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Nutanix × オムロンUPS VirtuAttendant バージョン2.1.0

Nutanix
2021.09.21

こんにちわ。SB C&Sで仮想化製品のプリセールスを担当している真砂です。

2021年3月末、VirtuAttendant最新バージョン2.1.0のアップデート情報がオムロン ソーシアルソリューションズ社から公開されました。
このバージョンは2021年9月時点でAOSの最新バージョンである5.20(LTS)に対応しています。

アップデート内容はNutanixとの連携機能以外にも嬉しい機能がいくつか追加されています。

バージョン2.1.0 アップデート内容

(1) 設定ウィザード

  • VirtuAttendant の仮想マシンを特定する機能(仮想マシン名を自由に決定可能)を追加
  • ハイパーバイザへのログインID およびパスワード入力を簡略化する機能を追加
  • Protection Domain が設定されていない環境においても仮想マシン情報を取得できるように変更(Nutanix AHV/Nutanix ESXi のみ)

(2) グループ設定画面

  • 仮想マシンのグループ登録を簡略化するための自動振り分け機能(仮想マシン名を条件指定することで自動的にグループ参加)を追加

(3) システム画面

  • 仮想マシンの優先度設定(停止処理のタイムアウト時間(分)および起動処理の処理時間(分))について、デフォルト値を変更できる機能を追加
  • 「システム全停止」ボタンにて、物理サーバ、UPS を含めた仮想システムを停止する機能を追加

(4) シャットダウン処理

  • Nutanix Files 停止判定タイミングの変更(Nutanix AHV/Nutanix ESXi のみ)
  • Nutanix AHV において、仮想マシンのシャットダウン実行を2 系統(Nutanix Guest Tools 経由とそれ以外)に分割し、シャットダウン命令を3 回送信するように変更(Nutanix AHV のみ)

これらのアップデートが提供されており、今回は下線で強調した以下のアップデート内容に注目して紹介いたします。

仮想マシングループの自動振り分け機能

以前のバージョンからVirtuAttendantでは任意の仮想マシンを選択して、特定のグループに分けてシャットダウンのタイミングを調整する機能が備わっていました。
今回のアップデートにて特定のワードを指定し そのワードが仮想マシン名に含まれる場合、任意のグループへ自動登録する機能が追加されました。
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この機能により、VDIなどの用途で複数台展開される仮想マシンを自動的に任意のグループに追加することができ、運用の負荷を軽減することができるようになりました。

システム全停止ボタンによるリモートからの電源管理

以前から法定点検などに対応するため、Virtuattendantをリモートから操作して仮想マシン、Nutanix、UPS含めて電源管理しているすべての対象を停止できないかという相談をよく頂いていました。
今回はそういった要望にお答えできる機能である「システム全停止」ボタンがVirtuAttendantに追加され、管理画面から1ボタンで管理対象の仮想マシンとNutanix、UPS本体の電源を停止することが可能になりました。
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このように、これまで電源異常検知時のみ動作していた各フェーズの停止処理を管理者が任意のタイミングで実施することができるようになりました。

VirtuAttendantの管理画面から簡単に実行することができるため、これまで法定点検などのために手動で行っていた各機器の停止作業を自動化することが可能になります。
※ボタンクリック後、確認画面が表示されます。

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注意点はUPSが停止したあとの動作はVirtuAttendant内の「NWカード設定 - VAシャットダウン設定」の値によって異なります。
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通常運用の際は電源異常により停止後、UPSが復電したタイミングで自動的にUPSを起動し、サーバーなど管理対象機器も自動的に起動させる運用を行う環境が多いと思います。
このような場合は設定値を[UPS停止/起動]に設定することで、UPSが復電を検知すると自動的にUPSが起動されます。

ただ、本バージョンで追加された「システム全停止」ボタンによって停止をする場合、電源異常時とは異なりUPSは停止後も常に電源供給がされている状態のため、停止後すぐに起動が行われてしまいます。
UPSに電源供給がされている状態でUPSの停止状態を維持したい場合、この設定値を「UPS停止」にしておくことで、UPSに電源供給が実施されている状態であってもUPSは停止状態を継続します。

 ※ [VAシャットダウン - UPS動作]の設定について
  ・USP停止/起動 : UPSが停止時、UPSへ電源供給されたタイミングでUPSを自動的に起動する。
  ・UPS停止    : UPSに停止時、UPSへ電源供給が行われても、停止状態を継続する。
  ・動作継続    : UPS稼働時、電源異常検知後もシャットダウン処理を行わず継続稼働する。

Nutanix Files 停止判定タイミングの変更

VirtuAttendantから実行されるNutanix Filesの停止方法が、Nutanix Filesの起動ステータスを確認するようになりました。
過去の記事で紹介しておりますが、過去バージョンにおいてNutanix Filesの停止は起動ステータスを確認しておらず、VirtuAttendantの設定を工夫する必要がありましたがこれらの対処が不要になりました。
過去の記事 → VirtuAttendantとNutanixの強固な連携機能

以前の細かな調整が不要となり、より使いやすくなったという点では個人的に嬉しいアップデートです。

Nutanix AHV の仮想マシン停止動作をNutanix Guest Toolsにも対応

ハイパーバイザーにAHVを利用している際の仮想マシンシャットダウン動作において、より正確なシャットダウンを行うためにNutanix Guest Tools(NGT)と連携して処理を行う機能が追加されました。

通常AHVから行われる仮想マシンのシャットダウン処理にはOSに標準搭載されているAPCIの仕組みを利用しており、VirtuAttendantもこの仕組を利用して仮想マシンのシャットダウン処理を実施しています。
ACPIの課題として、Windows OSで稼働している仮想マシンがロック状態の場合に、APCIからのシャットダウン処理を受け付けず正常にシャットダウン処理が行われない仕様があります。
ロック状態は仮想マシン上のユーザーがログオフせずに、一定時間無操作の状態が続く場合にも発生するため、意図せずロック状態になってしまいシャットダウンができないという状況が発生する場合がありました。

この課題を解決する仕組みとしてNutanixから提供される「Nutanix Guest Tools(以降NGT)」と呼ばれるエージェントをOSにインストールすることで、シャットダウン処理を従来のAPCIではなくNGTを利用することでロック状態の仮想マシンをシャットダウンすることが可能です。
VirtuAttendantもこのNGTを利用したシャットダウン処理に対応し、従来のACPIかNGTのどちらかを選択することができます。

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OS側でロック状態にならないように運用・設定できればACPI経由のシャットダウンでも問題ありませんが、難しい場合にはNGTを導入する選択肢が増えた形になりました。

まとめ

これまでのVirtuAttendantはNutanixを管理する上で必要最低限な機能もって、いち早くリリースされたNutanixの管理ソフトウェアでした。
今回のアップデートではNutanixの固有部分に関わらず、利用ユーザーからのフィードバックをもとに機能追加をされた印象を受けました。
Nutanixとの連携強化についてはNGT経由のシャットダウンが可能になった部分がありますが、それ以外にグルーピング機能の強化やリモートからのシステム全停止については、よくお客様からご質問を頂いてました。
こういった細かな要望が機能として追加されたことにより、さらに電源管理周りの運用負荷を軽減することができると考えています。

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著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 第3技術部 1課
真砂 暁 - Akira Masago

お客様へより良いシステムのご提供を目標に、インフラ周りのプリセールスエンジニアとして活動。
現在は仮想化製品を担当すべく、日々精進しております。