
※生成AIで作成した画像です。
こんにちは、安藤です。
記念すべき1本目のブログになります。
今回は私がPower BIを使って当社のUiPathパートナー様の実績を可視化・分析する仕組みを作ってみた!というご紹介です。
UiPathビジネスを展開する中で、私たちが常に直面する課題のひとつが「パートナー様の活動をどう正しく把握し、どう支援につなげるか」です。
感覚や経験だけでは、成長機会を見落としてしまうこともあります。
そこで構築したのが、「パートナー分析レポート」
これはデータに基づいた戦略立案を支える基盤であり、パートナー様と共に成長するための"コンパス"となる仕組みです。
実際にパートナー様にもこのレポートをご提供し、活用いただいています。
目次
1.はじめに
2.データ構成の全体像
3.データモデリングの工夫
4.可視化と分析の事例
5.運用面での工夫
6.今後の展望
7.まとめ
1.はじめに
このレポートは、パートナー様の売上や案件の動きをまとめて見える化する仕組みです。
従来は「売上の把握は担当者ごと」「案件情報は別のファイル」など、バラバラに管理されていて、全体像をつかむのが難しい状態でした。
この仕組みを作成した目的は3つです。
①現状を見える化する
パートナーごとの売上や案件状況を一元的に把握できる
②戦略を描くための材料にする
成長領域や重点支援先を客観的に特定できる
③施策の効果を検証する
打ったアクションが成果につながったか、定量的に確かめられる
つまり、このレポートは「ただの数字管理表」ではなく、ビジネスを前進させるためのコンパスなのです。
2.データ構成の全体像
「どうやってデータをPower BIで可視化しているのか?」を図解したのがこちらです。
※↑の画像の数字はダミーです
複数のソースに散らばっていたデータ(Input)を集約し、Power Queryを使い、データを成形。そしてビジュアル化(Output)します。
定期的に更新しながら最新の情報を反映しています。
これにより、パートナー様のビジネスを俯瞰して見ることができます。
特に重要なのは、「パートナー別」「業種別」「新規 vs 既存」といった多角的な切り口で分析できることです。
これによって、施策立案の精度が大きく向上しています。
3.データモデリングの工夫
データをただ集めるだけでは「数字の羅列」で終わってしまいます。
そこで役立つのが「スタースキーマ」という整理方法です。
(今回はFactテーブルが複数存在する形でスターにはなっていないです)
■参考リンク
- Factテーブル(事実の表)
売上や粗利といった数字を集めた表。イメージは「売上明細表」。 - Dimensionテーブル(説明の表)
企業名、業種、案件タイプ、日付など。数字に意味を与える表。
両者をキーでつなぐことで、
「製造業の新規案件はどれくらい伸びているか?」
「パートナーAとBでは、どちらが継続案件に強いか?」
といった分析が一瞬でできるようになります。
つまり、数字にストーリーを与える仕組みがデータモデリングの工夫です。
4. 可視化と分析の事例
Power BIで可視化すると、数字の羅列が「気づきを与えるグラフ」に変わります。
たとえば:
- パートナー別売上ランキング
→ 「今どのパートナーが伸びているか」を一目で把握 - 業種別の導入傾向
→ 「どの業界に成長余地があるか」を発見 - 新規 vs 既存案件の比率
→ 「攻め」と「守り」のバランスを確認 - 四半期ごとの推移
→ 成長スピードを客観的に把握
※実際に作成したダッシュボード(数字はダミーです)
5. 運用面での工夫
良い仕組みでも「更新が大変」「管理がバラバラ」では続かないので
運用面でもいくつか工夫をしています。
・Power BIでのスケジュール更新の設定
毎月月初の○○時に更新などの設定。なお、重要な施策検討などに合わせて随時更新も可能。
・できる限りエラーや作り直しが発生しない
ソースファイル名を「UiPath案件.xlsx」など固定した名前にすることで、誰が作業しても処理が崩れず、最新データを社内システムからダウンロード・格納し、ワンクリックで更新が可能。
それでもエラーが発生したら、、、
ChatGPTにスクリーンショットを添えて相談すれば解決策が見つかることも多いです。
私は困ったらまずChatGPTに聞いています。
こうした工夫で、チームの誰でも安心して使い続けられるレポートになっています。
6. 今後の展望
今後は、さらに一歩進めて「提案してくれるレポート」へと進化させたいと考えています。
- RPAによる自動化
Inputとなる社内システムデータのダウンロード・指定フォルダへの格納の自動化 - AIによる異常検知
売上や案件の急な変動を自動で検出し、知らせてくれる - 生成AIによるインサイト抽出
「このパートナーが伸びているのは製造業での新規案件増が理由です」といった背景まで自動で解説
これが実現すれば、データ分析は「ただ見る」から「次の一手を提案してくれる存在」になりそうです!
7. まとめ
今回ご紹介したパートナー分析レポートのポイントは次の3つです。
①"ビジネスのコンパス"としての役割
売上や案件のデータを一元化し、Power BIで直感的に可視化。いま何が起きているのかを瞬時に把握できます。
②感覚に頼らない戦略立案
データモデリングにより数字に意味を与え、多角的な切り口から分析。根拠ある戦略を描けるようになります。
③パートナー様との前向きな共創
データを共通言語にすることで、パートナー様と根拠のある会話ができます。
データ活用を通じて、意思決定のスピードと質を高める。
これこそが本レポートの最大の魅力であり、私たちが目指したい姿です。
これからも、パートナー様と一緒に成長していくための"伴走するレポート"として進化させていきます!
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著者紹介

SB C&S株式会社
ICT事業本部 技術本部 先端技術統括部 DXコンサルティング部 ストラテジー&データサイエンス課
安藤 里奈