はじめに
こんにちは、SB C&Sの友松です。今回は、Nutanixのマルチクラスター管理ツールである「Prism Central(プリズム セントラル)」のProエディションで使用できる主な機能を紹介します。Prism Centralについての記事は3部構成で作成しており、内容は以下のようになります。
第2回: Prism Central(Proエディション) の主な機能 ←今回の記事
※この記事はPrism Central pc.2020.9 をベースに作成したものであるため、その後の製品アップデートによる仕様変更などについては最新のメーカードキュメント等をご確認ください。
今回ご紹介する内容
・Prism Centralのおさらい
・Prism Central(Proエディション)の主な機能
- カスタマイズ可能なダッシュボード
- レポート機能
- キャパシティ予測
- 仮想マシンの非効率化の発見およびライトサイジング
- ジャスト・イン・タイム・プランニング
- X-Play による運用の自動化
Prism Central のおさらい
前回の第1回の記事で、Prism Centralの概要について紹介しましたが、簡単におさらいをします。Prism Centralは、複数のNutanixクラスターを一元管理することができるツールであり、仮想マシンとして別途デプロイして使用するものとなります。
このPrism Centralを用いることで、管理対象として登録されている1つ以上のNutanixクラスターをPrism Central Webコンソールで統合的に管理することができます。例えば、任意のクラスター上に仮想マシンを作成したり、特定のクラスターのアラートやリソース状況を参照したりすることが可能です。
また、Nutanixでは、Prism Centralによって提供される機能が多数あります。例えば、キャパシティプランニングやレポート機能、X-Playによる運用の自動化機能などがそれにあたります。
ここからは、Prism Pro エディションで使用することができる、Prism Centralの機能について紹介します。
Prism Central(Proエディション)の主な機能
前回の記事で紹介したPrism Centralのソフトウェア エディションごとの機能のうち、の赤字で示しているProエディションの機能をピックアップして紹介します。
カスタマイズ可能なダッシュボード
この機能では、Prism Central Webコンソールのホーム画面へ、自分の見たい情報に合わせてカスタマイズしたダッシュボードを追加することができます。
例えばハードウェア リソースの使用状況やパフォーマンスを一つの画面でまとめて確認したいといった場合に、必要な情報を選択し、ダッシュボードへ追加することが可能です。クラスターを運用していくうえで、常に監視しておきたい特定の情報をホーム画面に表示させたい、といった場合に使える機能です。
レポート機能
レポート機能を使用すると、CPU使用率、メモリ使用量、IOPS、VM数、ホスト数、クラスター数、ライセンスの概要など、クラスターに関する様々な情報をレポートにまとめてPDF化したり、CSVでエクスポートしたりすることができます。また、スケジュールを作成して任意のメールアドレスへ自動でレポートを送信することも可能です。
この機能では、デフォルトで「クラスターの効率性のサマリ」と「環境情報のサマリ」という2種類のレポートのテンプレートが用意されており、それらをそのまま使用することもできます。また、任意の仮想マシンのメモリ使用率をグラフで表示させたいなど、レポートに出力したい情報を自分でカスタマイズして作成することも可能です。
月末にクラスターの運用報告資料を手作業で作成している運用担当の方もおられると思います。この機能を使用すれば、月次作業を自動化するといった運用面での工数削減に役立つかもしれませんね。
キャパシティ予測
こちらは、キャパシティランウェイとも呼ばれていますが、NutanixのX-FIT(クロス・フィット)とよばれるAIの機械学習機能による計算メソッドに基づいて、過去のリソースの使用状況をもとに今後1年間のリソースの消費量を予測してくれる機能です。
例えば、新規データの書き込みなどで、ストレージ容量は毎月一定の割合で増加したりすると思いますが、X-FITはこれまでの増加量の傾向を分析して、1年後にどの程度の容量を消費しているかを予測してくれます。この予測は、例えば将来クラスターへワークロードを追加したい場合などのサイジングに役立てることができそうです。
仮想マシンの非効率化の発見およびライトサイジング
こちらは、クラスター内で容量効率の悪いVMや、問題のあるVMを自動で特定してくれる機能です。例えば、実際の使用容量と比べて過剰なリソースを割り当てているVMや、リソースを消費しすぎて他の仮想マシンに影響を及ぼしているVMなどを表示してくれます。
こちらは、既存クラスターや新規クラスターへ新しいワークロードを追加したい場合に、活用できる機能です。この機能もX-FITの計算メソッドなどに基づいており、追加したいワークロードに対して、どのくらいのリソースを追加する必要があるかを教えてくれます。
画面の例では、VDIのフルクローンでユーザー数50人のワークロードを既存のクラスターへ追加しようとした場合に、追加のリソースとして推奨されるハードウェアモデルが表示されています。
X-Play による運用の自動化
こちらは、NutanixのX-Play(クロス・プレイ)と呼ばれる運用の自動化機能です。この機能では、特定のアラートが発生した際や、特定の日時などに実行したいアクションをあらかじめ定義しておいて、自動または手動で実行させることができます。例えば、メモリ容量が枯渇しているVMのアラートをトリガーとして、そのVMに自動でメモリを追加するといったことが可能です。
自動化を設定する際には、何をトリガーとするのか、またどういったアクションを行うのかということをプレイブックとよばれるリストに定義して保存します。作成済みのプレイブックを有効化することで、定義したアクションを自動で実行させることができます。
以上のように、Prism Central では、様々なシーンで活用できそうな機能が提供されています。特に、運用の自動化やレポート機能などは、用途に合わせてカスタマイズすることで、現場の運用担当者の工数削減に役立てることもできるかと思います。
Prism Centralを実際に触ってみたい人は、Nutanixが無償で提供しているテスト環境がありますので、ぜひご活用ください。
[Nutanix Test Drive]
まとめ
この記事では、Nutanixの管理ツール「Prism Central」の、Proエディションで使用できる主な機能について紹介しました。Prism Centralには、運用に役立つ様々な機能が搭載されていることをお伝えできたかと思います。次回の記事では、Prism Centralの導入方法について紹介したいと思います。お楽しみに。
書籍紹介
おわりに、Nutanix製品に関する最新の書籍を紹介します。こちらは当社のエンジニアチームと、ニュータニックス・ジャパン合同会社のエンジニアの方々が共同執筆したもので、AHVをはじめとするNutanixの技術やサービスを詳しく学ぶことができます。ご興味のある方やこれからNutanixを勉強したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
|
書籍タイトル: |
Nutanix Enterprise Cloud クラウド発想のITインフラ技術 |
著者: |
SB C&S株式会社 ニュータニックス・ジャパン合同会社 協力 |
発売日: |
2019年05月24日 |
価格: |
3,600円+税 |
出版社: |
翔泳社 |
詳細情報: |
翔泳社のホームページ |
|