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進化を遂げたVeeam Backup for Nutanix AHV 2.0

データマネジメント
2020.08.04

皆さま、こんにちは。SB C&Sの臼井です。

さて、先日、ガートナー社から「Gartner 2020 Magic Quadrant for Data Centre Backup and Recovery Solutions」が発表されましたが、Veeam Software社が4度目となるリーダーの認定を獲得しました。

https://www.veeam.com/2020-gartner-magic-quadrant.html

市場でも広く認知されてきているVeeam Software社ですが、Nutanix AHVの仮想マシンのバックアップ製品であるVeeam Availability for Nutanix AHVの新バージョンを3月30日にリリースしています。

Release Information for Veeam Backup for Nutanix AHV 2.0

Veeam Availability for Nutanix AHVについては、過去に弊社のブログで何度かご紹介させていただいておりますが、今回の新バージョンから製品名がVeeam Availability for Nutanix AHVからVeeam Backup for Nutanix AHVと変わっております。

Veeam Availability for Nutanix AHV(以下、VAN) 1.0 はバージョン1.0ということもあり、機能的に不足している部分も多少ありましたが、バージョン2.0となる Veeam Backup for Nutanix AHV(以下、VBN)では、多くの機能追加や改善が行われ、進化を遂げております。今回、VBN 2.0の新機能や1.0からの変更点をいくつかご紹介します。


その1:簡単で素早い導入

VAN1.0では、AHV Backup Proxyと呼ばれるAHV仮想マシンのバックアップやジョブの管理を行う仮想アプライアンスの仮想ディスクのみが提供されていました。そのため、VAN1.0でAHVの仮想マシンをバックアップできる状態にするには、Prism ElementのコンソールからAHV Backup Proxyの仮想ディスクをアップロード、アップロードした仮想ディスクから仮想マシンの作成、VANのWebコンソールとVeeam Backup ServerのVeeam コンソールからの設定など導入手順が煩雑になっていました。

VBN 2.0では、プラグインファイルとしての提供に変更され、Veeam Backup Serverにプラグインをインストール後は、 Veeam Backup ServerのVeeam コンソールからウィザード形式で簡単に導入が行えるように改善されました。

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下のスクリーンショットは導入ウィザードの一部ですが、ウィザードに従い設定するだけで、簡単に導入できます。

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その2:スナップショットとの連携強化

VAN1.0の時のNutanix AHVのスナップショットとの連携としては、バックアップ時に一時的にスナップショットを作成するだけでしたが、VBN2.0ではバックアップだけでなく、スナップショットのみのジョブを実行できるようになりました。

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これにより、下の図のように、バックアップは1日1回、スナップショットは1時間に1回など短い間隔で実行することでRPO(目標復旧時点)を短くすることが可能です。更に、スナップショットからのリストアは、短時間でリストアが行えるため、RTO(目標復旧時間)も短くすることができます。

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VM単位のスナップショットはPrism Elementからも手動で作成することが可能ですが、VBN2.0を使えば、スケジュールによる自動バックアップが行えるようになります。Protection Domain単位のスナップショットはPrism Elementからもスケジュールによる実行が可能ですが、VBN2.0を使えば、ファイル単位・アプリケーション単位などより細かい粒度でのリストアができるメリットがあります。

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ただし、下の表にPrism ElementVBNのスナップショットの違いをまとめましたが、VBNから実行するスナップショットジョブはクラッシュコンシステントのスナップショットになりますので、データの整合性が必要となるアプリケーションが起動している状態で仮想マシンのスナップショットの作成を行う際には、ご注意ください。

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その3:VBRコンソールから管理

VAN1.0時のVeeam Backup ServeのVeeamコンソールからはジョブの実行に関する操作は行えず、バックアップジョブの手動での開始や停止、ジョブの実行結果の確認は、AHV Backup ProxyのWebコンソールから行う必要がありました。

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VBN2.0では、Veeam Backup ServerのVeeamコンソールからバックアップジョブの手動での開始や停止、ジョブ結果の確認が可能になりました。
※バックアップジョブの作成や変更は、AHV Backup ProxyのWebコンソールから行う必要があります。

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これにより、同じVeeam Backup Server管理下でvSphereなどの他のハイパーバイザーの仮想マシンやVeeam Agent製品で物理サーバーをバックアップしている場合は、Veeam Backup Serverの1つのVeeamコンソールからまとめてジョブの管理ができるため、運用効率を上げることが可能です。

