こんにちは。SB C&S 山田です。

VMware vSAN 8.0 U3 のESAで新たに実装された vSAN Data Protectionについて紹介します。実際に検証した内容を手順ベースで紹介していきます。

この記事は全3回となっており、そのうちの第2回です。

検証内容

以下の検証を実施しますが、　内容のボリュームから計3記事にわたって紹介します。本記事は第2回となるため、事前に第1回をご覧いただく必要があります。

第1回 ~Snapshot Service アプライアンスのデプロイ~

• Snapshot Service アプライアンスのダウンロード
• Snapshot Service アプライアンスのデプロイ

第2回 ~データ保護グループの作成~（本記事）

• データ保護グループの作成（パターンマッチ）
• データ保護グループの作成（個別設定）
• データ保護グループの作成（パターンマッチと手動選択）
• スナップショットの確認

第3回 ~データ保護グループの活用~

• 手動でのスナップショット作成
• スナップショットの削除
• 仮想マシンのリストア
• vSANスナップショットからの仮想マシンのクローン作成

今回の第2回は、データ保護グループの作成です。
仮想マシンをデータ保護グループに配置し、グループ内の仮想マシンのスナップショットを一貫してスケジュールおよび管理できます。
保護グループを使用することで、vSANスナップショットのスケジューリングと管理が可能ですが、リンククローン仮想マシンやvSphereスナップショットがある仮想マシンはvSANデータ保護グループに追加できません。

データ保護グループの作成は、3パターンの方法がありますので順に紹介します。

データ保護グループの作成（パターンマッチ）

1.    vSAN Data Protection画面の確認
・[Cluster]→[構成]→[vSAN]→[データ保護]をクリックする。

2.    保護グループを作成する。
・[保護グループ]を選択する。
・[保護グループの作成]をクリックする。

3.    保護グループの全般の設定。
・保護グループ名を入力する。
・メンバーシップにて[動的仮想マシン名のパターン]を選択する。
・[次へ]をクリックする。

補足：「不変モード」(イミュータブルモード)にチェックを入れると、この保護グループの編集、削除、作成されたスナップショットの削除を行うことが不可になります。そのため、スナップショットや保護グループ自体が改変されるリスクを排除し、データの完全性を確保します。
実際に試される際は、上記に注意いただき実施ください。

4.    仮想マシン名のパターンを追加する。
・仮想マシン名のパターンにパターンを入力する。（検証では「??-a1」を入力）

補足：クラスタ内でパターンに一致する名前のすべての仮想マシンが保護グループに追加されます。
以下の特殊文字を使用して、各仮想マシン名のパターンを定義できます。
・0個以上の文字と一致させるには「*」を使用
例、仮想マシン名のパターンdatabase*とprod-*-x は、databaseSQL、prod-1-x、prod-23-xという名前の仮想マシンと一致する。
・1個の文字と一致させるには「?」を使用
例、仮想マシン名のパターンprod-?はprod-１という名前の仮想マシンと一致するが、prod-23とは一致しない。

・パターン名入力後[追加]をクリックする。

5.    名前パターンを確認する。
・名前パターンに一致する仮想マシン欄に、該当する仮想マシンが存在することを確認する。
・[次へ]をクリックする。
　※下図点線部に項番４で指定したパターンに合致する仮想マシン「vm-a1」が存在している。

6.    スナップショットスケジュールを設定する。
・スケジュール名を入力する。
・スナップショットの作成間隔を設定する。
・スナップショットの保持期間を設定する。
・[次へ]をクリックする。
※スナップショットの作成間隔は30分以上にする必要あり
※スナップショットの保持期間は6時間～3年の範囲にする必要あり
※作成間隔と保持期間は、上記の値を下回ったり、超過するとエラーメッセージが表示されて進めない

7.    保護グループの最終確認。
・設定内容を確認し[作成]をクリックする。

8.    作成した保護グループがリストに記載されていることを確認。

　

