この記事は「VMware Cloud Foundation初期構築シリーズ 」の第3回目です。
VMware Cloud Foundation(以下、VCF)では、Management Domainの展開を完了したのち、VI Domainの展開に移ります。これまでの自動展開はVMware Cloud Builderによって実行しましたが、VI Domainの展開からはSDDC Managerによって実行します。
VI Domainの展開にあたって、Management Domainの展開前と同様にESXiホストの準備が必要です。ただし、Management Domainの展開時とは異なり、VI Domainの展開ではSDDC Managerでコミッショニングと呼ばれる操作を行います。コミッショニングとは、VCFインベントリにESXiホストを追加することであり、ニーズに応じてVI Domainを展開できるよう、VCFとして検証済みのESXiホストを溜めておくことができます。
なお、本ブログは第2回 SDDC Manager と Management Domain の展開の続きです。前回のブログですでにSDDC ManagerとManagement Domainの展開は完了しているため、さっそくVI Domainの準備に移ります。
ネットワークプールの作成
あらかじめ、SDDC Managerでネットワークプールを作成します。ネットワークプールはVI Domainの設定に使用します。
SDDC Managerへログインしていない場合は、「administrator@vsphere.local」ユーザーでログインします。
「管理」タブを開いて「ネットワーク設定」をクリックし、「ネットワーク プールの作成」をクリックします。
ネットワークプール「vcf51-w01-np01」の設定で以下の情報を入力し、「保存」をクリックします。
※「含まれるIPアドレス範囲」は「追加」ボタンをクリックすることで、以下のようにIPアドレスを入力できるようになります。
以上でネットワークプールの作成は完了です。
ホストのコミッショニング
VI Domainに使用するESXiホストをコミッショニングします。
「インベントリ」タブを開いて「ホスト」をクリックし、「ホストのコミッショニング」をクリックします。
チェックリストが表示されます。コミッショニングするホストはこのチェックリストの基準を満たしている必要があるため、内容を確認したうえで「すべて選択」をチェックし、「続行」をクリックします。
ホストを新規追加します。以下のスクリーンショットのように情報を入力し、「追加」をクリックします。
ESXiホストのFQDNを入力しますが、この後で入力する2台も含め、事前にDNSサーバーで正引きと逆引きの名前解決ができるようにしておく必要があります。
- 1台目のFQDN:eval-vcf51-esxi-61.cas.lab
※ストレージタイプで「vSAN」を選択すると、デフォルトでvSAN ESAの「有効」にチェックが入っています。今回はvSAN OSAの環境であるため、チェックを外したうえでホストを追加しています。
なお、今回はVI Domain用のESXiホストが合計3台あるため、残り2台のESXiホストについてもFQDNだけ以下に変更して新規追加します。
- 2台目のFQDN:eval-vcf51-esxi-62.cas.lab
- 3台目のFQDN:eval-vcf51-esxi-63.cas.lab
3台のESXiホストが追加されたことを確認したら、続いてフィンガープリントを確認します。「すべてのフィンガープリントを確認」をクリックし、「すべて検証」をクリックします。
検証ステータスが「有効」となったことを確認し、「次へ」をクリックします。
確認画面へ遷移するので内容を確認し、「コミッショニング」をクリックします。
コミッショニングが成功すると、以下のようにVCFインベントリにホストが表示されます。この時点では、VI Domainを展開していないため、これらのホストは未割り当ての状態となります。
以上でホストのコミッショニングは完了です。
これで、SDDC ManagerがVI Domainを自動展開する準備が整いました。
次回は、VI Domainを展開します。
著者紹介
SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 技術統括部
第1技術部 1課
千代田 寛 - Kan Chiyoda -
VMware vExpert