その4:Linuxファイルレベルリストア

VAN1.0では、Linux仮想マシンのバックアップからファイル単位のリストアを行う場合は、別途、vSphereかHyper-Vの環境が必要でした。これは、Linux仮想マシンのファイル単位のリストアを行うには、ファイルレベルリストア用の仮想アプライアンスを仮想環境に一時的に展開しますが、このファイルレベルリストア用の仮想アプライアンスがNutanix AHV環境に展開できなかったことが原因です。

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VBN2.0では、Nutanix AHV上にファイルレベルリストア用の仮想アプライアンスを展開することが可能になり、Linux仮想マシンのファイル単位のリストアのために他のハイパーバイザーを用意する必要がなくなりました。

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その5:仮想マシンへの直接ファイルリストア

VAN1.0でもWindows仮想マシンのファイル単位のリストアは可能でしたが、バックアップ対象の仮想マシンに直接リストアすることができませんでした。そのため、一旦、リストア対象のファイルをVeeamのコンソールからアクセスできる場所にコピーし、コピー後にファイルを仮想マシンに移動する必要がありました。

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VBN2.0では仮想マシンに直接ファイルをリストアできるようになり、1回の操作で簡単にリストアすることが可能です。ただし、Veeam Backup & Replicationでは、ESXiの仮想マシンにVMware Tools経由でのリストアが可能なため、リストア先の仮想マシンとネットワーク接続は必須ではありませんが、VBN2.0では、AHVの仮想マシンにNutanix Guest Tools経由でのリストアはできないため、リストア先の仮想マシンとのネットワーク接続が必要になりますので、ご注意ください。

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その6:メール通知のサポート

VAN1.0ではメール通知機能がなかったため、バックアップの結果を確認するには、VAN1.0のWebコンソールにログインして確認する必要がありました。サポートサイトでメール通知を行うスクリプトは提供はされていましたが、前日のサマリーを送信するのみで、送信を自動化するにはAHV Backup Proxyのクーロン(cron)で設定する必要がありました。

Veeam Availabiltiy for Nutanix AHV 1.0 script for e-mail reporting

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VBN2.0ではメール通知機能が実装され、ジョブ毎の結果を通知することが可能になりました。

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ただし、VBN2.0が送信するメールは、VAN2.0が管理しているジョブに関するもののみになりますので、バックアップコピージョブやテープコピージョブ、Configuration BackupジョブなどVeeam Backup Serverが管理しているジョブの結果を通知する場合は、Veeam Backup Server上のメール通知も忘れずに設定しておきましょう。

 <Veeam Backup Serverのメール通知設定>

veeam-ahv-202007-15.PNG

その7:別のNutanixクラスタへのリストア

VAN1.0ではバックアップ元のNutanixクラスタ上にしか仮想マシンをリストアすることができませんでした。VBN2.0ではVeeam Backup Serverのコンソールからも仮想マシンのリストアが可能になったことにより、複数のNutanixクラスタ上にAHV Backup Proxyを展開することでバックアプ元とは異なるNutanixクラスタにリストアすることが可能になりました。これにより、Nutanixクラスタ間での仮想マシン単位の移行や1つのNutanixクラスタ全体に障害が発生した場合でも別のNutanixクラスタにリストアすることにより、短時間での復旧を実現します。

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Veeam Backup for Nutanix AHV 2.0の新機能や1.0からの変更点をいくつか厳選してご紹介させていただきましたが、バージョン2.0で大幅な進化を遂げたことを感じていただけましたでしょうか?

この他にも重複排除ストレージ(Dell EMC Data domain: DD Boost/HPE StoreOnce Catalyst)のサポートやVeeamZIPによるアドホックバックアップ、AHV~ESXi間の仮想マシンの移行など多くの機能が追加されています。

是非、評価版で使い易さや進化を体感していただき、Nutanix AHVの仮想マシンのバックアップとして、Veeam Backup for Nutanix AHVをご検討いただければと思います。Engineer Voiceの資料ダウンロードにおいて、弊社でのNutanix連携の検証をまとめた資料をレポートを公開しております。

Veeam×Nutanix検証レポート

  • Veeam Backup for Nutanix AHV 2.0 を使用したNutanix AHVの仮想マシンバックアップ
  • Veeam Backup & Replication 10.0 を使用したNutanix Filesのファイルバックアップ

導入・設定からバックアップ・リストアまでの一連の流れを掲載しておりますので、評価版での検証の際の参考になれば幸いです。ご不明な点などございましたら、弊社Veeam製品サイトからお気軽にお問合せください。

 【参考情報】

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著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 ICT事業戦略・技術本部 技術統括部 第3技術部 1課
臼井 守