データ保護グループの作成（個別設定）

1.    vSAN Data Protection画面の確認
・[Cluster]→[構成]→[vSAN]→[データ保護]をクリックする。

2.    保護グループを作成する。
・[保護グループ]を選択する。
・[保護グループの作成]をクリックする。

3.    保護グループの全般設定。
・保護グループ名を入力する。
・メンバーシップにて[個々の仮想マシンの選択]を選択する。
・[次へ]をクリックする。

4.    個々の仮想マシンの選択を行う。
・画面内のリストからグループに追加したい仮想マシンにチェックを入れる。
・選択された仮想マシン欄に対象の仮想マシンが記載されていることを確認する。
・[次へ]をクリックする。

5.    スナップショットスケジュールを設定する。
・スケジュール名を入力する。
・スナップショットの作成間隔を設定する。
・スナップショットの保持期間を設定する。
・[次へ]をクリックする。
※スナップショットの作成間隔は30分以上にする必要あり
※スナップショットの保持期間は6時間～3年の範囲にする必要あり
※作成間隔と保持期間は、上記の値を下回ったり、超過するとエラーメッセージが表示されて進めない。

6.    保護グループの最終確認。
・設定内容を確認し[作成]をクリックする。

7.    作成した保護グループがリストに記載されていることを確認。

　

データ保護グループの作成（パターンマッチと手動選択）

1.    vSAN Data Protection画面の確認
・[Cluster]→[構成]→[vSAN]→[データ保護]をクリックする。

2.    保護グループを作成する。
・[保護グループ]を選択する。
・[保護グループの作成]をクリックする。

3.    保護グループの全般設定。
・保護グループ名を入力する。
・メンバーシップにて[パターンに一致する仮想マシンと手動で選択した仮想マシンが保護グループに含まれます]を選択する。
・[次へ]をクリックする。

4.    仮想マシン名のパターンを追加する。
・仮想マシン名のパターンにパターンを入力する。（検証では「??-a1」を入力）

5.    名前パターンを確認する。
・名前パターンに一致する仮想マシン欄に該当する仮想マシンが存在することを確認する。
・[次へ]をクリックする。
　※下図点線部に項番４で指定したパターンに合致する仮想マシン「vm-a1」が存在している。

6.    個々の仮想マシンの選択を行う。
・画面内のリストからグループに追加したい仮想マシンにチェックを入れる。
・選択された仮想マシン欄に対象の仮想マシンが記載されていることを確認する。
・[次へ]をクリックする。

7.    スナップショットスケジュールを設定する。
・スケジュール名を入力する。
・スナップショットの作成間隔を設定する。
・スナップショットの保持期間を設定する。
・[次へ]をクリックする。
※スナップショットの作成間隔は30分以上にする必要あり
※スナップショットの保持期間は6時間～3年の範囲にする必要あり
※作成間隔と保持期間は、上記の値を下回ったり、超過するとエラーメッセージが表示されて進めない

8.    保護グループの最終確認。
・設定内容を確認し[作成]をクリックする。

9.    作成した保護グループがリストに記載されていることを確認。

　

スナップショットの確認

設定したスケジュールで作成されたスナップショットを確認します。

1.    スナップショットの確認
・スナップショットを作成したグループをクリックする。

2. スナップショットタブをクリックする。

設定したスケジュールによって作成されていることが確認できます。

Tips. vSAN Data Protectionで作成されるスナップショットはどこに保存されるのか？

検証を進める中で、「vSAN Data Protectionで作成されたスナップショットはどこに保存されるのか？」という点が気になったため、調査を行いました。通常、vSphereで仮想マシンのスナップショットを取得すると、データストア内の対象仮想マシンのフォルダに「vmsn」ファイルとして保存されます。

しかし、vSAN Data Protectionで作成されたスナップショットについて仮想マシンのフォルダを確認したところ、該当するデータは見当たりませんでした。

調査の結果、これらのスナップショットはvSANデータストア内の「PG～」というフォルダに格納されていることが判明しました。
この「PG」とはProtection Group（データ保護グループ）の略と考えられ、スナップショットデータはデータ保護グループごとに整理されて保存されているようです。

以上、今回はデータ保護グループの作成について３パターンの手順を紹介しました。続きは、第3回 ~データ保護グループの活用~をご確認ください。