualライセンス

  • ホストのCPUソケットベースの永久ライセンス (*1
  • エディション(Standard/Enterprise/Enterprise Plus)が選択可能 (*2
  • サポートはベーシックサポート(平日9:00-20:00)とプロダクションサポート(24/365)を選択可能 (*3
  • 新規ライセンスには初年度分のサポートが付与 (*4
  • 対応するHypervisorはvSphere、Hyper-Vの2種類(AHVは含まれない)

◇Universalライセンス

  • 保護対象となる仮想マシンの台数によるサブスクリプションライセンス
  • 10インスタンス(仮想マシン10台)単位で購入 (*5
  • 1年から5年単位でのライセンスを購入可能
  • エディションによる区別はなく単一のEnterprise Plus相当のライセンスが付与
  • プロダクションサポートが自動的に付与 (*3
  • 対応するHypervisorはvSphere、Hyper-V、AHVの3種類
  • 物理サーバーのエージェントバックアップを実施

*1) 保護対象としないホストはライセンスカウントに含まれません。
*2) エディション比較につきましては以下のURL参照ください。
 https://www.veeam.com/jp/products-edition-comparison.html
*3) ベーシックサポートの日本語対応は「9:00-18:00」となります。サポートの詳細につきましては以下のURLを参照ください。
 https://www.veeam.com/jp/veeam_software_support_policy_ds.pdf
*4) 2年目以降のライセンスを購入は、複数年一括もしくは1年単位でのライセンス購入できます。
*5) ライセンスは10インスタンス1セットとなります。1インスタンス単位での購入はできません。

2. AHVで使用する場合の適用手順

※本記事では「Veeam Availability for Nutanix AHV 1.0」のライセンス適用の手順を紹介しております。

AHV上の仮想マシンをVeeam Backup & Replicationにてバックアップを取得する場合は、Nutanix Cluster内にプロキシサーバーとなる「Veeam Availability for Nutanix AHV(Virtual Appliance)」を配置する必要があり、Veeamのライセンスはこちらのプロキシサーバー上の管理画面から適用する必要があります。具体的な適用手順につきましては「2回目:環境構築」をご覧ください。

veeam-04-01.png

※ vSphereおよびHyper-VではVeeam Backup & Replicationサーバーの管理画面からライセンスを適用します。

3. まとめ

Nutanix AHVとVeeam Backup & Replicationのライセンスに関して要点をまとめますと以下3点となります。

  1. Nutanix AHVではUniversalライセンス(サブスクリプション)を選択する
  2. 購入するライセンスはインスタンス単位(仮想マシン台数)
  3. 適用はプロキシサーバーである「Veeam Availability for Nutanix AHV」から適用する

なお、2020年2月18日にVeeam Backup & Replication Ver.10がリリースされました。
そして、近日中にVer.10に対応した「Veeam Availability for Nutanix AHV 2.0」がリリースされることが公表されました。

「Veeam Availability for Nutanix AHV 2.0」ではライセンスの適用が「Veeam Availability for Nutanix AHV 1.0」とは異なるという情報を得ておりますので明らかになりましたら、またこのサイトで紹介していきます。

「Veeam Backup & Replication Ver.10」に関して1点注意点があります。

「Veeam Availability for Nutanix AHV 1.0」は以下の発表通りVer.10ではサポートされませんので、「Veeam Availability for Nutanix AHV 1.0」をご利用中の場合、安易にVeeam Backup & ReplicationをVer.10にアップグレードしないようご注意ください。

veeam-04-02.jpg

著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第3技術部 2課

稲葉 直之

静岡出身で大阪に就職職してはや十数年。お茶と日本酒をこよなく愛し、現在は仮想化及びその周辺のプリセールスエンジニアとして日々修行中。